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エッセイ

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#高校生

投げやりな朝を煮詰めてできた珈琲を飲めるのは大人になったあなただけ

投げやりな朝を煮詰めてできた珈琲を飲めるのは大人になったあなただけ

始業式に出ずに過ごしたことが何度かあった。
当然ながら始業式の時は先生も生徒も端から端まで体育館に集められるので、普段過ごす校舎は空っぽになる。
始業式をサボった私は嬉々として空っぽになった学び舎を見学する。

曖昧な幽霊になったように廊下を走ってみる。
校舎中のトイレットペーパーの先を三つ編みにして回る。
北校舎の一階の角、3番目のトイレに書き残された名無しの誰かの詩とその返歌を読む。
足音の

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平成最後の夏まで生きてしまった私から、受験生の夏の私へ

平成最後の夏まで生きてしまった私から、受験生の夏の私へ

拝啓 受験生の私へ

盛夏の候、貴殿におかれましてはますますご清栄というほどでもないというか私もあまり元気なわけではないですね暑いので。
受験生、17歳の夏。
いかがお過ごしでしょうか。

受験生になったばかりの夏はまだきちんと現実味がなくて、ぶっちゃけあまり受験を意識して勉強していなかった頃かと思います。
あなたは最終的には、冬まで全くマークしていなかった関西の某私大に進学を決めます。

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