イースターの招待状

両眼が空っぽな雌の兎 歪なグレーの眼窩
誰かが落としたオペラグラスを 嵌め込んだら
狂ったように跳ね返って 彼女が動き出した
それって つまり 僕の過ちは 消えたってこと

綺麗な景色が見えるかな また遠くに行けるかな
ううん 罪悪感から解放された
それが嬉しかった
僕は彼女を愛してはいなかったけれど
失くなったら困るんだ 僕の手が汚れるから

何度も君の頭を撫でた 薄い右掌
従順で口の無い君は 疑うことを覚えなかった
勝手が過ぎる 犬じゃないのにお座りさせられて
そうやって ただ客席で観てるだけです

生かされた 誰によって
消せなかった 誰によって
今日は復活祭だから 全部祝福してしまいたい
君は救われた 君は選ばれた 君は生まれ落ちた
拍手を送られる 裏側で 君の涙が落ちる

#詩 #現代詩 #自由詩 #散文詩 #恋愛 #創作 #ポエム #耽美 #退廃 #イースター #復活祭

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?