あつぎ だいち

座右の銘は人生オープンリーチ

あつぎ だいち

座右の銘は人生オープンリーチ

マガジン

  • ふっすばる・つぁいと

    指導者しながら感じたことの備忘録

  • 一日千秋、一冊千字

    本を読んだらコメントをつけたい。ならつければいいじゃない。一冊千字というルールで、(といってもゆるく千字前後で)感想を残していこうと思います。

  • ボクの細道:ボクをつくったもの

    ドイツハイデルベルクを発ち東ヨーロッパを巡りながら、7倍のペースで移動し続ける松尾芭蕉と競争しながら51篇の自由律詩を詠みながら、22年間の人生をかたどってきた「ボクをつくったもの」を回想するエッセイ集

  • 徒然徒(つれづれづれ)

    徒然なるままに…ズレズレな感性で書く、エッセイストになりたかった”ボク”のエッセイ。

  • あつぎだいちのひとりヴィレッジヴァンガード

    ズレズレなるままに... 家にいるのに帰りたい、意識高い系がキライ、自分の世界に酔っていたい。ズレズレな感性の「ボク」が書く、モラトリアム最終章の記録。毎週月曜更新。

最近の記事

  • 固定された記事

【#1】君たちはどうイキるか

就職戦線異状あり 自分だけは特別だと思っていた。 社会のシステムの一部になんてならない。そう思っていた。まだ開花していないだけで、きっと他の人間とは違う特別な才能が眠っているのだと。いつか世の中は私のことを優秀な人間だと認める日が来るに違いない。そして、私は社会的な称賛と栄誉を手に入れ、才能の対価としての報酬を受け取るのだろう。 根拠なき自信を頼みの綱にして、根拠のある自信を手に入れるためのさしたる努力もしてこなかった。独創的で具体的なアクションを起こすこともなければ、

    • 〈狂気の指導者を目指して〉「原則1:プレスプレス走り、走り走りプレス」

      「原点能力」を高める今年は初めて年間通してリーグ戦を戦う指導者となりましたが、満足のいかない結果に終わりました。7戦して2勝5敗。失点は18を数えました。一体何が足りなかったのでしょうか。それを考えるためにリーグ戦最終節が終わった後、選手たちに話を聞いて回りました。そこで一番印象的だった言葉があります。それは一昨年度も指導していた4年生選手の言葉でした。 「厚木くんは昔ほど走らせなくなりましたね」 そのとき、自分の指導者としての不覚を恥じて、選手たちに心から申し訳なくなり

      • 指導者ログ:上半期反省 (10.08.2023)

        本格的に指導者になってからのここ半年の間、様々な取り組みをしてきました。その上で、出た感想と反省を書いていこうと思います。 上半期取り組んでみたこと・パスコン、ロンド、ミニゲームをしない 今季は自らのしばりとして、パスアンドコントロール、特に制約のないボール回し、そして練習の最後に特に制約のないゲーム形式のトレーニングをしない、というのを今季の自分ルールとして取り組んできました。もしこれらのトレーニングをするのであれば、4号球で行うという風に決めて、選手には常にストレス下

        • 【一冊千字】「花に埋もれる」(2023.07.22)

          彩瀬まる,2023,花に埋もれる,新潮社女性のための官能小説、というジャンルがあるらしいと聞いたのは、出版社の一次面接に行ったときだった。面接官は二人いて、ひとりはコミック担当の編集者、もうひとりが書籍の編集者だった。ふたりとも女性の方で、今までボクが買い集めたプチブラのおしゃれがどんなに束になっても敵わないような、小綺麗な女性向けファッション誌のその月の特集から見開きまるまる取り出したオフィスカジュアルを着ていた。他人の容姿にさして興味のないボクが、その日はなんだか印象に残

        • 固定された記事

        【#1】君たちはどうイキるか

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        • ふっすばる・つぁいと
          5本
        • 一日千秋、一冊千字
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        • ボクの細道:ボクをつくったもの
          13本
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          5本
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          27本
        • 厚木再生工場
          3本

