マガジンのカバー画像

夫が育犬ノイローゼになりました

31
念願のDogLifeを始めたと思った矢先、我々夫婦を待ち受ける過酷な試練の連続。 犬のいる暮らしを始めた夫婦の喜怒哀楽を記録しています。
運営しているクリエイター

#日常

#1 深夜3時の緊急要求宣言

#1 深夜3時の緊急要求宣言

「ワオーンワンワンワンワンワン」
遠くのリビングから仲間を呼ぶような声がする。
時計が指すのは午前3時。
嘘だろ…と目を疑いたくなる。
声の主は、今日引き取ったばかりの
ビションフリーゼのオス犬。
「ボナム」だった。(現在3ヶ月半)

ボナムに最初出逢ったのは、ボナムが2ヶ月ぐらいの時。
小学生の頃から犬を飼うことが夢だった私は、
今年三十路となった。
5歳上のプチ神経質な夫と、犬を飼うことを夢み

もっとみる
#2 声量、森久美子

#2 声量、森久美子

【前回の内容】↓

次の日も次の日も、ボナムの要求吠えは止まなかった。

しつけ魔法「無視」を発動し続けるものも、

その無視に対抗して吠え続けた。

この小さな体からどうやってこんな声量が出せるのだろう

お前はオペラ中の森久美子か?といわんばかりの声量で

私たちに対抗してくる。


要求吠えをするタイミングはいつも決まって

ー人の姿が見えなくなったときー

人がいると、すぐ静かになる。


もっとみる
#3 プリズンブレイク

#3 プリズンブレイク

【前回の内容】↓

ボナムの要求吠えは、日に日に回数・声量共に
増えていった。
夜鳴きだけだったはずが、
昼の時間も平気で吠えるようになった。

吠える時は決まって、
私たち夫婦が自分の視界から消えた時。
同じ家にいたとして、姿がみえなくなった瞬間
彼は警報のごとく叫びちらす。
そして、一瞬にして私たちが帰ってきたのなら
吠えは止む。
とてもシンプルなものだった。
しかし、一瞬でも居なくなった瞬間

もっとみる
#5 紅

#5 紅

【前回の内容】↓

我が家に来て6日目の朝、ことは起こったーーー。

いつものようにワンワンと大きな声で
私たちを呼ぶボナム。
連日の寝不足により、ボロボロの夫婦は
少し落ち着いたボナムの元へ恐る恐る歩いていった。

ボナムは一晩誰とも会えなかったので
私たちを見るなり大興奮からの、失禁。
私を見るなり失禁する人は、
最初で最後にボナムだけであろう。

あーまたビシャビシャしたよ、、、
下に引いて

もっとみる
#7 腸内ダンジョン

#7 腸内ダンジョン

【前回の内容】↓

「ボナムちゃんの便ですが、ちょっと悪玉菌が多いですね」

先生がおっしゃるには、
ボナムの便には善玉菌や酵母菌の他に
悪玉菌もあり、悪玉菌の量が多いと
下痢をしたり便秘になってしまうとということだ。

「薬を1週間飲んで、また来週来てください」

先生は私たちに微笑む。
特段となにか悪いわけではなさそうだ。
何かが溶け出すかのように
安堵の気持ちが体中を駆け巡る。

そんな気持

もっとみる
#8 限界突破×旦那

#8 限界突破×旦那

【前回の内容】↓

下痢は治まったものの、
夜鳴き・要求吠えは止まらなかった。
かれこれもう1週間以上
ボナムの悲鳴を聞いている。

その日もいつもどおり聞こえてくる。
あー今日もやってるなぁーと思っていると
横で寝ている旦那が小刻みに揺れ始めた。

「む、無理だ、、、、」
「え?我慢してよ」
「もう限界だ、、、」
「ここで行ったら要求吠えを受け入れることになるよ」

そう言ったのもつかの間
次の

もっとみる
#9 「いややばいでしょって話だよね」

#9 「いややばいでしょって話だよね」

【前回の内容】↓

皆さんは「育犬ノイローゼ」をご存知だろうか。
育児ノイローゼは聞いたことあるが
「育犬ノイローゼ」って聞いたことがない。
都市伝説じゃないの?と思うぐらい
聞き馴染みのない言葉だが
実は、ちゃんと存在するノイローゼらしいのだ。

