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脱走しましょう!そうしましょう!!|『ショーシャンクの空に』(2)

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テーマ発表!!


 前回に引き続き、映画「ショーシャンクの空に」をベースに新しい物語を妄想します。

※「ショーシャンクの空に」のストーリーなどについては、前回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 それではまいりましょう!

三葉 はい。

嘉村 「ショーシャンクの空に」は、劣悪な刑務所にありながら、最後まで
「自己効力感」や「希望」を失わなかった囚人の物語ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……さて!どんな物語にしましょうか?


案①


三葉 まずは、「ショーシャンクの空に」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは前回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 以上を踏まえて「案①」は……ズバリ!「『ショーシャンクの空に』 ~『ハイスクールの空に』編」です。


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嘉村 ハイスクール!……つまり、「ショーシャンクの空に」の高校バージョンですね?

三葉 ええ、その通りです。

嘉村 なるほど。

三葉 ストーリーをご紹介しましょう。主人公は、群馬県か栃木県か、はたまた茨城県か……その辺りに住む中学生です。

嘉村 ふむ。

三葉 そして彼は……不良だった!バリバリの不良です。くるくるパーマのかわいい娘と付き合い、駅ではとっぽいニイチャンにガンを飛ばす。そしてタイマンを張る。

嘉村 「ツッパリHigh School Rock'n Roll (登校編)」みたいですね。今どき珍しい。


三葉 さて、主人公には憧れの先輩がいました。中学の大番長・A先輩です。A先輩は喧嘩が強く、しかし決して弱い者をいじめることはない。情に厚く、仲間想い。まさに男の中の男、不良の中の不良!

嘉村 ふむふむ。

三葉 そんなAさんは中学を卒業すると、地元を離れ、東京の全寮制高校(以下、Z高校)に入学しました。

嘉村 ほぉ。

三葉 Z高校……それは、泣く子も黙る地獄の1丁目。腕に覚えのある不良どもが一堂に会する最悪の高校です。「Z高校の番長こそがわが国最凶の高校生である」と言われている。

嘉村 ふむ。

三葉 「ヤクザも避けて通る」「アメリカ国防総省が危険視している」「○○中学の番長が堂々入学したものの、わずか1週間で廃人になった」など、多くの伝説・逸話を持つ学校ですが……。

嘉村 ええ。

三葉 A先輩は「オレは不良だ。そして不良になったからには、Z高校のテッペンを取ってみてぇ!どこまでできるかわからねぇが、挑戦してみてぇんだ!」と言って、上京しました。その後しばらくして……主人公のもとにA先輩から手紙が届いた「オレはバリバリやっています。東京は広ぇ!強いヤツがゴロゴロしている。だがオレは負けねぇ。テッペンを取ってみせるぜ」。主人公の体がぶるぶる震えた。武者震いです。オレも……オレも……Z高校に入る!A先輩の天下取りを支えるんだ!そしてA先輩の卒業後は、オレが後を継ぐんだ!

嘉村 なるほど。

三葉 かくして数ヵ月後、主人公はZ高校に合格しました。……まぁ、願書さえ出せば誰でも合格する学校ですが。

嘉村 ふむ。

三葉 そして彼は意気揚々と上京し、入学式を迎えた。さぁ、気合を入れていくぜ!彼は肩で風を切り、いつにも増してガンを飛ばしまくりながら登校したのですが……あれ?何だ、これ。Z高校ってこんな感じなの!?

嘉村 ほぉ……。

三葉 主人公は戸惑い、呆気に取られた。Z高校は、「クローズ」の鈴蘭男子高校や、「湘南純愛組!」の江ノ島商業高校のようなところだろうと想像していたのですが……さにあらず。まったく別ものだったのです。


三葉 さらに衝撃!およそ1年ぶりに再会したA先輩は……えっ!?どうしたんすか!?すっかり別人と化していました。

嘉村 ふーむ。一体何があったのか……。

三葉 さて、ここでネ晴らしをしてしまいましょう。じつは……Z高校は長年経営不振に陥っていました。そして昨年、とある学校法人に吸収合併され、まったく別の高校に生まれ変わっていたのです。

嘉村 なるほど。

三葉 はて。それでは悪名高い不良の巣窟は、一体全体どのように変わったのでしょうか?アイデア次第でいくらでも面白くできそうですが、例えば……軍隊風の学校!

嘉村 軍隊風!

三葉 ええ。すなわち……生徒はみんな丸坊主!鉄拳制裁は当たり前!教師や上級生に口ごたえするなどもっての外!という高校です。そして全寮制ですからね。A先輩らバリバリの不良と言えども、24時間365日の軍隊生活を送る内に、すっかり軍人気質に染まっていたというわけです。

嘉村 なるほど。イケイケの不良高校と思って入学したら、実際には軍隊式の苛烈な学校だったわけか……。

三葉 あるいは、こんなのはいかがでしょうか?ズバリ……スパルタ教育の学校!

嘉村 スパルタ!

三葉 勉強時間は1日18時間!毎日テストがあり、成績下位者は食事すら満足に与えられない!そして校是は……「バカとブスほど東大に行け!」。

嘉村 ふーむ。「ドラゴン桜」風ですね。


三葉 または……やたら強権的な女子生徒に支配された学校!逆らったら懲罰房行き!

