マガジンのカバー画像

読書感想

70
読書感想記事。本マガジンが初出のものもあれば、別途運営しているブログ「モーション・グリーン」で更新した記事から派生したものの場合もあり。
運営しているクリエイター

記事一覧

答えは自分の奥底にある!? 『CROSS OVER』合宿編にみる未体感体験のススメ

答えは自分の奥底にある!? 『CROSS OVER』合宿編にみる未体感体験のススメ

少年マンガにテッパンの展開といえば、過去編と修行編。

特に、修行編は挫折(敗北)から這い上がり、困難を経て再び立ち上がる胸アツ展開が約束?されているとあって、始まると読んでいてテンションが上がる。

ところが、この修行編で、予想だにしない“スキル”獲得に乗り出した作品がある。

バスケ漫画『CROSS OVER』だ。

この漫画、後に『涼風』『君のいる街』を生み出し「カワイイ女の子を書かせたら天

もっとみる
徳川家康ってきっと本人にあったら「どうした、家康」と言ってしまいそうな人だったんじゃないか説

徳川家康ってきっと本人にあったら「どうした、家康」と言ってしまいそうな人だったんじゃないか説

もし、タイムマシンで実際に日本の歴史上の人物に会えたとして、一番イメージと異なる雰囲気を放っているのは、徳川家康かもしれない。

『どうした、家康』を読み終えて、この仮説が頭から離れない。

幼少期からハードモードのスタートを切り、一つの決断で1を得ても10を失う(もしくは20の苦難を背負う)生涯を送り続け、晩年にはそれまでの生き様を黒く塗りつぶすような所業で「狸」のイメージを刻む。

しかも、歴

もっとみる
呪術廻戦 5 (ジャンプコミックス)

呪術廻戦 5 (ジャンプコミックス)

「体を部位で分けることが呪力の遅れを生む」
「俺達は、全身全霊で世界に存在している」

熱いな!
突然のBLEACH感がたまらない(笑)

呪術というフィクション要素満載の概念だけど、そのエネルギーは人から生まれているものであり、人の感情に、体に根ざしている。

だから、変に線引きせず、部分部分で動かすのではなく。
体という大きな一つの存在として位置づけ、淀みなくその内部に一本筋を通すこと。

もっとみる
ワールドトリガー 6 (ジャンプコミックス)

ワールドトリガー 6 (ジャンプコミックス)

ネイバーVSボーダー。
いつか来るとは思っていたけど、予想以上に早い大激突がはじまった。

まんま異星人の侵略がはじまって、前巻までのランクバトル(昇格戦)が早くも遠い彼方になりそうな予感(笑)

しかも、非人型だったネイバーから、人に近い形のネイバーが登場。
物量戦ではなく、より高度な戦略の戦いにステージがうつっていく。

戦いで重要なのは、相手の情報をいかに多く握っているか、ということ。
人型

もっとみる
ワールドトリガー 5 (ジャンプコミックス)

ワールドトリガー 5 (ジャンプコミックス)

kindle版はコチラ

3人が3人それぞれの個性を出しまくる入隊編。

まずはオサム。
3人のなかで実力が最も劣り、最も特徴がないと思われていた(本人もその自覚がある)ところに、超格上・風間との模擬戦がはじまる。

なすすべもなく連敗してしまうオサムに聞こえた、「迅が黒トリガーを手放した」事実。
これがオサムの心に火をつける。

ユーマの生きる目的をオサムが作ったように、自分のためではなく自分と

もっとみる
アルスラーン戦記(2)

アルスラーン戦記(2)

kindle版はコチラ

王国崩壊

日本の戦国時代や、中国の戦史をよく歴史小説などで読んできた僕ですら、ここまで着実に後退→陥落→崩壊 と見せつけられるとやりきれない。

国の衰えが見えてくると、それぞれがそれぞれの判断で動き、そこに明暗が生まれる。
つまり、攻める側からすると隙が見えてくる。

この巻でも「お宝目当てのクセ者」ギーヴや、逃亡を図る王妃、そして憎しみ(愛憎)をたぎらせるカーラーン

もっとみる
約束のネバーランド 2 (ジャンプコミックス)

約束のネバーランド 2 (ジャンプコミックス)

kindle版はコチラ

楽園からの脱出劇。
計画が具体性を帯びてくればくるほど深まる「ママ」との駆け引き。
そして段々いろんなことが見えてくる。

ノーマンとレイという稀代の天才が、まるで「DEATH NOTE」の月とLのように、少しずつ可能性の扉を開けていく、という展開かと思いきや・・・

「この中に内通者がいる」

まあ、これはわかる(エマたちにとっては辛いけど)

