masahiro ito

アーティスト・プログラマー, MFA [修士(芸術)] 写真をメインとする、現代アー…

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アーティスト・プログラマー, MFA [修士(芸術)] 写真をメインとする、現代アートの思考やプロセス、制作にいたる過程、関連書籍などを綴ったnote https://www.masahiro-ito.net https://www.fw-sol.com

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  • 日記・雑記

  • 書籍・図録・映像

    書籍・図録・映像などのまとめ、要約、感想などを綴っています。

  • 研究ノート

  • 絶対写真論ー解説

    自身初の書籍「絶対写真論ーアルゴリズム・オブジェクトとしての写真へ」について、各チャプター毎に本書を紐解いていきます。

  • コンセプチュアル・アート

    トニー・ゴドフリー著『コンセプチュアル・アート』を読み解いています。

最近の記事

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【書籍】絶対写真論

副題「アルゴリズム・オブジェクトとしての写真へ」。 kindle direct publishing(KDP)の仕様に弄ばれながらもなんとか形になった、修論+αの論考。KDPの審査も通り、晴れて出版となりました!記念すべき、自身初の書籍です。 ただし、ペーパーバック版のサンプル画像、印刷用の表紙をAmazon側で処理しているそうで、解像度をあげらないか問い合わせてみるも、許容範囲内とのこと。。印刷には影響ないが、ボケてみえるのはいただけない...。ということで、下記にアッ

    • 【雑記】恐竜

      最近、制作の関係でよく恐竜を調べている。 近いうちに成果物を公表できるよう、日々作業を行っている。 そんな中、ふとあるサイトを見つけてしまった・・・。 2024年8月に文科省の認可がおり、2025年から開講されるとのこと。 ヤバイ、おもしろすぎる!何学部卒?って聞かれたときの返答が「恐竜学部卒」なんて言われたら、一瞬耳を疑ってしまうかもしれない。 福井県は日本の中でも有数の恐竜発掘地域であり、かの有名な恐竜博物館が存在している場所でもある。 フクイサウルス、フクイテ

      • 【雑記】制作メモ

        1917年にニューヨークで催されたアンデパンダン展は、出展料さえ払えば誰でも展示ができるという趣旨の展覧会であった。 マルセル・デュシャンは本展に男性の小便器を逆さにして台座に乗せ、「R・MUTT 1917」と署名した『泉』という作品を出展した。 ところが、主催者側から展示拒否を言い渡された本作品は展示されることはなく、アルフレッド・ステーグリッツによって写真に収められたのみであった。 現代アートの起源といわれるこの出来事をキッカケに、現代アートは頭脳プレイへと大きく舵

        • 【雑記】仮名の成り立ち

          今年から小学校に通っている長女。こくごの宿題でひらがなやカタカナをみていたときのこと。 そもそも仮名はいつ頃どうやってできたのだろうか、とふと気になった。 漢字を元に作られていたのはなんとなく知ってはいたが、調べてみると「万葉仮名(まんようかな)」をさらに簡略化してとあった。 万葉仮名、あぁ、万葉集に書かれている文字ね、とみていたところ、色々とこれまで気にしていなかったことがつながってきた。 「万葉仮名」と呼ばれているが、我々が想像する「かな」、俗にいうひらがなではな

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        【書籍】絶対写真論

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          【雑記】音楽と数学の親和性

          今年の5月から長女はヤマハの幼児科からジュニアへと進級したことで、コード進行や移調、転調などといったより理論的な部分も習うようになってきた。 かくいう私も、小学1年〜中学3年までヤマハでピアノを習っていた。その後パッタリと辞めてしまい、長女がピアノを始めたのと同時にピアノに触れることとなった。 Ⅰ度、Ⅳ度、Ⅴ7、、はて、幼少期に習ったかしら...。C、D、G7とかはあったけどなーな、微かな記憶程度であった。 ド=C、レ=D、・・・ラ=A、シ=B。ハ長調の和音コードはC(

          【雑記】音楽と数学の親和性

          【雑記】kawaiiのその先

          長女は大のシナモロール好きである。それならばと思いGW中にサンリオピューロランドに行ってみた。 テーマパーク、はたして何十年ぶりだろう...。もはや記憶にはない。。ちなみにかの有名な世界的ランドには行ったことがない(正確にいうと、好きではない)。 そして今年はキティーちゃんの生誕50周年だそうで、それを目的に来園している人も大勢いるであろう。とにかく人は多いが、各々が好き勝手に楽しんでいるのをみて、ふと思いを巡らせたことを書き留めておく。 このキャラクターが大好き!とい

          【雑記】kawaiiのその先

          【雑記】展示をみる

          長女の卒園→入学やピアノの発表会など、超過密スケジュールであっという間に過ぎ去った3~4月。 ようやく少し落ち着いてきたため、合間を縫って最近全く行けずにいた展示を観に足を運んだ。 撮るという行為に意味がある作品。そこにフォーカスしてしまうと被写体の方に意識がうつってしまい、なんだかもったいないなーと思いながらみていたり。 もっと、凝り固まった肩の可動域を和らげるように、気楽な写真の方がいい気がしている最近。(あくまで撮った作品であるならば。) 忙しさにかまけて、制作