嘉村 ふむふむ。「監獄学園」風ですね。


三葉 さらにまた……ヤバい宗教に支配された高校!

嘉村 ヤバい宗教……?

三葉 ええ、毎日10時間ほど教祖の説教を聞かされたりとか。

嘉村 完全に洗脳ですね。

三葉 とまぁいろいろ申し上げてきましたが、要するに……Z高校は、すっかり様変わりしていたのです。いまや、不良のふの字も見当たらない。そして、A先輩ら上級生は、すっかりその環境に適応していました。

嘉村 ふむ。

三葉 主人公がショックを受けるのも無理ないでしょう。……あの憧れの不良高校が、こんなことになっていたとは!あの憧れの先輩が、いまや学校側の言いなり!すっかり骨抜きにされている!

嘉村 なるほど。

三葉 さて……入学当初、主人公ら新入生は学校側に反発しました「オレたちは不良だぜ!こんな学校でやっていけっかよ!」。

嘉村 まぁ、そりゃねぇ。

三葉 しかし……すぐに諦めてしまった。なぜか?いくら逆らっても無駄だからです。どれほど突っ張ってみても、どれほど盾突いてみても、学校側はびくともしない。「教育的指導」の名のもとに、制裁を加えられるだけ。

嘉村 ふーむ。

三葉 かといって、脱走もできません。蟻一匹通さぬ厳戒態勢が敷かれているのです。そして脱走が見つかれば、とんでもない罰が待っている。

嘉村 なるほど。

三葉 だから間もなく……彼らは諦めました。渋々ながらも、学校側の言いつけに従う。するとどうでしょう。学校側は、従順な彼らに適度な褒美を与えたのです。

嘉村 あー……。

三葉 かくして新入生は、上級生同様、環境に適応していきました。「いろいろ不満はあるけれど、まぁ、ここでの暮らしも悪くはないよな」と感じ始めたのです。「ショーシャンクの空に」風に言うならば……要するに彼らは、劣悪な環境に置かれたせいで「自己効力感」や「希望」を失い、その劣悪な環境に適応してしまったという次第。

嘉村 ふむふむ。

三葉 しかし……主人公だけは違った!彼は「自己効力感」や「希望」を抱き続け、密かに脱走計画を練っていました。では、なぜ彼は劣悪な環境にありながらも、「自己効力感」や「希望」を失わずに済んだのでしょうか?

嘉村 ふむ。

三葉 さて、ここで「ショーシャンクの空に」を思い出していただきましょう。「ショーシャンクの空に」の主人公(アンディ)は、劣悪な刑務所に入るものの、「自己効力感」や「希望」を手放すことがありませんでした。なぜならば……


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嘉村 ふむふむ。

三葉 「案①」もこれと同様です。すなわち……


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嘉村 なるほど。何らかのきっかけで、自分はサバイブ可能・脱走可能だと確信した。だから主人公は、「自己効力感」や「希望」を失わなかったのですね。

三葉 ええ、その通りです。では、主人公がサバイブ可能・脱走可能だと確信するに至った「きっかけ」とは何か?これもまたいろいろと面白いエピソードが考えられそうですが……例えばこんなのはいかがでしょうか?

嘉村 ふむ。

三葉 すなわち……主人公は美少年だった!

嘉村 ……ん?

三葉 ちょっと頼りなく、儚い雰囲気を漂わせた甘い顔。特に中年女性の母性本能をくすぐるタイプの美少年です。

嘉村 ほぉ。

三葉 本人はバリバリの不良で、女性に甘えるだなんて大の苦手です。しかし……もしも、もしも……心を無にして甘言を弄せば、女性教師のハートを鷲掴みにすることが可能でしょう。

嘉村 ははぁ……。

三葉 また、同級生の中には、ゲイに好まれる顔立ちをした者がいた。本人は異性愛者なのでいろいろアレではありますが……もしも、もしも……心を無にして頑張れば、ゲイの教師や先輩を懐柔することができるでしょう。

嘉村 ふむふむ。

三葉 つまり、主人公は気づいたのです「オレとヤツがタッグを組めば、教師や先輩をメロメロにすることができる!こりゃ、上手くいけば脱走も夢じゃねぇぞ!……まぁ、心を無にしなけりゃならねぇが」

嘉村 なるほど。「ショーシャンクの空に」とは違って、パートナーと共に脱走を試みるんですね。

三葉 ええ、そうですね。「やっぱオレ、オバサンを口説くなんて無理だよ……」「馬鹿野郎!オレなんて、オレなんて……オッサンを口説くんだぞ!」「うっ!確かにオバサンの方がマシだな」なんて具合に、主人公とパートナーとの熱い友情や行き違いを描くと、一段と盛り上がるかなと思いまして。

嘉村 確かに。

三葉 とまぁそんなわけで、主人公は「自己効力感」や「希望」を抱き続けることができた。そして「ショーシャンクの空に」同様、「案①」はそんな彼の活躍を描いた物語です。

嘉村 ふむ。

三葉 以上、「『ショーシャンクの空に』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!


続きはこちら!!

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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