マガジンのカバー画像

もう一度読みたいnote

9
運営しているクリエイター

2020年9月の記事一覧

天国から届いた手紙

天国から届いた手紙

僕には、母親が2人いる。

1人は、中二のときに他界した、産みの母。

もう1人は、義理の母「K子さん」だ。

僕が 社会人1年目のとき、親父と再婚した人。

ちょっとガンコな親父と一緒に、かつて僕も住んでいた青森の実家で、なかよく暮らしている。

K子さんは、明るくおおらかで、どんな人にでもやさしい。僕が高校生で、はじめて会ったときも、そうだった。

再婚のニュースにも、さほど驚かなかったし、K

もっとみる
母の行きつけのスナックになりたい

母の行きつけのスナックになりたい

今年の夏、母の涙を見た。

幼い頃から抱いていた母への印象といえば、

器用で何でもそつなく出来て、堂々として、些細なことでは動じない強さと頑固さ、辛抱強さを持ち、いつでも明るい人。

若干誉めすぎた気がするのでもうすこし補足すると、

大雑把で一年中断捨離していたり、ダイエットプロテインを飲みながらお菓子を食べたり、もらった相手が反応に困るであろうLINEスタンプに何故か課金したり、写真撮影を頼

もっとみる
誘拐と、やさしさと、ハンバーガー

誘拐と、やさしさと、ハンバーガー

涙には、いろんな温度がある。味がある。滲んだ視界のその先に、見えていた景色がある。

でも、それは刹那的で、なまものだから、その時に言葉にでもしておかないと、意外と忘れてしまったりする。

大学生から社会人になり、私は涙を流すことが一気減った気がしたのだけれど、2ヶ月ほど前、涙が止まらなくなったことがあった。

それは、映画館で「千と千尋の神隠し」を観ている時だった。序盤の方で、神隠しにあった千尋

もっとみる
長野には、パリの街角がある

長野には、パリの街角がある



まさか、と思うけど本当だ。

長野には、パリの街角がある。

荘厳な雰囲気の善光寺を背に左に下っていくと、それは現れる。

気持ちの良いオープンカフェ。ガラス越しに見える景色がフランス映画のワンシーンのようで、昨年10月のオープン当初から気になっていた。しかし仕事でイベントが立て続けに入っていたこともあり、なかなか足が向かなかった。里帰り出産を控えていたので「子供が生まれて少し落ち着いたら行

もっとみる
24時間、何か月、何年かけてでも。#言葉の企画

24時間、何か月、何年かけてでも。#言葉の企画

小笠原諸島に行ったことがある。

たどり着くまでに片道24時間かかる島。世界自然遺産として認定されている島。

「なにが一番よかった?」

旅好きと公言しているわたしが投げられて困る質問ランキング上位に入るこの問いかけだが、小笠原諸島に関しては、すんなりと答えることができる。

「人が、とってもよかった。」

もっと具体的に言えば、お世話になった海のツアーガイドのお兄さんが、最高だった。

(言葉

もっとみる