あの頃へ  …1
子どもの頃、仮住まいをしていた農村集落。
直ぐ近くに大きな金木犀があった。樹齢50年の桜並木と同じぐらいある。
開花の時期は、心地よい柔らかな香りを風に乗せて遠くまで運んでいる。
地面には一面黄金色の花の絨毯が敷かれる。寝そべって天を仰ぐ、樹間から青空が見える。