「君だったんだね、レイ」

もっとみる
仮面ライダークウガ (10) (ヒーローズコミックス)

仮面ライダークウガ (10) (ヒーローズコミックス)

kindle版はコチラ

バトル多めの10巻、なんといってもバダー(バグブソン)カッコいい!
正直、この巻で散るのがもったいない(汗)
ここまでクセモノやら歪んでる性格のグロンギ多かっただけに、ここまで戦いに特化した(しかも、仮面ライダー型!)敵が出てくると、かえって印象残るなあ(爆)

対する五代はサチと共同戦線。完全にサチが戦うヒロインになってて、もうこのままくっついてしまえ、と(笑)

で、

もっとみる
仮面ライダークウガ (9) (ヒーローズコミックス)

仮面ライダークウガ (9) (ヒーローズコミックス)

kindle版はコチラ

・アギト翔一の覚醒
・サチ(ガリマ)の正体がバレる ← 翔一
・絵美が駿河に飼われていた女  ← 五代

まさに平成ライダー鉄板のミスコミュニケーション展開(涙)

そして当の五代と翔一が、次第にお互いを大切な存在と位置づけていながら、正体を知らず激突してしまう切なさは、「555」の巧と木場を彷彿とさせる。

クウガVSアギトという、実写では実現しなかった異次元バトルがカ

もっとみる
呪術廻戦 4 (ジャンプコミックス)

呪術廻戦 4 (ジャンプコミックス)

kindle版はコチラ

みんなのための力、みんなのための命

そんな悠二の思いを、真人は打ち砕く。

人の命も、虫の命も、モノの命も、単位は一つ。
だから、そこに価値づけているのはその人本人。
虫を踏んだり叩いたりして、動物や魚を食べることに抵抗がないのに、なぜ人の命には罪悪感を抱くのか?

そんな無意識の壁が取り払われた時、全てが虚無になっていく。
次々と人は呪いにかかり、人を傷つけていく。

もっとみる
ワールドトリガー 4 (ジャンプコミックス)

ワールドトリガー 4 (ジャンプコミックス)

kindle版はコチラ

この作品の、本当の世界観=チーム戦の幕開け。
少なくても今は、人間同士の戦い(ほぼゲームに近い)

傷ついても肉体の損傷はなく、退場しても命はとられない。
ただ、問われているのは、ユウマたちの未来。
命こそかけないが、価値観と背負っているものをかけて、迅たちが木戸派と激突するのが、この巻のハイライト。

そして、もう一つ明らかになったのが、「トリガー」の種類。
単発で出て

もっとみる
葬送のフリーレン (1) (少年サンデーコミックス)

葬送のフリーレン (1) (少年サンデーコミックス)

kindle版はコチラ

「マンガ大賞2021」受賞作。

ここ数年のトレンドでもない雰囲気の作品が受賞と言うことで結構話題にになっていたなあ(まあ、予想通りという人も相当数いたけど)

読んでみると、とても切なく、とても爽やか。

外で思うように振舞えない今だからこそ読みたい作品だ。

この物語は、終わりからの始まり。
魔王を倒して、幕を閉じた勇者たちと共に戦った一人の女性が、その先を生きる物語

もっとみる
アルスラーン戦記(1) (週刊少年マガジンコミックス)

アルスラーン戦記(1) (週刊少年マガジンコミックス)

kindle版はコチラ

かつて、負け戦にあった主従の物語を読んだことがある。
彼らは前線の配置ではなかったため、ただ出陣するだけでいい、とたかをくくっていた。

負けないための工夫、死なないための研鑽
かつて、知恵と努力を振り絞って積み上げたものたちは、いつから「勝って当たり前」にすり替わるのだろうか。

相手だって工夫をする。
研究をして、進化する。
相手のことに視点を向けなかった時点で、「勝

もっとみる
仮面ライダークウガ (8)  (ヒーローズコミックス)

仮面ライダークウガ (8)  (ヒーローズコミックス)

kindle版はコチラ

青をすっ飛ばして、紫クウガ爆誕!
やっぱりカラーページになると、テンション上がるなーーーー
(その分、モノクロになると、認識に時間がかかる・・・)

そして、五代と一緒に汗を流し、血を流す一条。
さらに、着実に進化していく人類。

それらが光となれば、五代と一条のようになる。
ボロボロになりながらも、守りたいものを守れる存在へ。

でも、闇となれば、全てが敵になり、全てを

もっとみる