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テレビ大阪さん動画「計画運休の基準がワカラン!」

テレビ大阪さんが、夕方の「やさしいニュース」で放送した「計画運休の基準がワカラン」(大雨での計画運休、JRは回数多いが ほかの鉄道の基準はどうなの?)の動画をYouTubeで公開しています。(2023/6/15)

鉄道事業者に所属するひとりとしては「計画運休」に対する理解を深めてくださることには大変ありがたく思います。
しかし、わからないことをわかるようにする趣旨で放送や動画制作をしてくださったと思うのですが、もやもやがあまり解消になっていないような気もするので、余計なお節介ですが、視聴者の立場から少し補足します。

●計画運休の基準

動画では関西のJR、主要私鉄各社にヒアリングして比較されています。しかし「運転規制値」の基準を回答した会社と「計画運休」の基準を回答した会社にわかれてしまったため、同じ条件で比較になっておらず、わからないことがわかるようになっていないような気がします。
計画運休をしていない場合に、風雨などが値を超えたら必ず列車を止める基準が「運転規制値」です。各社とも数値で制定していると思います。
・風の運転規制値:列車の転覆などを防ぐために制定されています。各社大きく異ならないのでは?と思われ、瞬間風速25~30m/sくらいです。
(※鉄道事業者の風速計は橋梁上などに設置されており、気象庁アメダスより観測される風速は高めになります)
・雨の運転規制値:土砂災害や浸水などを防ぐために制定されています。盛り土や自然斜面が多い区間は、運転規制値が低めになりがちであり、会社、線区により値が大きく異なります。
・計画運休:気象予報、防災情報をもとに、運転規制値を超える予報のときや、お客様や世の中の皆様に大きな影響が予想されるときに、事前に運休(運転取りやめ)を計画してお知らせするのが「計画運休」です。経営判断(安全・防災に関する考え方、運転規制値を超えた場合のお客様対応など)やダイヤなどにもよるので、実施するかしないかは会社・線区により異なります。
ただし、近年は国土交通省がとりまとめているので、(実施する・しないも含めて)お客様への情報提供のタイミングの時期は足並みがそろうようになってきました。2日前には計画運休の可能性を発表、前日には具体的な計画を発表する方向になってきています。
(※線状降水帯など、リードタイムの長い予想が難しい場合には発表タイミングが遅くなったり、発表後に内容が変わったりすることがあります)

●鉄道事業者だけでなく、世の中全体の取組みに

以下私見です。(論点ずれます)
計画運休は鉄道事業者の取組みですが、世の中全体で
「タイムライン防災(防災行動計画)」
「BCP(事業継続計画)」
「働き方改革」
などの観点でも理解され、取組まれるようになるとよいと思います。

●私の過去のnote投稿(計画運休に関するもの)


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