スカーレット・シーガル

流れ星が欠航して
僕だけの悲しみが不時着する夜
泣き出したら ほら 息が乱れて
甘い傷の疼きに 意識奪われてゆくから

白昼 消し忘れた月を見た
今こんなにも あの光が恋しいのに
ビルの影 四角いパレットには
物足りない彩度が宿る

虹鉄の橋 潮風が怠惰な昼下がり
寂しい場所ねと 嘘をついて
サンデーピープルを嘲笑った
一人で切り取った風景は 退屈だから
ありきたりなコラージュに焼き捨てて
君の思い出と交換した

黒い水面に ライトグリーンの光が溶け出して
さざ波立って 弾け飛ぶ 今日と明日
対岸に咲く白い百合の花で 首を締められたなら
綺麗な生き物に なれるような気がした

この遊泳が 行き着く先に 疲れた君の声が待つ
方位磁石の針の先 いつかの僕を騙した 赤

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