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かおすの抱える「対人恐怖」とは、どのようなものだろうか?|『こみっくがーるず』(5)

 本記事は、アニメ「こみっくがーるず」を徹底分析する特集の……第5回である★


第1回からご覧になることをオススメします!


今回のテーマは……!


 第2回第3回では、かおすの「オッサンオタク」という面に注目した。

 また、第4回では、「かおすは、いまも両親や祖父母の強い影響下にある」という特徴について詳述した。


 そして今回は……かおすの抱える「対人恐怖」についてご説明しよう!


かおすの「対人恐怖」


 かおすは、「対人恐怖」を抱えている。

 対人恐怖といっても様々なタイプがあるが……かおすの場合はこちら!



 ここからは、具体的なエピソードを見ていこう


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 まず……実家のある福島から、寮のある東京へ移動する際のエピソード(第1話)。

 「他の寮生と上手くやっていけるだろうか……」と考えている内に強い不安に襲われ、ついには駅のホームにしゃがみこんでしまう。

 そして、奇声を発する!

かおす「あばばばば!」

 ……結果、電車を逃す。


 初めての1人暮らしだ。しかも寮での共同生活である。

 誰だって不安を感じるだろう。


 ……が、しかし!

 その場にしゃがみこんで奇声を発し、電車に乗り遅れるレベルとなると、「ちょっと普通ではない」と言わざるを得ないだろう……。


※補足:かおすの発する「奇声」の大半は「あばばば」であり、かおすといえば「あばばば」を想起する人も多いと思う。ちなみに以下のマンガを見ると、厳密には「あばばば」「ひゃばばば」「うあばばば」などいくつかのバリエーションがあるようだ。


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 上記エピソードの後、かおすは無事東京に到着し、地図を片手に寮を探して歩く(第1話)。

 しばらくして寮と思しき建物を発見。

 と、その時だ。

 1人の優しそうな女性がかおすに声をかける。

女性「アラ?」

 2人の目が合う。

 次の瞬間、早くもかおすは涙目になって「あばばばばば……」と奇声を発する!

女性「お嬢ちゃん、どうしたの?」

かおす「あばばばばば……ヒーッ!!」

 女性がかおすに近寄ってくる。

 かおすは「あばば」だの「ヒーッ」だのと奇声を発しながら、忙しく周囲を見回す。……完全に不審者のそれである。

女性「迷子になっちゃった?」

かおす「あば、あば……いえ!ここって文芳社の……」

女性「あら。誰かのファン?」

女性は微笑んで「ダメよ、勝手に入ってきちゃ」

かおす「ヒッ!あばばばばばばばばばばー!」


 間もなく、その女性は「女子まんが家寮」を管理する寮母、そして、かおすは新人の寮生だということがわかって事なきを得るわけだが……いかがだろう。

 何度も繰り返すが、緊張するのはわかる!

 言動が多少不審になるのも理解できる!

 ……が、いくらなんでもこの反応はないと思うのだ……。


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 数日後、かおすは東京の高校に転入することになる(第2話)。


 そして転入初日。

 かおすは担任教師に促され、真っ青になりながらも黒板の前に立つ。

 新しいクラスメイトたちに自己紹介するのだ。


 間もなく……クラスメイトたちの視線が自分に注がれていることに気づき、かおすはパニックに陥る。

 そして、自分の名前(かおすの本名は「萌田薫子」)すら言えなくなってしまう!

かおすは早口で「萌……萌……萌、萌、萌……ハァ、ハァ、ハァ、萌、萌、ヒッ、ヒッ、ヒッ、萌、萌……」

 琉姫が思わず拳を握る。

琉姫のモノローグ「かおすちゃん!変質者みたいよ!」


 その日の昼休み、かおすは琉姫や翼の前で呟く。

かおす「知らない人……怖いです……」


 対人恐怖気味のキャラが人前で自己紹介する際、混乱に陥って失態を犯す。……アニメやマンガの世界では、お約束のシーンだと思う。

 が!

 ここまで変質者めいた言動をするキャラは珍しいのではないだろうか。


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※以下は、「主要4人それぞれの個性が伝わる表情・仕草」を集めたと思しき画像集。左上のかおすを見ると……やっぱり涙目!


かおすは社交経験が乏しい


 以上、かおすが「対人恐怖」を抱えていることをご理解いただけたと思う。

 まったくあばばばである。


 さて、ここで1つ確認しておきたいことがある。

 すなわち、「入寮するまで、かおすは家族以外の人とほとんど交流した経験がなかった」ということだ。


 かおす曰く、話し相手は猫や虫しかいなかったそうで、自分には一生友だちなんてできないと悲嘆するシーンもある。


 かおすは極めて社交経験が少ないのだ。


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 そして、この「社交経験の少なさ」は、本記事のメインテーマ「対人恐怖」と強いつながりがあると思うのだ。だから、ここでまとめてご紹介させていただいた。


 はて。

 「対人恐怖」と「社交経験の少なさ」には、どのようなつながりがあるのだろうか?

 作中では明言されていないが、おそらくこの2つの要素は負のループ(ネガティブ・ループ)を形成している。

 すなわち……こんな具合に!



 まさに悪循環である。


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 さて。

 ここまで、かおすの抱える「対人恐怖」や「社交経験の少なさ」についてご説明してきた。

 比較的シンプルな話なので、スッとご理解いただけたと思う★


 ……が、問題はここからなのだ。


 かおすは対人恐怖を抱えている。

 ところが!

 小夢ら寮生とは、出会ってすぐに打ち解けているのだ。

 一体なぜ!?


 かおすのことだ。

 いくら小夢らが社交的だとはいえ、心を開くのに1か月くらいかかりそうな気がするのだが……。



続きはこちら★

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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