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【指導録】3×2のテーマ設定とチームの空気感(2023.05.10)

私は指導の際に、チームの空気感を非常に重要視しています。空気感というのは組織文化を一番反映したものだからです。ただし、一番介入が難しい部分でもあります。なぜなら、選手たちに「オマエタチの空気感が悪い」と伝えても、選手は反感を抱くでしょうし、具体的な改善策もわかりません。そもそもいい雰囲気とはチームの文化にも依存しますから、一義的に正解があるものではありません。

ただ、雰囲気がわかる指標はいくつかあります。例えば、本田裕一郎先生が言っていたのは、「部室を見ればチームがわかる」ということ。チームの空気感が実際に空間に影響を及ぼしているいい例です。ロッカールームも然り、ということです。だから、選手たちに「これは強いチームの空間だろうか」と問いかけることも可能です。ただ、空間を整えることはあくまで手段であり目的ではないので、そこの倒錯が起こらないように気をつけるべきでしょう。

もう一つの指標は、選手たちがベンチに戻ってきたときに文句を言い合っていて、建設的な修正ができていないときです。これは明らかに選手たちは、自分のプレーも含めてフラストレーションを溜めていて、なおかつ出口が見出せていない状況です。しかし、本来、選手たちが自己主張をしているのは望ましい光景であるはずなのに、よくない状況であると言えるのはどんなときでしょう。それはチームでまとまって改善をしているのではなく、選手たちがバラバラに話し合っている状況は文句であることが多いです。

逆に、試合に負けていようとも、チーム全体で、もしくはポジションのユニットごとで話している時は建設的な改善であることが多いです。もちろん、すべての場面でそうと断定はできませんが、一つの判断基準として有効です。

では、文句を言いあわないようにさせるためには、どうしたらいいのでしょうか。他人に文句を言う暇があると言うことは、それだけタスクが整理されていないと言うことです。言い換えるならば、選手たちに下らない事をする余裕が残されていると言うことなのです。

選手たちのタスクを整理し、余裕がある選手にさらなるタスクを課してハードワークをさせるべきなのです。そうすればコレクティブにハードワークをするためのコミュニケーションが生まれてくるはずなのですから。

そのために指導者が持つべきことは、テーマ設定をテーゼとアンチテーゼを持ち、それぞれを3段階に設定することです。例えば、その週のテーマが守備の事象であるならば、それを破壊する攻撃のアンチテーゼを裏テーマとして仕込んでいくべきです、。そしてそれぞれのテーマで、レベル1からレベル3までの段階べつの達成目標を設定しましょう。理想的には、個人、グループ、チームの3段階か、数的有利、同数、不利の3段階の目標を設定するのが好ましいでしょう。

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