マガジンのカバー画像

月刊青木真也

月刊青木真也 青木真也の記事をお得に。 青木真也の発信する記事が1200円で読み放題に。単品で買うよりもお得です。
¥1,200 / 月
運営しているクリエイター

#格闘技選手

「カネを取れる練習」はない話 カネをもらうための練習

「カネを取れる練習」はない話 カネをもらうための練習

格闘技をしていると「カネを取れる練習」と言ってもらえることがあります。言ってくださる方々に悪気があるものではないのは理解しているし、内容や気迫も含めた練習内容に対してカネを取れる意味合いとメンバーが豪華で試合で見たい組み合わせの意味合いがあるとは思うのですが、僕は「カネを取れる練習」なんてものはないと思っています。むしろ「カネを取れる練習」と言われるとバカにされているような感覚すら覚えます。カネを

もっとみる
格闘技選手は専業か兼業か しっかり会社員で働きながらプロ選手やるのが賢明

格闘技選手は専業か兼業か しっかり会社員で働きながらプロ選手やるのが賢明

日曜日の午前中から昼にかけてUFCがやっていますが、3月31日は練習で一緒になった方が出ている「パンクラス」を眺めていました。眺めていたと書くのには理由があって、この規模の国内格闘技興業は観客を考えた作りではなく、選手を考えた競技会です。プロ格闘技興業として観ようとするとこっちがイライラするので、眺める程度がこちらもペースを乱されずで丁度いいのです。

もっとみる
大谷翔平さん界隈の賭博騒動から考える格闘技選手の価値を落とさない生き方の話

大谷翔平さん界隈の賭博騒動から考える格闘技選手の価値を落とさない生き方の話

大谷翔平さんが通訳の水原一平さんが博打狂いで詰まってしまったのに際して、違法の賭場に大谷翔平名義で口座送金してしまうワキの甘さを御披露いただいて、プロスポーツ選手の危うさを考えさせられました。表に出る人は違法な組織や人との接触は一切ないように気をつけるのが2024年令和であります。とは言っても僕は一気に大谷翔平さんに興味が出てきたの事実です。このまま逃げ切れる強運の持ち主か否か。ここで天が味方した

もっとみる
若い頃は挑戦するコストが安い話 だからこそ若い人にカネが回ると良い

若い頃は挑戦するコストが安い話 だからこそ若い人にカネが回ると良い

練習後に若手選手と話していた際に来年の「Road to UFC」待ち状態で、「Road to UFC」選出がわかるまで試合をしないで待ちたいと話していて、UFC目指す組やRIZINを目指す組など目的が多様化している今の格闘技をよく表していると思いました。選択肢が多いことはいいことだと思います。

同じような格闘技をしているけれど、目的が違えば価値基準も変わってくるので、コミュニケーションを取る際に

もっとみる
主客転倒している話 演者と客のパワーバランスが崩れている世の中 主導権を握らせたら駄目だよ 絶対にの巻

主客転倒している話 演者と客のパワーバランスが崩れている世の中 主導権を握らせたら駄目だよ 絶対にの巻

那須川天心さんが「演者と客のパワーバランスが逆になってる世の中、 主導権は握らせたら駄目だよ絶対に」と当たり前なのだけど、商売を考えて口に出さない人が大半の芯の部分を発信していました。

那須川天心さんの存在と立場でここら辺の話を躊躇なくしてしまう辺りが那須川天心であって、世間一般に言われるプロボクサーでもアスリートでも格闘家でもなく、那須川天心がボクシングやキックボクシングで表現している文字通り

もっとみる
MMAの試合をする気になった話とMMAの組技で極める考え方の話

MMAの試合をする気になった話とMMAの組技で極める考え方の話

MMAの試合をしたくなったのか、する気になったのか、ONE日本大会がある真実味が増したからなのかは分かりませんが、MMAの試合をやる気になってMMAの練習をし始めました。なんとなく気持ちの潤いが違いますね。

試合を欲する精神状況になってきたのは大事なことです。
これまで嫌々やっていたわけではないけれど、仕事だからやるかと自分を納得をさせてやるのと自ら試合を欲してやるのとでは、同じやるでも前向きさ

もっとみる
「お金では埋められないものがある」話と仕事の話

「お金では埋められないものがある」話と仕事の話

先週末は日本大学国際関係学部学園祭のゲストスピーカーで行って参りました。大学での講演や学園祭での仕事は名誉な仕事なので、優先度が高いというか、仕事ができることに喜びを感じる仕事です。講演自体は「よかった」との評価を頂けて、一安心しております。

