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「アイドルの恋愛」は是か否か!!|『ライアー ライアー』(2)

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テーマ発表!!


 前回に引き続き、映画「ライアー ライアー」をベースに新しい物語を妄想します。

※「ライアー ライアー」のストーリーなどについては、前回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 それではまいりましょう!

三葉 はい。

嘉村 「ライアー ライアー」は、嘘をつきまくっていたクソ男が、ある日突然嘘をつけなくなり、悪戦苦闘しつつ成長していくコメディですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……さて!どんな物語にしましょうか?


案①


三葉 まずは、「ライアー ライアー」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは前回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 ご覧の通り……「ライアー ライアー」の特徴は、「『嘘はいけない』といったありきたりな教訓に終始しないところ」です。

嘉村 「時には嘘(方便)も必要」という部分ですね。「必要悪」とでも言いますか。

三葉 ええ、その通りです。つまり「『ライアー ライアー』をリスペクトした物語」を作るには、「完全な善ではないが、完全な悪でもないグレーなもの」をテーマに据える必要があります。

嘉村 ふむ。

三葉 そこで「案①」は……ズバリ!「『ライアー ライアー』 ~『酒』編」です。


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嘉村 酒!

三葉 酒は、ある意味では「悪」ですよね。何よりもまず、健康によくない。また、酔っ払いは感情的になりやすいし、飲酒運転は多くの命を奪っています。それに嘔吐すれば汚いし、酔っ払いの呼気は臭い。

嘉村 ふむ。

三葉 しかし、それでは酒が完全な「悪」かと言うと……いくら何でもそれは言い過ぎでしょう。例えば、適度な飲酒はストレス解消に効果的です。また、人間生きていれば、時には酔い潰れたい日だってある。そして、人との距離を縮めるにも酒は効果的ですよね。

嘉村 ふむふむ。

三葉 つまり酒は絶対善でも、絶対悪でもない。したがって、「『ライアー ライアー』風物語」のテーマとして適切だと言えるでしょう

嘉村 なるほど。

三葉 例えば、こんな具合です。主人公は男性会社員。彼は真面目でいいヤツで……そして酒が大好き!飲み会に誘われると断れず、しかも一度飲み始めるとぶっ倒れるまで飲み続けてしまうのです。

嘉村 ほぉ。

三葉 ふと目を覚ますと、同僚の家。あるいは道端。もしくは公園のベンチ。いつの間にか夜は明け、日が昇っている。時計を見ると出社時間。「仕方がない。今日もこのまま出社しちまおう」ということで、家に帰らぬことも少なくありません。

嘉村 うーむ……。

三葉 また、そんな具合ですからね。「明日は結婚記念日よ。レストランを予約したから忘れないでね」「明日は子どもの誕生日よ。パーティだからちゃんと帰ってきてね」なんて約束も片っ端から反故にする。

嘉村 ひどい……。

三葉 そして親戚の葬儀で正体を失うまで酒を飲み、腹踊りを始めた時に、彼の妻はいよいよ愛想を尽かした。彼女は、息子を連れて実家に戻ってしまいました。

嘉村 まぁ……無理ないでしょうねぇ。

三葉 しかし、悪いことばかりではありません。何しろ陽気な酒ですからね。会社では宴会部長と呼ばれ、大人気です。「気難しいお客様を接待する時には、必ずあいつを同席させろ」というのが不文律になっている。

嘉村 なるほど。

三葉 さてそんな中……息子の誕生日がやってくる。別居中ではありますが、この日ばかりは家族3人そろって食事をしようということになる。主人公は「必ず出席するよ!」と約束するが……案の定ドタキャン。息子は悲しむ。そして、流れ星に願いをかけた「1日だけでいい。どうかパパがお酒を飲みませんように」。かくして主人公は……酒を飲めなくなった!

