コズミック・フライト

観覧車が止まった 暗い暗い春の夜
電波望遠鏡に届いたエレクトリックウェーブ
海の上 急ぐように 流れる雲の 上の上の上
何も知らない 機械仕掛けの銀河は 回って回って

瞳を閉じて 1500光年先の星雲まで 飛んでいく
遠くに行きたくても行けない日々を 通り越して
不透明な街で 君と僕は幾つもの哀しみを紡いだ
目の前が 足元が 痛々しく 裂けてゆく

天の川にカササギが 橋を架けられますように
そう願う間に 二人の風景は色を失ってゆくのよ
見上げれば 月の光 さざめく慰めの歌
深い眠りが待つ 帰る場所は 一人分の暗闇

君の喜怒哀楽が守られる世界へ
遊覧飛行で見下ろす夜景 イメージして
今夜の夢への入り口に 水色に揺れる誘導灯
窓から見えるのは 数秒前に振れたサーチライト

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