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瓦礫と化したピアノの怨念

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演劇と怨楽の融合『ストロベリーソングオーケストラ』『瀉葬文幻庫』に於ける数々の楽曲・劇中歌を手掛けた座長・宮悪戦車の詩世界を纏めてみました。毒特の『鏡町』ワールドをご堪能ください。
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#ストロベリーソングオーケストラ

幸福の黒い鳥(限定動画アリ)

幸福の黒い鳥(限定動画アリ)

鴉になるのを夢見た子供 
針山目掛けて大空飛んだ

追い掛けるのは黒い雲 
風の口笛道しるべ
親の形見を身につけて 
朱の炯へ飛びたもう

夜の太陽 蟲の囀り 時計の針痛い
浮かぶ箱舟 飛び立つ前に 時計に針を打て
ざんばら髪の双子の姉妹 土の中に埋めて
夜汽車の鐘に身体くねらせ 大空へはばたけ

両手を! 広げ! 大空! 飛べ!

月の狂奏 犬の遠吠え 鴉の子守唄
吐き気もよおす夢物語

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火葬のテスト

火葬のテスト

機械仕掛の墓石教室にはりつけた闇の書割に 
夏祭りに買ってもらった柱時計の短針で
無数の星を造りだしては 
火遊び 流星 不帰の業

死相を指した丑三つ時には 
北では不慮の死描いた栄誉の映画が流され
東には家族一同遺産を巡っての人生双六 
西は義眼のシャンソン歌手 黙祷出来ず 
暗い日曜日を歌いだし
南 今日も何処かで巨星が沈む

あなたが去ってからの日曜日は 
暗い人形劇の様に
糸が幾つも身体

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シン・疫病流行期

シン・疫病流行期

それは以前誰かが生活をしていたのであろう、今は朽ち果てた廃屋の部屋から微かに聞こえてきた。ラジオなのか、それともテープレコーダーなのか。ざらついたその音声は、虚しくも誰も居ない空き部屋にボソ、ボソと闇に侵蝕していくのであった。

ー世界は黒煙と無数の喀血と共に新たな世界線を敷いたのである。赤い釘付けの日に国家の転覆、失踪都市化の拡大、地下の鉛筆ヴァンパイア達は、首吊り花の根に溜まった禁忌の蜜を

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胞衣の劇場

胞衣の劇場

我が子の瞼 赤糸で紡ぎて 
木漏れ日が写しだす 羽隠虫

暗い羊水の中で俺は 
映画の始まりを知らせるベルを聞いた

寡婦の母親の胎内という
指定席に浮かびながら
俺は初めて映画のスクリーンに
自分の血が流れている事を知った

昭和四十九年三月七日 午前一時五十分
うらぶれた場末の映画館で俺は 
確かに産み落とされた

映画のベルが鳴り響く 
スクリーンには念仏と菊の花が映し出される

安月給 街

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木偶の縫子

木偶の縫子

赤く火照った月の夜 
ガラス細工の子猫が鳴きだし
子供さらいの魔笛とともに 
木偶の縫子の犯罪が始まる

午前0時に渡した恋文 
片思いのフランス人形
彼女ったら読まずに私を 
青い瞳でジロリと見つめる

なにさアンタも無視するの?
嗚呼、どうせ誰にも愛されず
嗚呼、ボロボロと朽ちていく
現実は死んだ、幻想さようなら

縫子はフラれた腹癒せに 
尖った鉛筆握り締め
片思いのフランス人形 
青い瞳に

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ジクムント

ジクムント

黄泉の右から放たれた 臓器癒着の精神学を
猫の額に書きなぐって これは恋文照れ隠し
夢寐の呪縛に捕らわれた 先祖がえりの命日を
墓石黒板に殴り書き 
「夢」という字をド忘れる

彼が唱えた辞世の句は 博士気取りの夢地獄
ガラス細工の太陽に 黒い妄想注ぎ込め

右・リビドー・幻想・地獄 
左・エディプス・催眠・極楽
上・サディズム・現実・地獄 
下・デイドリーム・空想・極楽
右・リビドー・幻想・地獄

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病葉

病葉

病葉(わくらば)
「わくらば」とは「病気や害虫にむしばまれて変色した葉。特に、夏の青葉にまじって赤や黄に変色している葉」とされている。

寒い九月の夜
僕は土に眠る
無言に冷たい雨
君の唇は熱く重ね弔う

春の萌芽の時
僕は鳥と唄う
啄まれた嘘の言葉
君の瞳は哀しく星を見つめる

雲は流れる 僕の顔見てさ
君に送った 一つの葉書
忘れはしない 君の声を
この身が朽ちてしまっても
忘れはしない 君の

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二十一世紀狂闘旗手(MV字コンテ公開)

二十一世紀狂闘旗手(MV字コンテ公開)

―生まれて、すみません。

切傷だらけで醜悪肥った 
膿だらけの朱色の夜明け
人生煮沸を啓示する
蝙蝠ラジオの怪音波

ギ疑ギ くだらないと首を吊るよりも 
チ血チ 進んで電波を撒き散らしましょう
ギ疑ギ 疑う事なんてありゃしません 
チ血チ 血を以てお見世致しましょう

ワンと吼えろ! ワンと吼えろ! ワン!!