嘉村 酒を飲めなくなるというと……。

三葉 ええ。酒を口に含む。その瞬間です!この世のものとは思えぬ強烈な味とニオイが彼の脳細胞を刺激する!味蕾という味蕾が悲鳴を上げる!彼は酒を吐き出す!……なんて具合です。

嘉村 恐ろしい……。

三葉 しかも運の悪いことに、その日彼は非常に重要な接待に呼ばれていました。相手は大物。トチれば会社は倒産しかねない。いつもならグイグイ酒を飲み、さっさと酔っ払って陽気に場を盛り上げるところですが……今夜はその手が使えない。しかし、上司や同僚はそれを知らぬ。「さぁ、盛り上げろ!さぁ、笑わせろ!」と一同彼に熱いまなざしを向けている。額、腋の下、それから背中にじわっと嫌な汗が浮かぶ。彼がじっと押し黙っているせいで、妙な雰囲気になってくる。場が白ける。お客は徐々に不機嫌になる。「何だこれは!からかっているのか!?」といった顔です。彼は腹を決める。そしてシラフながら、酔っ払ったフリをして腹踊りを始めたのでした……。

嘉村 うーむ、地獄ですねぇ……。

三葉 とまぁこんな風に、「酒の飲み過ぎはよくない。しかし、酒が皆無でもこの世は上手くいかない」というエピソードを盛り込み、最終的には「お酒はほどほどに」というところに落とす。例えば、主人公が妻とヨリを戻して、2人でおいしく酒を飲むシーンで幕を閉じる、とか。

嘉村 なるほど。

三葉 これが、「案①」のアイデアです。


案②


嘉村 続いて、「案②」にまいりましょう。

三葉 はい。「案②」は、「『ライアー ライアー』 ~『アイドルの恋愛』編」です。


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嘉村 アイドルの恋愛……?

三葉 「現役アイドルの恋愛は是か否か」……無論、アイドルといっても人間です。恋愛だってしたければ、性欲だってあるに決まっている。恋愛を禁じるなんてナンセンスです。

嘉村 ええ。

三葉 しかしその一方で、「アイドルとは、ファンに対して『疑似恋愛』を提供するサービス業である」とも言える。したがって、アイドルの恋愛に対して、ファンが「裏切り行為だ!」と腹を立てるのもわからぬことではありません。

嘉村 まぁ……確かに。

三葉 つまり、「アイドルの恋愛」は善とも悪とも言いがたいものであり……そう!「『ライアー ライアー』をリスペクトした物語」のテーマになり得ると思うのです。

嘉村 なるほど。

三葉 ストーリーはこんな具合です。主人公は女性アイドル。彼女はキュートで、スタイルもよく、歌もダンスも上手い。性格だっていい。ところが1つ問題がある。すなわち……半年に1度は「熱愛発覚♡」と週刊誌を騒がせているのです。

嘉村 ほぉ。

三葉 ファンは「熱愛発覚♡」のたびに心に深い傷を負う。人生の虚しさを知る。Twitterやネット掲示板で荒れ狂う。

嘉村 ふむ。

三葉 主人公は、毎度申し訳ないと思う。これっきりにしようと誓う。しかし……彼女は16歳の寂しがり屋の女の子。若干メンヘラの気もある。素敵な人を見かけると、フラフラっと魅かれてしまうのです。

嘉村 ふーむ……。

三葉 そんなある日、主人公にとって初めての大規模ライブが決まる。ファンは歓喜する。そして願う「ライブまでの3か月間……せめてこの3か月間は、『熱愛発覚♡』となりませんように!」。かくして、主人公は恋愛ができなくなる。

嘉村 ふむふむ。

三葉 ファンが安寧な日々を送る一方、主人公は苦しみます。兎にも角にも寂しい。孤独は辛い。夜眠れなくなる。食欲が減って、げっそり痩せる。歌やダンスの練習に身が入らなくなる。新曲の作詞も上手くいかない。

嘉村 ほぉ……。

三葉 とまぁこんな風に、「アイドルが恋愛することで起きる問題」と「恋愛しないことで起きる問題」を描き、最終的には「アイドルだからといって、恋愛を禁じることはできぬ。しかし、絶対に秘密にしなければならない」という結論に落ち着く。これが「案②」のアイデアです。

嘉村 なるほど。

三葉 以上、「『ライアー ライアー』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!


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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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