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エッセイ

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これまでに書いたエッセイをまとめています。🍀
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#今こんな気分

存分に言葉に触れた、2か月間。

存分に言葉に触れた、2か月間。

産休中、毎日何かしら書いた。
近所のカフェや喫茶店に行って、キーボードをカタカタやるエッセイストごっこしたり、どうせ眠れないから夜中にケータイでぽちぽちしたり。

全く飽きなかった。書いても書いても、書きたいことは尽きないばかりか、どんどん書きたいテーマがあれもこれも湧き出す。どうやらわたしは本当に文章を書くことが好きで仕方ないらしい。

ちなみに産休始まる前に書いた文章がこちら。書くの楽しみ!と

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赤ちゃんパラダイスとママ友になるかもしれない人たち。

赤ちゃんパラダイスとママ友になるかもしれない人たち。

つい先日、住んでいる市が主催する、妊婦を対象とした「母親教室」なるものに参加してきた。

前半は助産師さんからの出産後の生活や妊娠中の栄養の話、後半は「先輩ママとの交流タイム」なる時間が設けられている。
てっきりゲストママさんから、産後の苦労やら赤ちゃんの可愛さやらその実態をいろいろご拝聴できるものだと思っていた。

しかし、助産師さんの話が終わると、部屋を移動する流れに。「?」と思っていたら、着

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22週の壁と名付け。

22週の壁と名付け。

早いもので、マタニティライフも明日で38週…!
このエッセイは、22週を過ぎた頃に書いた下書きを引っ張り出してきたものになります。

…*………*………*………*

妊婦になって初めて知ったことなのだけど、赤ちゃんが育つにあたり、9週の壁、12週の壁などと、たくさんの壁が存在する。
(よく目にするけれど、医学的な用語ではないらしい)
1つ過ぎ去っては、次は◯週だ、とカレンダーやマタニティアプリで週

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丁寧な暮らしとは…自分なりにリスト化してみた。

丁寧な暮らしとは…自分なりにリスト化してみた。

「丁寧な暮らし」なるものに並々ならぬ憧れを抱いている。憧れを抱くということはすなわち今の暮らしが丁寧な暮らし、とは程遠いことを意味している。

世間ではコロナ禍を経て、これまでよりさらに理想とする「豊かなお家時間」への認識と需要が広がったように思う。

その結果「丁寧な暮らし」「心地良く暮らす」「ミニマルな暮らし」「心が満たされる暮らし」様々なフレーズで、雑誌、書籍、SNS…あらゆるところで目につ

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自分の誕生日プレゼントに、人生初アートを買う。

自分の誕生日プレゼントに、人生初アートを買う。

3年前から、毎年自分の誕生日前後にエッセイを書くことにしている。

そのときその瞬間の自分のリアルを文章という形にして後から見返すと、ほうこんなことを思っていたのか…と自分のことにも関わらずちょっと俯瞰的に見ることが出来る。
これがなかなか興味深い。

ちなみに、去年の。

なんだかつい最近な気がする。
でも、このときみたいな焦りのような気持ちはだいぶ緩やかになったような。

一昨年の。
結婚して

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「母になるまで」わたしが綴っていく理由。

「母になるまで」わたしが綴っていく理由。

先日は、妊娠するまでと妊娠が分かってからの気持ちのエッセイを投稿したところ、沢山のあったかいコメントが並んでて、数日にへらにへらと読み返しておりました。

いつもnoteで親しくさせてもらってる方々。
わたしの文章をフォローしていただいてる方々。
縁あってわたしの文章にたどり着いたくれた方々。
ことばや表現が好きなnoteの町の住人はやっぱりあったけえ……涙

ほえ、妊娠?!
え、何のことよ、聞い

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繋がれた小さな手。

繋がれた小さな手。

きゅ、と小さな温もりがわたしの手の平に触れる。

少し驚いて、そうっと手の持ち主を盗み見る。特段、照れ臭そうでもなくうれしそうでもなく、いつもと変わらぬ低学年のそうたくん(仮名)の横顔。

意外に思ったのは、彼は普段わたしの近くによってきたり、スキンシップを求めたりするようなタイプではないから。

…なんでこのタイミングで?

