achiyo_lovesea

自己満足でなく、社会や人の役に立っていたいと思う

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記事一覧

みんなと違う そして事件

 授業が終わると、ブランコにまっしぐら。ランドセルの中でガタゴトガタゴト、教科書や文具が踊る。 ブランコに座っている友達が嬉しそうに手を振っている。  「空いてい…

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あの頃へ…10…トマト

覚えたての自転車で近所を散策。 まだ、カーブは苦手。 大好きな道がある。右手に小粒の赤い実をつけたサンゴ樹の垣根が長く続き、下には砂底が見える綺麗な小川。 少し先…

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あの頃へ…9…夏の日の友達

近所のお兄ちゃん 我が家を出て神社の脇を通り、まっすぐ行った先、子どもの足では少し遠く感じた場所に、規則正しくカコーン、カコーンと鳴り響く庭園がある。 幼馴染と…

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あの頃へ…5〜7…かえる

(つぶやきでは散文するのでまとめてみました) カエルとの出会い 土間・囲炉裏・井戸がある仮住まいした農家の古民家。こんこんと湧く井戸水は、まろやかで夏は冷たく心…

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あの頃へ…8…いち大事

仮住まいしていた農村集落。 運動会が盛んな時期、まもなく子どもたちの地域内予選がある。幼いながらに、近所のお兄ちゃん、お姉ちゃんの走る姿に憧れた。 近くにある神社…

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あの頃へ  …4
立派な樹木の垣根があった。休日に幼馴染と集まっては、その木をバスにして遊んだ。運転手、お客様。ジャンケンで場所と役割を決め、前列から樹木にまたがって無邪気に遊ぶ。今思えば垣根は気の毒だったかな。創意工夫で毎日遊びを生み出すのは楽しい。幼少時の工夫は今も変わらず。

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あの頃へ  …3
毎年夏休み、隣家のおじさんがツリーハウスを作ってくれた。宿題をやる時に登る約束。親たちの前を学習ノートや筆記具を持って目立つように歩き、ハウスに登る。少し狭いが、手動式の窓もある。下の枝から葡萄棚にも手が届く。耳を澄ますと、葉を揺らす風の音、蝉の声。別世界のよう

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あの頃へ  …2
南天、柚子、いちじく、柿、父が育てた庭木。サヤエンドウ、トマト、ピーマン、母が収穫する家庭菜園。
庭に迷い込んだ鶏を追いかけ、隣家の男の子が走り回る。汗だくになり挟み討ちしてやっと胸に抱く。鶏は迷惑そうに鳴き声をあげ頭を振るが、あの温かさが記憶に残る。農村が好き

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あの頃へ  …1
子どもの頃、仮住まいをしていた農村集落。
直ぐ近くに大きな金木犀があった。樹齢50年の桜並木と同じぐらいある。
開花の時期は、心地よい柔らかな香りを風に乗せて遠くまで運んでいる。
地面には一面黄金色の花の絨毯が敷かれる。寝そべって天を仰ぐ、樹間から青空が見える。

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みんなと違う そして事件

みんなと違う そして事件

 授業が終わると、ブランコにまっしぐら。ランドセルの中でガタゴトガタゴト、教科書や文具が踊る。
ブランコに座っている友達が嬉しそうに手を振っている。
 「空いていて良かったねー♪」いつものように、ブランコをゆっくり蹴って、今日の出来事を話し始めた。嬉しい、悲しい、いやだったこと。……ひと通り話終わると、お互いに押したり、立ち上がったりして勢いよくブランコ揺らし風を感じた。ブランコで大きく下降する時

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あの頃へ…10…トマト

あの頃へ…10…トマト

覚えたての自転車で近所を散策。
まだ、カーブは苦手。
大好きな道がある。右手に小粒の赤い実をつけたサンゴ樹の垣根が長く続き、下には砂底が見える綺麗な小川。

少し先の角を曲がると、一面にトマト畑が見えてくる。
近所のおばちゃんが私の名を呼ぶ声がする。自転車をよろよろと停めて振り返ると、日に焼けたおばちゃんの笑顔。
「どこに行くの?」と話しかけながら、手招きしている。

駆け出してそばに行くと、熟し

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あの頃へ…9…夏の日の友達

あの頃へ…9…夏の日の友達

近所のお兄ちゃん

我が家を出て神社の脇を通り、まっすぐ行った先、子どもの足では少し遠く感じた場所に、規則正しくカコーン、カコーンと鳴り響く庭園がある。
幼馴染と一緒に夏休みにだけ出会えるお兄ちゃんと遊ぶ。
庭の奥に竹林があり、その中を通り抜けると小川や土手がある。おじさんの手を借りて適当な竹を切り出し、お兄ちゃんに水鉄砲の作り方を教えてもらう。ふた手に別れて無邪気に撃ち合い、逃げ回る。

時には

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あの頃へ…5〜7…かえる

あの頃へ…5〜7…かえる

(つぶやきでは散文するのでまとめてみました)

カエルとの出会い

土間・囲炉裏・井戸がある仮住まいした農家の古民家。こんこんと湧く井戸水は、まろやかで夏は冷たく心地よい。
井戸を背に粘土層が壁のようにある。20cmほどえぐれた小さな棚があり、梅雨の時期になるとガマガエルの親子がちょこんと座っている。この子たちとの出会いは5、6歳の時。母のお裁縫道具を借りてチクチクと簡単に布を断ち、完成したのは子

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あの頃へ…8…いち大事

あの頃へ…8…いち大事

仮住まいしていた農村集落。
運動会が盛んな時期、まもなく子どもたちの地域内予選がある。幼いながらに、近所のお兄ちゃん、お姉ちゃんの走る姿に憧れた。
近くにある神社の境内には広い平地があるので、練習するには恰好の場所。

予想外の怪我

ある日曜日、地面に小石でトラックを描き、そこでバトンリレーの練習。本番さながらに夢中で走る。
私がコーナーにさしかかり、地面を思い切り蹴ると、初めて感じる違和感。二

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あの頃へ  …4
立派な樹木の垣根があった。休日に幼馴染と集まっては、その木をバスにして遊んだ。運転手、お客様。ジャンケンで場所と役割を決め、前列から樹木にまたがって無邪気に遊ぶ。今思えば垣根は気の毒だったかな。創意工夫で毎日遊びを生み出すのは楽しい。幼少時の工夫は今も変わらず。

あの頃へ  …3
毎年夏休み、隣家のおじさんがツリーハウスを作ってくれた。宿題をやる時に登る約束。親たちの前を学習ノートや筆記具を持って目立つように歩き、ハウスに登る。少し狭いが、手動式の窓もある。下の枝から葡萄棚にも手が届く。耳を澄ますと、葉を揺らす風の音、蝉の声。別世界のよう

あの頃へ  …2
南天、柚子、いちじく、柿、父が育てた庭木。サヤエンドウ、トマト、ピーマン、母が収穫する家庭菜園。
庭に迷い込んだ鶏を追いかけ、隣家の男の子が走り回る。汗だくになり挟み討ちしてやっと胸に抱く。鶏は迷惑そうに鳴き声をあげ頭を振るが、あの温かさが記憶に残る。農村が好き

あの頃へ  …1
子どもの頃、仮住まいをしていた農村集落。
直ぐ近くに大きな金木犀があった。樹齢50年の桜並木と同じぐらいある。
開花の時期は、心地よい柔らかな香りを風に乗せて遠くまで運んでいる。
地面には一面黄金色の花の絨毯が敷かれる。寝そべって天を仰ぐ、樹間から青空が見える。