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#吐露

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君と僕のイノセンス
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2020年4月の記事一覧

スカーレット・シーガル

流れ星が欠航して
僕だけの悲しみが不時着する夜
泣き出したら ほら 息が乱れて
甘い傷の疼きに 意識奪われてゆくから

白昼 消し忘れた月を見た
今こんなにも あの光が恋しいのに
ビルの影 四角いパレットには
物足りない彩度が宿る

虹鉄の橋 潮風が怠惰な昼下がり
寂しい場所ねと 嘘をついて
サンデーピープルを嘲笑った
一人で切り取った風景は 退屈だから
ありきたりなコラージュに焼き捨てて

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放課後から砂場まで

スターチスの紫が錆びて
幼いウサギの瞳の色に 変わりゆく
チャイムで守られた箱庭に
片足だけ靴を落として 君は卒業した

初めて見たクラスメイトは 春の雨の日
右の頬を濡らして 笑っていた
2人に1人が 黄色い傘を開かない 通学路
空いた片手は アドレセンスの無防備さで

赤信号が膨張して 進めない夕暮れ
あどけなさで 足踏みする ステップに
うつむく君は バランスを崩した
不意に目に入ったの

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独白、蒼い手を引いて

時計の音は大きく 乾いた時を刻み
壁は白く垂れ込めて 腫れぼったく見えた
もう一人の僕が僕を見て 君も一人だねと笑って
更けゆく 今夜の呼吸は 凪ぐでしょうか

僕を今日まで生かしてきた思い出が
君を巻き込んで フラッシュバックする
図書室の夢は 光の筋に舞うダストとアンニュイ
梟の瞳で本を読む 星の欠片をガラス瓶に詰めた

記憶の中の待ち人 誰よりも知っていた
本当に 捨てられないものは

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イースターの招待状

両眼が空っぽな雌の兎 歪なグレーの眼窩
誰かが落としたオペラグラスを 嵌め込んだら
狂ったように跳ね返って 彼女が動き出した
それって つまり 僕の過ちは 消えたってこと

綺麗な景色が見えるかな また遠くに行けるかな
ううん 罪悪感から解放された
それが嬉しかった
僕は彼女を愛してはいなかったけれど
失くなったら困るんだ 僕の手が汚れるから

何度も君の頭を撫でた 薄い右掌
従順で口

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コズミック・フライト

観覧車が止まった 暗い暗い春の夜
電波望遠鏡に届いたエレクトリックウェーブ
海の上 急ぐように 流れる雲の 上の上の上
何も知らない 機械仕掛けの銀河は 回って回って

瞳を閉じて 1500光年先の星雲まで 飛んでいく
遠くに行きたくても行けない日々を 通り越して
不透明な街で 君と僕は幾つもの哀しみを紡いだ
目の前が 足元が 痛々しく 裂けてゆく

天の川にカササギが 橋を架けられますよ

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