【#28】『留留白書』「失格人間」:火星生活3206日目“日本と火星の大気の違い”


 留学生になったらブログを書きましょう。日本人留学生の最低限のたしなみとして、とりあえず日記風のブログを書くべきでしょう。この記事では、留学生が書くべきブログの書き方について指南していきますので、これから留学を控えている方や留学中でなにか記録を残したいという人の参考になれば幸いです。

タイトルをつける

記事の内容を考える前に、記事のタイトルを考えましょう。良い記事タイトルを考えることで、自ずと記事の内容はついて来ます。

 また、この大インターネット時代においては、見出しが9割です。ビジネス書は、人は見た目が9割とか、話し方が9割などとほざくでしょうが、大事なのは見出しです。クリックしてもらえるかの分岐点は、まさにタイトルひとつにかかっているのです。

 ニュース媒体と違って、見出しが多少大袈裟でも、正確性を期することが求められる媒体では無いので、強い気持ちで虚勢を貼りましょう。つまり、インパクトというより少し羞恥心を刺激されるようなイヤンパクトが重要なのです。

 私が考えるタイトルで勘違いされている私小説の二代巨頭は、『人のセックスを笑うな』(山崎ナオコーラ)と『夫のちんぽが入らない』(こだま)です。できれば三大タイトルがイヤンパクトマシマシ文学を作りたいので、もうひとついいアイデアがあれば是非コメント欄で教えてください。

 さて、話が少し逸れましたが、今少し上げたように有名文学作品のタイトルは、その内容と同様に秀逸なものが多いですから、それをオマージュするのは初心者の参考になるでしょう。

 例えば、ドフトエスキーの『罪と罰』を組み合わせて、『罪と罪』とか『罰と罰』のような形で作っていきましょう。なーんだ、そんなことでいいのかと思うのかもしれませんし、あまり刺激がないんじゃないかと思うかもしれませんが、まずは第一歩として作って見る経験があなたを成長させます。
 
 数ヶ月継続していれば、初心者であれば、『罪罪罪罰』のような形で、RADWIMPSの雰囲気を感じられるような爽やかなタイトルを簡単につけられるようになるでしょう。

 ただし、くれぐれも『カラマーゾフの兄弟』をいじくり回したりすることのないようにしてください。『カラマーゾフのカラマーゾフ』か『兄弟の兄弟』になってしまいますので、気をつけましょう。

 あなたは決して、洋次郎ではありません。あなたは平凡な野田部分です。しかも野田洋次郎の野田部分ではなくて、東京理科大のキャンパスがある方の千葉県の野田部分です。シンプルなタイトルをシンプルに使う。コレが鉄則なのです。

 今回の記事は、例として海外文学をあげましたから、日本文学でもできることを例示したタイトルにしてみます。太宰治の『人間失格』を倒置して『失格人間』にしてみましょう。大した悩みはないのに、何もしてなだそうなヤツの感じが十二分に出ましたね。良いタイトルはやはりシンプルなのです。

 さて、良いタイトルをつけることができても、一体何に関する記事なのか読者に一目では分かりませんから、次の3ポイントを押さえて記事の副題をつけましょう。

(1)留学先
(2)留学が開始してからの日数
(3)今回の学びを一言で

 まず、欠かせないのはどこに留学をしているのかを書きましょう。後発組の留学生は、先人達の体験談を欲していますから、同じ留学先の国名を検索欄に入れて、記事を漁りがちです。そういった人々をキャッチアップするためにも、国名はタイトルに欠かせません。
 
 ただ、読者の皆さんの中には、手っ取り早くバズりたいと思う方もいると思います。そのような人は留学先に関しても思いっきり盛ってしまいましょう。仮に現状の100倍のフォロワーが欲しいのだとしたら、純粋に日本から留学先までの距離を100倍にして書いてしまいましょう。

 例えば、ヨーロッパであれば、だいたい日本から1万5000kmほどですから、100倍すると150万kmほどになります。光が5秒間で進む距離ですから火星まで行ける気がします。
 