        記事

          檸檬の日々

          なんとなく朝目覚め、なんとなくな日常を送るようになって、溶けるように時間がすぎた。今日は、指導教員に研究計画書が「厚木くんらしくない」と少し諭されるような、少し詰められるようなお叱りを受けた。 今までのボクなら、「ボクをボクらしさの枠に収めないでくれて」とでも言ったのだろうが、どうもそういう気分にもならなかった。それは多分、ボクに非があることが明白だからだろう。帰国してからというものの、めっきり文章を書けなくなってしまった。文章が出てこないのだ。というより、文章を書いて批評

          【指導録】3×2のテーマ設定とチームの空気感(2023.05.10)

          私は指導の際に、チームの空気感を非常に重要視しています。空気感というのは組織文化を一番反映したものだからです。ただし、一番介入が難しい部分でもあります。なぜなら、選手たちに「オマエタチの空気感が悪い」と伝えても、選手は反感を抱くでしょうし、具体的な改善策もわかりません。そもそもいい雰囲気とはチームの文化にも依存しますから、一義的に正解があるものではありません。 ただ、雰囲気がわかる指標はいくつかあります。例えば、本田裕一郎先生が言っていたのは、「部室を見ればチームがわかる」

          【指導録】3×2のテーマ設定とチームの空気感(2023.05.10)

          【一冊千字】『ディズニーランド化する社会で希望はいかに語りうるか』(2023.05.10)

          長谷川一,2014,『ディズニーランド化する社会で希望はいかに語りうるか—テクノロジーと身体の遊戯』慶應義塾大学出版会「ディズニーランド化する社会」というリッツアの「マクドナルド化する社会」の新形態のような見出しだが、合理性や計算可能性といった点に着目したわけでもなく、単純なアメリカナイズ信仰批判でもない。それは良くも悪くも「希望」という点に注目しているからであろう。長谷川の問題提起を引用する。 先述の通り、この本の中核は「希望」である。故に、議論はどこか馴染みがありながら

          【一冊千字】『ディズニーランド化する社会で希望はいかに語りうるか』(2023.05.10)

          【一冊千字】『オシムの遺産—彼らに授けたもうひとつの言葉』(2023.05.10)

          島沢優子,2023,『オシムの遺産—彼らに授けたもうひとつの言葉』竹書房オシムさんに薫陶を受けた11人の人物がオシムさんにいかに怒られたかを嬉しそうに話すという追悼本。通奏低音として流れるのは、サッカーと人生をアナロジーとして見るオシムさんの姿勢。オシムさんは「リスクを冒して攻めろ」というけれど、どうもその後に「人生もそういうもんだろ」と言っていたのではないか、と思う。 そしてもうひとつ印象的だったのは、徹底的なトレーニングをすることによって監督就任3年目以降、乳酸値が改善

          【一冊千字】『オシムの遺産—彼らに授けたもうひとつの言葉』(2023.05.10)

          16.04.2023「スモールスカッド主義」

          VISION:「Family」前回はMISSIONについて書きましたが、今回はMISSIONを達成するための組織のありたい姿、VISIONについて書いていきたいと思います。 VISIONは見出しからもわかるように「family」に設定しました。これは家族は必ずしもいいものとは限らないという現代の感覚に照らし合わせれば、望ましいものではないのかも知れません。 故に、「together」という案も考えましたが、日常語として日本人に「family」ほど馴染んでいないという点で却

          16.04.2023「スモールスカッド主義」

          14.04.2023 「バーバリー」

          本年度も育成カテゴリーを担当することになりました。育成カテゴリーといっても少年やジュニアユースではなく、大学生の中でのチームの一番下のカテゴリーということではありますが、結果よりも育成をメインに置いているので育成カテゴリーと呼びましょう。 というわけで育成カテゴリーを担当する際に気をつけていることを何点か書き留めておこうと思います。 MISSION:「成功より成長」 MISSIONと書くとビジネスの分野のようで大業ですが、言ってしまえば達成したいことに相当します。選手を

