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思い出した!私、百合だった!!|『マイ・ライフ』(2)

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テーマ発表!!


 前回に引き続き、映画「マイ・ライフ」をベースに新しい物語を妄想します。

※「マイ・ライフ」のストーリーなどについては、前回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 それではまいりましょう!

三葉 はい。

嘉村 「マイ・ライフ」は、有能なビジネスマンが末期ガンに冒されたことをきっかけに、それまでの人生で軽視していたものと向き合い、人間的な成長を遂げる物語ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……さて!どんな物語にしましょうか?


案①


三葉 まずは、「マイ・ライフ」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは前回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 したがって!


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三葉 ……と言えるでしょう。

嘉村 なるほど。

三葉 それでは、以上を踏まえて「案①」ですが……ズバリ!「『マイ・ライフ』 ~『優秀なJK』編」です。


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嘉村 優秀なJK!

三葉 ええ。「マイ・ライフ」の主人公は「アメリカの有能なビジネスマン」ですが、これを「日本の優秀なJK」に置き換えてみたらどうなるかなと思いまして。

嘉村 ふむふむ。

三葉 つまり、「マイ・ライフ」と比較すると以下のようになります。


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三葉 主人公の性質は、基本的に「マイ・ライフ」同様です。合理主義者で、学業やスポーツなど目の前のことに熱心に取り組んできた。一方、「感情」「友情、恋愛」「過去」はないがしろにしてしまっている。

嘉村 ふむ。

三葉 そんな彼女が……ある日、末期ガンと診断される!当然ショックを受けるでしょう。しかし、賢い彼女のことです。現実を受け入れるまでにそう時間はかからない。ところが、彼女の両親はそうはいかない。逆縁である。平然としていられるはずがない。藁をもすがる思いだ。彼らは、どこからか「不思議な力を持つ祈祷師」の情報を仕入れてきて、訪問するよう促す。合理主義者の主人公は「祈祷師だなんてアホ臭いことこの上ない」と思うが、両親があまりにも熱心なので致し方がなく訪れる。すると……祈祷師は主人公の顔を見ただけで、彼女の病状やら性格やらを言い当てた。主人公は驚く。続けて祈祷師曰く、「心の中のわだかまりを解消するのです。自分の心の声に耳を澄ましなさい」。

嘉村 ふむふむ。

三葉 「心の中のわだかまり」、そして「心の声」。何を言っているのかさっぱりわからぬ。……しかし、どうも気になる。これ以降、彼女は自分の「心」(感情、気持ち)に配慮するようになり、少しずつ「成長」していきます。

嘉村 なるほど。

三葉 例えば……彼女はそれまで、友だちとの付き合いを軽視していました。と言っても、友だちが嫌いなわけではありません。ただ、勉強やらスポーツやらを優先するとなかなか時間を確保できなかったのです。

嘉村 ふむ。

三葉 しかし祈祷師と会って以来、友だちと過ごす時間を大切にするようになる。他愛もない会話を交わしてみる。放課後にはみんなでファミレスに行き、「あー、ブタになる!どうしよー!」と悲鳴を上げながらパフェをパクついてみる。……なるほど、やってみると悪くない。というか、楽しい。友だちと一緒になってバカ笑いしながら、「私、いまメッチャJKらしいことをしているなぁ」と思う。

嘉村 ふむふむ。

三葉 また、ある日のこと……クラスのとある女子生徒が、自分に熱っぽい視線を向けていることに気づく。

嘉村 熱っぽい視線!

三葉 いや、じつはだいぶ前から気づいてはいたのです「潤んだ瞳に紅潮した頬。あれは、俗に言う『恋する女の顔』ってヤツなのではなかろうか」。しかし、主人公は慌ててかぶりを振る「いやいや!ないないない!私は女子で、向こうも女子。恋のはずがないって!」……と思っていたのですが、いま改めて考えると「うーむ!私は、これまで真面目一徹だった。処女だし。っていうか、誰かと付き合ったこともないし。つまり色恋沙汰に聡い方ではないけれど……そんな私でもわかる。あの子、私にホの字だわ……。それにしてもあの子、メッチャかわいいな。まつ毛は長いし、瞳はつぶらだし。胸は私より大きくて、ウエストは私より細いって……同じ女として完敗だわ。私が男だったら絶対惚れるだろうなぁ」とその時、主人公はふいに思い出す「あっ!」。

嘉村 ほぉ……一体何でしょう。

三葉 じつは彼女は、幼い頃から女の子が好きだったのです。彼女の初恋の人は幼稚園の女の先生だった。その次に好きになったのは、近所のお姉さん。しかし、いつの間にかそんなことはすっかり忘れ、クラスメイトが「あの男子がカッコいい」だの何だの話していてもちっとも関心を持てずにいまに至る。……そうか。私は女の子が好きだったんだ!