 が、ざっとググった感じ、火星まで再接近時でも8000万キロだったので、全然火星には辿りつけませんでしたが、まぁ火星にいることにしましょう。アンディ・ウィアーの『火星の人』感が出て、SFファンを引き寄せられるかもしれません。

 次に、留学開始からの日数を書きましょう。ここでも、先ほどと同じように、100倍バズりたかったら100倍、1000倍バズりたかったら1000倍盛りましょう。

 留学開始からの日数を数えるのも面倒なので、今回は3206日目にしてみました。だいぶサバイバルしている感じが出て良いですね。『ロマシングサガ・サガ2』並に長い時間軸の世界観で生きているんだなという感じがしますね。

 最後に、その記事の書くとなる、留学先での学びを書きましょう。一番簡単なのは、留学先と日本を何かしらの観点で比較して見ることです。今回私は、日本と火星の大気について比較してみましたが、いよいよSFを飛び出して本格的に、天文学の領域に手を突っ込んだ感じがあります。でも、それでいいのです。以外と読者は、単純なふたつの国の比較を求めているのです。

 それでは、ついに、記事の本文に入っていきましょう。ここで大事なことは、何か留学先の気づきを書く必要ないということです。順を追って説明していきましょう。

 まず、事項の挨拶を軽く述べましょう。天気の話なんかも海外の話となると急に新鮮なものに聞こえます。最近は寒くなって来ました、とか、曇りの日が多いです、とか、磁気嵐が激しいです。などと書けばいいのです。そうすればなんとなく近況報告感が出て、もう留学ブログらしくなるものです。

 次に、必要の可否にかかわらず、更新頻度について触れましょう。定期的に更新できているのであれば、そのことに触れれば良いです。もし記事を書くのをサボっていてしまっても、久々の更新になりました、などと言って茶を濁しましょう。くれぐれも更新できなかった言い訳をしないようにしましょう。何も言わなくとも、なんとなく留学生は自分探しで忙しそうなのです。

本文を書く

 そして、いよいよ内容の文章に入っていくわけですが、冒頭でも述べましたが大事なことなのでもう一回言いますが、留学先でブログの記事にするために、感度を高く生活する必要はありません。

 単純に日本にない部分を書けばいいのです。当たり前すぎて入ってない方に、もう少し噛み砕いて説明しましょう。アイデアがないなら日本をディスればいいのです。対して英語が喋れなくてともだちができなくても、授業がさっぱりでも、とりあえず日本は遅れていて、海外は進んでいることにすればいいのです。

 今回のテーマは、「日本と火星の大気の違い」という形で設定しました。なので日本がある地球の大気はあまりにも酸素が多すぎて、火星の生物に対してフレンドリーではない。多様性のない社会だと批判すれば良いのです。

 その回ごとに批判した点について、何か具体的なエピソードがあれば説得力が増しますし、ないのであればないで問題ありません。海外にいるヤツが言っているというだけで、もう説得力は十分なのです。

 今回に関してもしエピソードを足すとすれば、火星の大気はほとんど二酸化炭素で地球の大気組成より重いはずなのに、ギャグガシけた日本の飲み会の空気が重いのは、多様性のなさの現れだと思う、等々書き散らせばいいのです。

 最後に、ここまでひととおり書けたら、結びの挨拶を書いて終わりにしましょう。今週も頑張っていきまーす、的なことを書き、それから現地後で「さようなら」を意味する単語を書きましょう。火星語でさようならは、ぶりごろしきじゅbhjkbvhjk、ですから、最後に音符マークをつけておきましょう。

 記事がようやく完成したら、ハッシュタグをつけて完成です。ハッシュタグは人々がいかにも検索しそうなワードを2つ、3つ選びましょう。個人的におすすめなのは、#裏アカ男子と繋がりたい、と#不倫相手募集中、ですね。変なおじさんがフォロワーに湧きます。

いかがだったでしょうか?

それではみなさんも留学ブログにチャレンジしてみてください〜




ぶりごろしきじゅbhjkbvhjk〜♪

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