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【絶対写真論】Chapter7 デジタライゼーション
レンズから入光した情報をイメージセンサーで電子変換し、装置が認識可能な電気信号に翻訳する。デジタルカメラは実空間の情報を文字通りデジタル化することによって、最終的な画像を生成している。
その際たる分野が天文写真である。宇宙望遠鏡によって得られた数値情報を分析(解析)することによって、われわれが目にする宇宙の壮大な写真を生成している。
ただし、表層する色彩は数値変換アルゴリズムによって得られた結
【絶対写真論】Chapter5 トランス・ディメンション
本章では、写真における「次元」について考察している。これは、M1のときに研究していた次元を踏襲した内容となっている。
芸術と次元との関係性。ルネサンス期における正確な線遠近法による3次元空間の2次元(平面)化から、キュビスム・未来派による4次元の表現。絵画のキャンバスという平面上で、いかに次元表現を拡張できるかが、これまで追求されてきた。
この芸術と次元とのコンテクストを踏襲し、さらなる高次で
【絶対写真論】Chapter4 マルチ・レイヤー
写真におけるレイヤーとは。馴染みがあるのは、Photoshopなどを用いる際、元画像の上にトーンカーブやレベル補正といった調整レイヤーを重ねていき、最終的にレイヤーを結合することによって1枚の「写真となる」。
銀塩写真におけるフィルムは、フィルムベース層を基底に、ハレーション防止層、乳剤層、保護層といった複数の層によって構成されている。
印画紙も同様に、ベース材(紙)の上に吸着層や光沢層などの
【絶対写真論】Chapter3 デジタル・ディスラプション
デジタル・ディスラプションとは「創造的破壊」と呼ばれる現象で、デジタル化によって既存のシステムが破壊され、新たなシステムが創造される現象を指す。
まず取り上げたのは「自炊」、すなわち書籍のデジタル化である。効率よくデジタル化するためには物理的な「破壊」、つまり書籍を裁断することによってデジタルデータが獲得可能である。
では、写真のデータはどのような「創造的破壊」が行われているのであろうか。本章
【絶対写真論】Chapter2 オリジナリティ
この章で着目したのは、オリジナル性である。
アートにおいて、いまやありとあらゆる表現はやりつくされている、という前提がある。それでもなお、アートにおいてオリジナリティ(独創性)が問われてはいるが、現代においてのオリジナリティとは同様の表現(方法)であったとしても、アーティストの「解釈」が独創的かどうかが問われている。
キー・パーソンはやはり、マルセル・デュシャンであろう。美術から芸術へとシフト
【絶対写真論】Chapter1 プロローグ
本章の序論、すなわちこの本の方向性を決める内容としてなにが適切かと考えた。
1番のキモは「写真」である。語源は「光で(photo-)」「描く(-graph)」=「photograph」を、「写真」と邦訳されたことが諸悪の根源である。
江戸時代の蘭学者大槻玄沢は「蘭説弁感」(1788)で、カメラ・オブスクラを「写真鏡」と邦訳した。
(参考:吉本秀之「日本におけるカメラ・オブスクラ=写真鏡」)
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