日本大学国際関係学部のキャンパスが静岡の三島だったので、せっかくだからとそのまま静岡に帰省してきました。東京と静岡の2拠点生活を視野に入れているので、今年

もっとみる
10月7日ムスメシ戦に向けて 6 試合をすることで深層から感情と言葉が出てくる

10月7日ムスメシ戦に向けて 6 試合をすることで深層から感情と言葉が出てくる

試合前後は自分でもびっくりするほど感情が出て、それに引っ張られて言葉がよく出てきます。

自分で出そうとしている感覚はないのですが、試合に向かう過程や試合前後で出る感情や言葉は普段の自分にない特別なものがあります。これは試合をするから言葉が出てくるわけではなく、試合をすることで感情が丸裸になって、普段は装いの中に隠れている感情が露わになっているのだと思っています。

決して新しく何かを作っているわ

もっとみる
10月7日ムスメシ戦に向けて 5 「負けたくない」から、未だ達観や諦観とは距離がある

10月7日ムスメシ戦に向けて 5 「負けたくない」から、未だ達観や諦観とは距離がある

30歳になるかならないかの頃、「試合前の追い込み練習ができなくなったら現役を退く」と自らを鼓舞する意味合いと格好付けを合わせて、特に考えもせずに言っていました。

プロ格闘技選手であるならば、ケガをするかしないかの境界線の上を歩くような練習をしてこそ、人前に立つ資格を得られると本気で思っていました。周りからすると熱量が異常に高くて、押し付ける迷惑な人だったと思いますし、それによって壊れた人間関係は

もっとみる
強さに対して正直で真っ直ぐが故の話

強さに対して正直で真っ直ぐが故の話

先日から格闘技界隈を賑わしている木村ミノルさんドーピング事案ではありますが、とりあえず総出で叩いておこうと私刑に処されていて、原因と今後の対応策など前向きな話をされていないのはもったいないなと思って眺めています。

もっとみる
格闘技をやめられない理由 格闘技に勝る快楽はない

格闘技をやめられない理由 格闘技に勝る快楽はない

なぜ、格闘技選手は格闘技選手をやめられないのか。

僕は40歳を迎えても格闘技選手として練習と試合を辞めないし、若い頃に比べて数は減ったけれど、選手を続けている同世代もちらほらいます。皆総じて、頑張って続けているというよりかは、辞められないから続けているのが正直なところだと思います。一周まわってカネのためとか、身を立てるためではなくなっているから、清々しいけどタチの悪さを感じるのは僕も含めて同じで

もっとみる
青木真也にとっての格闘技は仕事 職業にするから尊い

青木真也にとっての格闘技は仕事 職業にするから尊い

とある格闘技選手の方が「お金を稼げるようになることが目標ではない」とインタビューで仰っている記事を見て、記者の方の考えを差し引いたとしてもワイルドな発言だなと思って、「これを言っちゃあおしまいよ!」とついつい記事に目を通してしまいました。格闘技ブログのPV数の向上に貢献してしまい照れ臭いです。まあそれはそれとして。

格闘技をやる目的は人それぞれです。仕事としてお金を稼ぐことを大事にやる人もいれば

もっとみる
おれたちの皇治兄貴 誰も信じていない引退から既定路線の引退撤回 されどMMA転向は本気の巻

おれたちの皇治兄貴 誰も信じていない引退から既定路線の引退撤回 されどMMA転向は本気の巻

おれたちの皇治兄貴が芦澤竜誠さんとの賑やかし試合で、負けるつもりがないのにうっかり負けてしまったものだから、地元大阪でかっこいいところを見せようとしたのに恥ずかしいとなって、とりあえず引退することにして負けのニュースを被せて消しちまおうと引退表明していたのですが、皇治兄貴の引退を誰も信じていなかった上、時間が経った今となっては引退を信じていないどころか引退も試合も覚えていないとなっていて、消費速度

もっとみる
強さを考える 強さを競技力と勘違いしてはいけない話

強さを考える 強さを競技力と勘違いしてはいけない話

格闘技を競技としてやっていると「強さ」とは「競技で成績を出すこと」とされることが多いです。僕は競技での勝敗や成績は強さの一部ではあるけれど、あくまで一部であって、強さとはもっと広い範囲のものだと思っています。強さ=競技成績になっているのは薄いように感じるし、あまり好きな考え方ではないです。

もっとみる