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エッセイ#7『テストが返却される時』

エッセイ#7『テストが返却される時』

学生時代のテストが返却される瞬間の緊張感を思い出すと、今だに心拍数が上がり胸がキュッとなる。どうしてあんなにもプレッシャーに駆られていたのだろうかと、ふと思った。

「いい高校に行けない」「いい大学に行けない」「親に怒られる」「順位が低い」みたいなところがあの緊張感の原因なのだろうけど、今考えれば本当にどうでも良い事で、だからどうしてテストの点数であんなにドキドキしていたのかとバカらしくなった。そ

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エッセイ#6『送り迎え』

エッセイ#6『送り迎え』

母に妹の送り迎えを頼まれたのは初めてだった。

妹を母が毎回の如く送り迎えをしているのは知っていた。しかし今年で小学6年生になった妹に果たして送り迎えが必要なのだろうかと疑問には思っていたので、頼まれた流れでその旨を母に伝え、俺は小学3年生ぐらいから一人でサッカーに行っていただとか言うと、

「それなら行かなくて良いよ」

そう言われて初めて自分の小ささに気が付く。思えば20歳まで送り迎えを頼めれ

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エッセイ#5『格闘技が好きだ』

エッセイ#5『格闘技が好きだ』

僕は先日、アマチュアキックボクシングの2戦目を戦いなんとか勝利する事が出来た。正確には肘なしのアマチュアムエタイルールだが、まああまりルールは気にしていない。

練習していたジャブ、膝、そしてローキック。どれも殺傷能力は話にならないが、それでも全ての技を使う事が出来たし、尚且つローキックを効かすことも出来た。自分でも驚くほど冷静に試合を進めらて、試合中なのに思わずにやけてしまうほどだった。

昨年

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エッセイ#4『僕は人間だから』

エッセイ#4『僕は人間だから』

本当の自分はどこにいるのだろうか。そんな事をふと考える。どの瞬間が一番自分らしく、気取らず、素でいられるのだろうかと。そもそも自分らしくとはなんだろうか。

小学校高学年から、かれこれ高校生くらいまで尽きなかった悩みがある。「本当の自分はどこにいるのか」という悩み。A君と話す時の自分。B君と話す時の自分。Cちゃんと話す時の自分。そして家族と話す時の自分。どれも自分だけど、どれも違う。

人見知りな

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エッセイ#3『空に残るもの』

エッセイ#3『空に残るもの』

外に出ると雲ひとつない晴天だった。

晴れた空が果てしなく広がっていて、こんな日には意味もなくただ歩いていたいと思った。太陽の光が眩しい。犬が散歩している。張り巡らされた電線は街の味になって、そんな上を鳥が飛んでいる。特に変わらない景色が良くて、それもきっと空が晴れているからだろう。足の蝶の羽を少し広げてまた歩いた。

外に出ると雲で溢れた晴れ空だった。

空の青さに雲の白がはっきりしている。この

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エッセイ#2 『忘れられたクリスマス』

エッセイ#2 『忘れられたクリスマス』

2023年のクリスマスは強いて言えばよく寝られたくらいだった。世間が2024年のスタートダッシュを続々と切っている新年早々、僕の捻くれた脳はクリスマスを思い出した。

小さい頃からサンタさんにはゲームのカセットからPlayStation Vita、任天堂3DSなど高価なものばかり貰っていた。サンタさんはさぞかし困ったと思うけど、それでも絶対に頼んだ物と違うおもちゃが来た事はなかった。子供心にサンタ

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エッセイ#1 『日常』

エッセイ#1 『日常』

満員電車は苦手だが、電車を乗り継いで都会の街に出ていく感覚は嫌いではない。

電車では基本音楽を聴くか、映画を見て楽しんでいるけど、時折どんな音楽や映画も気分に合わない日がある。そんな日はどうするものかとボーッとしていると、つけていたイヤホンが無音だった。おそらくそれとは関係ないが、前の人が本を開いている。

本を買うのは好きだ。読むのが好きと言うことではない。ただ、「電車」という場所であれば読め

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