嘉村 おお!

三葉 とまぁこんな具合に、彼女はそれまでないがしろにしてきた「感情」、「友情、恋愛」、「過去、自分のルーツ」に向き合いきます。そして……やがて彼女は最期の時を迎える。17歳!短い人生だった。親や友だち、そして初めての恋人、じつに多くの人を悲しませることになった。もっともっと生きたかった。……が、嘆いても仕方がない。「私の人生、悪くなかったな」。彼女は死を受け入れ、そして永眠したのでした。……で、おしまいです。

嘉村 なるほど。


案②


嘉村 続いて、「案②」にまいりましょう。

三葉 はい。「案②」は、「『マイ・ライフ』 ~『有能なヤクザの親分』編」です。


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嘉村 今度はヤクザの親分!

三葉 ええ。まずは、「マイ・ライフ」との比較表をご覧ください。


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嘉村 なるほど。合理主義者で、仕事熱心で、目の前のことに一所懸命に生きてきた……基本的な性格設定は、「マイ・ライフ」や「案①」と同じですね。

三葉 その通りです。しかし、この主人公がそれまでないがしろにしてきたのは、「家庭」や「友情、恋愛」ではありません。「学校生活、勉強」です。

嘉村 ふむふむ。

三葉 すなわち……彼は幼い頃から悪のエリート街道を歩んできた。ちっちゃな頃から悪ガキで、15で不良と呼ばれた。

嘉村 「ギザギザハートの子守唄」のような主人公ですね。


三葉 中学校はおろか小学校も大して通うことなく、極道の道を歩み始めた。そんな彼は死を前にして、「オレも学校生活ってものを経験してみたかった!勉強ってヤツをやってみたかった!」と思う。そして、50歳を目の前に夜学に通い始めた。

嘉村 中年になろうとも、そして死を前にしようとも勉強に励む……立派ですね。人間、かくありたいものです。

三葉 ええ。しかし、そうは問屋が卸しません。何しろ彼はヤクザの親分です。子分が「危険すぎます」と反対する。「せめてボディガードをつけさせてください」。

嘉村 あー、なるほど。

三葉 彼は怒鳴る「バカヤロウ!オレは普通の学校生活を送りたいんだよ!」。「しかし、親分……」「オレは風早くんに憧れてるの!ボディガード付きの風早くんなんておかしいだろ!」「親分……そもそも小指のない風早くんって時点で無理がありますぜ」「うるせぇ!」。

嘉村 風早くん……あー、「君に届け」!


三葉 ええ。

嘉村 なるほど。風早くんは完璧男子。確かに憧れるのもわかりますが……。

三葉 一方、ライバルのヤクザも黙ってはいない。何をとち狂ったのか、泣く子も黙るあの親分が夜学に通い始めたという。しかも、警備は手薄だ。これは大きなチャンス!「ヤツのタマを取ってやるぜ!」ということで、ヒットマンを送り込む。しかし、主人公はその道のプロである。その眼力は伊達ではない。一瞬にして、転校生がヒットマンだと見抜く。

嘉村 ヒットマンは、わざわざ転校してきたのか……。

三葉 主人公はヒットマンを校舎裏に呼び出すと、「やるならステゴロだ。ドスもハジキもなしだぜ」。ヒットマンはポカンとして、「泣く子も黙るヤクザの親分さんがステゴロだって?どんな冗談だい?」「オレはいまヤクザでも何でもねぇ。ただの爽やかな高校生だ。風早なんだよ」「風早……?お前さんの名前は鈴木だろ?改名したのかい?」「うるせぇ!改名なんぞしてねぇよ!オレは鈴木だよ!だがな、風早でもあるんだよ」「ほぉ……複雑なんだな」「バカヤロウ!至ってシンプルだ」「何だかよくわからねぇが……つまり、本気でステゴロって言ってるんだな?」「ああ、高校生のケンカって言やぁ、ステゴロに決まってらぁ!」。

嘉村 あー、わかりましたよ。つまり「案②」はコメディだ!

三葉 まぁ……そうですね。

嘉村 ふむふむ。

三葉 とまぁそんな具合に、主人公はそれまでとは大きく異なる日々を過ごします。そして自分の人生に満足し、やがて永眠するのでした。……で、おしまいです。

嘉村 なるほど。

三葉 以上、「『マイ・ライフ』をリスペクトした物語」のアイデアをご紹介しました!


続きはこちら!!

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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