待ちに待った映画「花束みたいな恋をした」を再びふたりで。
公開から2年経ってようやく「花束みたいな恋をした」がついに動画配信サービスにて見れるようになった。
映画館で2人並んでみたあの日、「もう一度みたいな」ってそんなこと一回も言ったことないのに柄にもなく真面目にこぼしていたね。
ちゃんと覚えていてくれて、配信が開始したことまであなたから教えてくれると思わなくて驚いた。
だっていつも私から映画とかドラマを一緒に観ようと誘うからさ。
ちょっとペースを乱されるなぁ。笑
と思いつつ、あなたと私でお昼ごはんを食べながら横に並んで観た。
映画館で観たあの時の私たちは大学四年生になる春だった。
私は卒論・教育実習とこれから迎える重い現実に内心落ち着かずヒヤヒヤしていたかな。
来年春からは社会人と呼ばれるし、まだ知らぬ社会の歯車にすでに不安で怯えていただろうか。
いや、そんな難しいことすら深く考えずに、ただ春の夢の如しと限られた休みを謳歌していたかもしれないね。
「花束みたいな恋をした」を見ようと思ったきっかけは単純で、この作品のタイトルがどストライクだったのと、有村架純さんが大好きだったからだ。
映画館では菅田将暉ファンの女子グループや有村架純ファンのボーイズたち、カップルでほぼ満席だった。
鑑賞後、あなたが「絹がすずらんにそっくりでびっくりした」って言ってくれたよね。
「私もそれ思った!」って絹と私の似ている価値観や趣味で盛り上がって話込んだのがいい思い出だな。
あれから私たち2人ともなんとか社会人になって毎日あくせくしながらも頑張ってきた。
会う頻度が減っても、連絡が朝晩と仕事の合間に限られたとしても、たまに会っても話すことがなくてお互いスマホの画面を見つめていたとしても。
気持ちのすれ違いとかよく聞く言葉で片づけるには納得できない時間が2人の間で過ぎていった。
結局、いったん離れてみようと謎の短すぎる猶予期間を過ごしている。
会えば世に言うカップルとたいして変わらぬ2人。
そんな私たちも気づけば、絹と麦の年齢に追いついてしまった。
彼らが過ごした4年と、私たちが過ごした4年。
彼らに5年目は来なくてそれぞれの道へと分かれていったから、2人並んで歩いていくための教科書がなくなってしまった。
ちょっと心細いね、、、。
またこんな風に感情が揺さぶられるリアルな恋愛物語に出会えるかなぁ。
「花束みたいな恋をした」は私にとって当時が重なり原点に立ち返るような作品。
また、あなたとみたいです。
あっ、そろそろ玄関に飾る新しい花、買いに行こうね。
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