続篇だらけの遺書に火を点け 
偽善だらけに別れを告げ
日本の未来を導く為に 

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臓物にジグソウ

臓物にジグソウ

黒い不吉な 咽び泣く夜 
2時を知らせる柱時計に
行方知れずの 父を名乗った 
過去の蒐集虫唾の吐壺

触れる事無い 粘膜の綯う 
密葬計画 国家の絶叫
機械仕掛けの青少年に  
事件知らせる葉書が届く 

鍵を挿せ! 昨日の支配に
鍵を挿せ! 人間が腐りかける前に

寝静まったメギドの夜に 
戸籍家無しカリガリ博士
膨れ上がったガス管 切断! 
俺を尋ねる役所の黒服

鍵を挿せ! 明日の終焉に

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憑依奇譚

憑依奇譚

鏡の中に 映りし屍 
手招く様に 酔いどれて
仏壇売りが嘲り笑う 
「この娘さん、憑かれまくり」

沼に潜みし セロ弾きの豪主 
奏でる音に 魅せられて
国語教師の出席簿には 
「あらまぁ、貴方、憑かれまくり!」

憑依!踊れ!仏滅崇拝!
憑依!笑え!元日返上!
憑依!叫べ!黄緑の苺!
憑依!唱え!恐山賛歌!

頭の中でかき乱れる 少女地獄の一問一答
真夜中の芝居小屋には 四人五脚の緻密な足音

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海ゆかば

海ゆかば

この詩は軍歌である「海ゆかば」に宮悪戦車が、親交の深い「芝居屋・劇団羊のしっぽ」番外実験公演「祭」ー問う演劇の劇中歌として依頼を受け、宮悪戦車が補作詩、個人で楽曲を提供した物である。2015年1月作。

海行かば 水漬く 屍  
山行かば 草生す 屍
大君の辺にこそ死なめ かへりみはせじ

忠誠 向後 傀儡 瓦礫 空虚 探求 
シ...カ....バ.....ネ...
桎梏 撲滅 星霜 刹那 閃光 

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贋作のメルヒェン

贋作のメルヒェン

渦巻きネジれた夜 眠れない夜盲の少女
天井の一番星 囁くは屋根裏ピエロ

さあ、お嬢さん今宵の主役は
あなたです 眠りましょう
限られた時間の中で その瞼 赤糸で縫う

針が堕ちれば ガラスのソワレ
のぞきからくり 窃視の銀幕 空が

廻れ!廻れ! ハリボテの球体
銀輪の原動 ペダルのドラマ
飛べよ!飛べよ! 畸形の鳥よ
無限の空に 飛行機

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機械と点滅の葬列

機械と点滅の葬列

青い小鳥を水脈(みお)に埋め込み 
影を飲みこむ 白痴の太陽
黒く染まった空の歴史に 
行方不明の星屑の捜索
       
鉛の夜に溺れちまった 
「  」の中に沈んだ月を
天井の裏 網を投げて 
機械仕掛けのオルフェを造りだす

釘と釘との捻れの中に 
赤いリズムの埋葬蟲の群れ
過去の仮面を小鳥につけて 
カラス結社の無言のサボタージュ

核の中まで追いかけてきた 
秘密国家の探偵術

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屋根裏のペンタグラム

屋根裏のペンタグラム

迷い子の諷(うた) 風見鶏 壜に閉じ込めて 
黒い隙間に影の人拐い
誰の背中に帰ろうか 声無き小鳥よ
蒼い眠りの 瞬く星

無人駅に 懐かしい汽笛が
聞こえる前に 夢旅人捜そう
月夜の明かり 無邪気に踊る
呼吸の幻影 消えゆく記号

空には 眩い星一つの 懸想飛ばす
目と目の愉悦 君の

迷い子の諷 風見鶏 壜に閉じ込めて
黒い隙間に影の人拐い
誰の背中に帰ろうか 声無き小鳥よ
蒼い眠り

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