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キンモクセイ

午後の昼下がり
乾いた風が肌をくすぐる
まるで 絹の糸 そっと優しく
夏の終わりを知らせているみたい
頬を撫でて
キンモクセイがそよぐ


大切な人が出来た
なんて 誰にも言えない
この胸が懐かしさに戸惑う
遠い あなたの心を
動かせたならと願った


突然 騒がしく この届かない想いが
声に出しても 出さなくても
閉塞感に押しつぶされそうで
行き場のない  言葉だけが こだまする


愛してる  どれだけ伝えてみても
生ぬるい ふわっとした言葉で
交わされてしまうね
あなたの心の中に忍び込めたらと
願った


いつでも  追いかけて
引き返せなくなってた
過去の痛みが ぶり返して
虚無感がほら  胸の中を巡り
今ならまだ  引き返せるよと煽る


寂しさには  慣れたつもりでいたけど
それを埋める何かを 心が求めていた
支えになりたい  偽善と言われようと


夜が明けて  新しい朝を迎える頃
現実と空想の狭間で 深く呼吸をしたら
甘く 漂う あの香りが
難しすぎて 解けない
未完成のパズルを
終わりへ導くのかも

誰かを想う ただそれだけで
ざわめく胸が 苦しい
季節を超えて あの約束が 
叶えられる日を
この場所で待ってる






恋はするもんじゃなく、気がついたら落ちているものなんですね。
でも虚勢を張ってる自分がいて、前にも後ろにも進めずに、過去の教訓だけが
やめときな!って自分を諭してくれる。


遠くにいる人の優しさに少し甘えてみたかっただけなのかもしれない。
少し考えたらわかるはずなのに。
馬鹿だな、自分って。

恋愛が憐哀にならないように無意識のうちに予防線を張ってる自分がいて、大人になるってこういう事なのかと実感しています。

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