          14.04.2023 「バーバリー」

          31.03.2023 同じトレーニングはしない

          ひとつとして同じトレーニングはない。選手は日々成長しているし、その日その日で選手のコンディションも違い、怪我や病気で出れない選手がいることも多いし、学生スポーツであれば毎年選手の新陳代謝がある 。だから、全く同じメンバーでトレーニングすることはない。仮に同じ選手が揃っていたとしても、過去の彼らと今の彼らは別の選手である。 指導者も日々選手から学んでいる。だから、同じ練習はしない。似たオーガナイズでも制限やディテールはイジる、同じ介入、同じフリーズ、同じ伝え方はしない。あると

          31.03.2023 同じトレーニングはしない

          コンセプト改訂

          勝利の神は細部に宿る。 スポーツの世界で使い回されたフレーズだ。某大学の駅伝部が「その一秒を削り出せ」を合言葉で頑張っているのを横目に、青学の原監督が「ワクワク大作戦」だとか「ドキドキ大作戦」と言っている光景が何度も書くぐらいには好きだ。一秒以下の差の勝負、タッチの差で決まった勝負も確かにあるのだろう。映像判定で数ミリの差で決まった勝負。なんだかコンドームの広告コピーみたいである。「人生が変わる!0.02ミリ」とは相模ゴム工業のコピーだが、人生を変えないために、無責任に誰か

          コンセプト改訂

          【#30】冬を数えて

          冬の星座はあまり好きじゃない。 オリオン座しか知らない自分が惨めになるから。空には星が所狭しと詰め込んである。世界で2番目にキレイなそばかす。そばかすを結んで図形を作って名前を付ける人はいないから、星座なんて知らなくても良いのかも知れない。知っていれば、誕生日占いで役に立つし、まぁ知らなければシーズンごとの大三角形を適当に結ぶことになるだけだ。高校数学のサインとコサインぐらいに人類にとって役に立ち、ボクの人生には寄与しない図形がボクの頭上で中点を連結したりしなかったりしてい

          【#30】冬を数えて

          【#29】サブスクは好き

          サブスク。 サブスクリプションの略。 スプレッドシートをスプシと略されると、スプレッドから「スプ」を、シートからは「シ」だけを持って来たのが、ボクはいまだに心のどこかで納得がいかない。 その論理でいくと、あつぎの「あ」と、だいちの「だい」だけとって「あだい」と呼んでも良さげではある。けれども、そのリズムがしっくりくるのはかもめんたるのう大さんだけで、コント職人にだけ許された名前はボクには似合わないのだろう。 でも、サブスクって略し方にはしっくり来る。サブスクリプション

          【#29】サブスクは好き

          【#28】『留留白書』「失格人間」:火星生活3206日目“日本と火星の大気の違い”

           留学生になったらブログを書きましょう。日本人留学生の最低限のたしなみとして、とりあえず日記風のブログを書くべきでしょう。この記事では、留学生が書くべきブログの書き方について指南していきますので、これから留学を控えている方や留学中でなにか記録を残したいという人の参考になれば幸いです。 タイトルをつける記事の内容を考える前に、記事のタイトルを考えましょう。良い記事タイトルを考えることで、自ずと記事の内容はついて来ます。  また、この大インターネット時代においては、見出しが9

          【#28】『留留白書』「失格人間」:火星生活3206日目“日本と火星の大気の違い”

          【ボクの細道】あとがき「ボクを作ったもの」

           旅に出てからほぼ2ヶ月、帰ってきてから1か月、結局51編、詩を作り終わってないけど、先にあとがきから書くスタイルもたまにはいいと思う。あとに書かないあとがきなんて、まえがきみたいでいいと思う。小学生の頃、授業の課題の創作作文をプロローグから書き始めて、プロローグすら書き終わらない、みたいなことだ。  文庫版の小説を読む価値は、結構な確率で単行本あとがきと文庫版あとがきが付いてくることだと思う。初版のときのあとがきは、いやなんとかどうにか書き終わったという安堵感が見え隠れする

          【ボクの細道】あとがき「ボクを作ったもの」