彼は、玄関で上靴から外靴に靴を履き替えるときに手を握ってきた。

あ、

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予定は未定。

予定は未定。

わたしは、予定を立てるのが好きだ。
否、むしろ立てないと落ち着かないという方が正しい。

学生時代、テスト前にはドリルの○ページから〇ページ。○○を重点的にやる日。など細かくノートに書き記した。
そして完了したものに罫線を被せること、そして+α出来たことを書き足すことに優越感を抱いていた。

今なお、その習慣は健在であり、仕事専用の手帳には同じようにその日や今週やるべきことを細かく書き出しており、

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かつてサロンだった京都の老舗喫茶店。

かつてサロンだった京都の老舗喫茶店。

京都といえば、歴史と文化の町だが、それと同時に喫茶店・カフェ天国でもあると思う。

先日京都の老舗喫茶店「フランソア喫茶室」を訪れた。喫茶店好きな方々の中には、耳にされたことがあるかもしれない。

30分ほど店の前で並んでから、わくわくしながら足を踏み入れた。
重厚なつくりの内装に、老舗と呼ばれるのにふさわしい風格を感じ、気持ちが上がる。

珈琲を頼むつもりだったけれど、一軒目で珈琲を飲んだばかり

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ドレッサーがわたしの暮らしを変える。・・・多分。

ドレッサーがわたしの暮らしを変える。・・・多分。

ドレッサー。それは幼い日のわたしにとって憧れの象徴だった。

母の部屋にあった落ち着いた色合いのどっしりとした立派なドレッサー。引き出しに手を伸ばせば、目をひく蠱惑的な色の口紅や、つやつやと小瓶の中で煌めくマニキュアたち。
何度か母が留守の時間を見計らって、小さな唇や爪にちょんと色を乗せてみたっけ。

わたしも大人になったら、ドレッサーでお化粧するんだ・・・!

そう信じてやまなかったのだが、実際

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寒い時期の特別なおもてなし。

寒い時期の特別なおもてなし。

頬に当たる風は、相変わらずつんと冷たい。心なしか、はや足で茶道のお稽古に通っている先生のお宅に向かう。

扉を開けて目に飛び込んできたのは、枝につつましやかに白く色づく可憐な花。これは梅かもしれない。
こんなに寒いというのに、どこかでは春の兆しが顔を覗かせているんだろうか。

この日、わたしがお点前をするのは、1か月半ぶりだった。
先月の初めにあった初釜は、先生やお稽古歴の長い先輩にお点前をしても

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おばあちゃんがくれた、ふわふわハンカチの正体。

おばあちゃんがくれた、ふわふわハンカチの正体。

「かしこいまりちゃんにこれをあげよう。」

そう言って今は亡き祖母は、幼稚園児だったわたしに、阪神百貨店の包みを差し出した。

祖母は百貨店が好きで、足腰弱るまではよく出かけていたものだ。

なんだろう…!
わくわくしながら包装紙を破る。

姿を現したのは綺麗にラッピングされ、お行儀よく箱に納まったハンカチだった。
黒地に華やかな花が描かれている、ふわふわのハンカチ。

(…あんまり好きじゃない。

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今度こそ、サンタに。

今度こそ、サンタに。

「サンタさん、うちの家には25日に来られへんねんて。」

クリスマス直前のある日、当時担任していたなほちゃん(仮名)は、教室でそう言った。
お家の人がなほちゃんにそう伝えたらしい。

なほちゃんの家庭は、教材費や給食費の滞納が目立っていた。いわゆる貧困家庭、と呼ばれるような家庭だったのだと思う。

月末にお金が振り込まれるので、それまでにクリスマスプレゼントを買う余裕がないのかもしれない。
クリス

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1人だけど、1人じゃない。

1人だけど、1人じゃない。

先週日曜日、行ってまいりました、文フリこと文学フリマ大阪。
文学フリマに足を運ぶのは、2回目だけど
売る人、買う人…熱意が交錯する、圧倒されるような空間。

友人やnoteで親しくさせてもらってる方々に会ったり、見本市ブースでぱらぱら見て気になったブースを覗いてみたり、あてもなくうろうろしたり…。
1時過ぎに会場に行ったはずなのに、気づけば4時過ぎで、本当に時間が溶けた。

「あら、○○さん久しぶ

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