「育犬ノイローゼ」に陥りやすい人の特徴は
以下の通りだ。

また、症状としてはこんなことが挙げられる。

※参考までに載せておきます↓↓(引用もと)

もっとみる
#10 マサラタウンにさよならバイバイ

#10 マサラタウンにさよならバイバイ

【前回の内容】↓

自信がない、、、その言葉を聞いた瞬間
私の目からは滝のように涙が溢れた。
きっと周囲にはマイナスイオンが発生したであろう。

小さい頃から犬を飼うことが夢だった。
しかし、うちの母親は犬嫌いであったため
犬はずっと飼えなかった。
小学生の頃の私の大好きな本は「世界の犬図鑑」
犬の種類と性格が書いてある
いかつい本だった。

犬が飼えないかわりに、毎日その本を読んだ。
そして道で

もっとみる
#11 愛FULL

#11 愛FULL

【前回の内容】↓

涙が溢れ、呼吸が整えられなくなった。
なんでこんなことになったんだ。
呼吸を整えようとすればするほど
涙がボロボロ出てくる。
三十路がこんなに泣く姿は、まさに鬼の姿。
旦那も引いているのが横目で分かる。

こんな状況で炭治郎の言葉を思い出す私は
やはりお気楽野郎だ。
確かに、、、私は長女、、、
この状況を乗り切るしかない(え

「あんた、、、、
 そこに愛はあるんか?」

「は

もっとみる
#12 分離不安の星

#12 分離不安の星

【前回の内容】↓

次の日から私とボナムの
血の汗流すトレーニングの日々が始まった。

ボナム、私達には後先ない。
この1週間で君は少なくとも吠えをなくさない限り
ベンチ入り、2軍降格、最後は引退となってしまうぞ。
すまぬが、多少厳しくとも
我慢してトレーニングをしてほしい。

そこから私は時間の余す限り
色々なサイト・youtubeを見て漁った。
ボナムに合うトレーニングは、、、
ボナムに合うト

もっとみる
#15 心配ないさ〜

#15 心配ないさ〜

【前回の内容】↓

まだ目が冴えてない中
声のする方へ向かうと
そこには驚きの光景が広がっていた…。

ボナムが、ボナムがクレートの上に乗っている。

クレートの下にはう●こが散乱し
足の踏み場もない。

ボナムは怒り狂ったかのように
「ここから降ろせ〜!!!」と鳴いていた。

旦那は硬直していた。

ボナムのたたずまいは
まるで百獣の王のようであった。
まさにライオンキング。。。

私達は何を見

もっとみる
#16 まっ白な灰

#16 まっ白な灰

【前回の内容】↓

心臓がバクバクした。
ボナムを抱きしめ、また泣いた。

ごめんね、ごめんね、

沢山しつけの本は読んだ
色々なことを調べた
だけど何が正解だか分からない
なにが「ごめんね」なんだか
なにに対しての「ごめんね」なんだか

悪いことをしてるつもりはないのに
この子にとって最善の努力をしているつもりなのに
なぜ次に出てくる言葉は「ごめんね」なのか

なにもかもが分からない…

完全ノ

もっとみる
#20  聖母ティモママ

#20 聖母ティモママ

【前回の内容】↓

しつけ教室に行くのは決まった。
しかし、問題はどこのしつけ教室に行くかが問題だ。

私は色々調べてコンタクトを取ってみたのだが
値段やしつける条件を含め
希望に沿ったしつけ教室に
なかなか、たどり着かなかった。

「なかなか無いなあ。。。」
そう思っていた矢先
はっと思い出したのだ!

ボナムを迎え入れる前より
ビションフリーゼに関するyoutubeを
よく夫婦で視聴していた。

もっとみる
#22  ディズニーマジック

#22 ディズニーマジック

【前回の内容】↓

しつけ教室に向かう朝が訪れた。
この日をどれだけ心待ちにしたことか。

いつもはうるさいボナムの要求吠えも
ディズニーアニメに出てくるような
鳥のさえずりに聞こえてくる。

今日でなにかが変わる気がする。

私はディズニープリンセスのような軽快なステップで
ボナムのゲージまで向った。

目の前に散乱する、う○こも
血眼になっているボナムの目も
今日はとてもポップに見えた。

もっとみる