          【雑記】展示をみる

          【雑記】スクールフォトの行く末

          先日、こどもの卒園式があった際、園の提携先のカメラマンが撮影に来ていた。 こどもが通っている保育園では今年度から提携業者が変わったそうで、写真のクオリティがかなり下がり、ママたちには不評とのことを小耳にはさんだ。 そんな事情もあってか、式後に催された謝恩会での撮影依頼が私に回ってきた。(もちろん、ボランティアである。) おおよそ10年ほど前、私も学校写真、いわゆるスクールフォトに携わっていた時期がある。当時は保育園や小学校〜高校まで、割と幅広く撮影を行っていた。 業務

          【雑記】スクールフォトの行く末

          【雑記】写真のこれから

          Stable Diffusionによる画像生成技術によって、テキストを用いてイメージへと変換することが容易となった。 さらにはphotoshopの生成拡張機能によって、既存のイメージから周囲を補完したり新たなイメージがいとも簡単に生成できるようになった。 こうした技術が追い求める最終的な到達点とは、実世界に存在しそうなイメージを生成することにある。つまり違和感のない「写真になる」ことに意味があるのだ。 しかし、現時点ではこうした技術もいまだ発展途上段階にあるため、時とし

          【雑記】写真のこれから

          【書籍】マン・レイ 軽さの方程式

          シュルレアリストやレイヨグラフなどで知られる巨匠の一人、マン・レイ。彼の芸術家としての「軽さ」とは何であろうか。 マン・レイといえば、昨年クリスティーズ・ニューヨークに出品された《Le Violon d'Ingres》(1924)が写真史上最高額おおよそ16億円で落札されたのは記憶に新しい。 マン・レイといえば、ダダ、シュルレアリスト、レイヨグラフなどで有名ではあるが、果たしてその理解のみで正しいのであろうか。 本書にもよく比較対象として名前が上がっているデュシャン。本

          【書籍】マン・レイ 軽さの方程式

          【雑記】制作のモチベーション

          気付けば初めて新作を制作しなかった2023年。 毎年なんらかの形で新作を制作していたにも関わらず、今年はそのモチベーションも湧き上がりきることなく新たな年を迎えようとしています。 制作におけるモチベーションは何だろうと考えたとき、現状の閉塞感からの脱却であったかと思います。 では、今年はというと全くなかった訳ではないですが、制作よりも日常生活の方がタイトであったような気がします。 引越してから1年が経ち、来年の春からはまた新たな生活のリズムとなります。 作りたいモチ

          【雑記】制作のモチベーション

          【雑記】AIテスト

          前々からやってみたいとは思っていた、AIアシスト機能。どんな回答が返ってくるのか気にはなっていたので、試しにやってみた。 Q:一般社会におけるアートの役割とは何か 個人の感性を刺激し、豊かな表現を通じて社会的な問題を提起する手段としてのアートの役割を考えることができる。 定型化された社会的な枠組みからの脱却を促し、個人の自由な発想や感情表現を引き出すことができる。 アートを通じて人々が異なる視点や文化に触れることで、対話や理解を深め、社会的な共感を生み出す役割がある。

          【雑記】AIテスト

          【書籍】化粧せずには生きられない人間の歴史

          人は一体いつ頃から「化粧」という行為を始めたのであろうか。化粧史の始まりを知りたいと思って手にとった本書。 というのも、写真のデジタル化、およびスマートフォンにカメラ機能が搭載された点、およびSNSの普及によって、誰しもがセルフポートレートを気軽に世界中にアップできるようになった。 しかも、アップされる写真はアプリなどを用いて加工されていることが当然の行為として認知されている。加工された写真は、本人の理想系としての表層をしているのだ。 一方で、AIによる画像生成が一躍脚

          【書籍】化粧せずには生きられない人間の歴史

          【雑記】感覚的なものの言語化

          現在、自転車の練習中である娘。まだうまくこげないため、練習に付き合ってみるものの、これが意外と難しい。 まず第一に、私自身がどうやって乗れるようになったのか覚えていない=乗れていないときの記憶がない。 そして、普段自転車を乗るのに、あえて意識することはしない。頭の位置はどこ、腕はどのように、足の置く場所はここで、といった具合に。「当たり前」にできてしまうことに対して、意識せずとも体(=感覚)が自然と覚えてしまっているのだ。 さらに幼児はマルチタスクが苦手であるため、ペダ

          【雑記】感覚的なものの言語化

          【雑記】現代写真の市場価格

          現代写真における市場価格が軒並み下落しているとの記事を目にした。 アンドレアス・グルスキー、トーマス・シュトゥルート、杉本博司など、2010年頃をピークに下落の一途を辿っているという。 上記の記事ではスマホによる写真のコモディティ化=一般化を指摘しているような書きっぷりではあるが、そういう訳ではない気はする。 記事で指摘があるように、写真作品=エディション制、版画におけるエディションを写真にも適応することによって、その希少性を担保しようとしてきた歴史がある。 ベンヤミ

          【雑記】現代写真の市場価格

          【雑記】ポートレート写真

          先日、台東区蔵前にあるギャラリー「空蓮房」で催されている展示を観に行った。 兼子は撮影の際、被写体に歌ってもらいながら撮影したという、男性と女性のスナップ的ポートレート。横位置2組。 横山は吃音のため、うまくは伝えられないながらもその被写体を撮影したいという思いをもちながら撮影した、椅子に腰掛けるスタイルで撮影したスクエアフォーマットの男性と、仕事着か作業着を想起させる装いの、真っ直ぐと見つめるスタイルの縦位置の女性写真の2点。 山本はフランスで出会った双子の少女を、場

          【雑記】ポートレート写真