フォローしませんか?
シェア
おおぬき
2023年6月26日 23:30
いよいよ子供が生まれようとしたその時に、私に一つの疑問が浮かんだことがあった。それは「なんでひとは子供をつくるのか」という問いである。昔であれば農作業に人力が必要で子供を生めば労働力になるから、とか色々あろう。また「この子供を絶対に跡取りにする」などという親の思惑のもとで子供を産む、ということもある。まるっと言ってしまえば、子供を産まなければならない必要性みたいなものがあったのだ。他
2023年6月18日 06:11
男性からみた出産の何たるかというのは簡便に書くことができたので、当事者中の当事者である奥さんにいろいろQ&A形式で、興味本位で聞いてみた。――お産を終えての感想はありますか。「お産の経験は母子ともに健康だったせいもあると思うけど、経膣出産でよかったなと思う。でもやっていたときは腹を切ってほしいと思った。みんなお母さんはこれをやっていてすごいなとも思った。あと出てきたときに赤ちゃんが生きていた
2023年6月15日 12:45
ある日、午前4時ごろに突然目が覚めた。横で寝ていた奥さんの様子が気になり「どうしたの」と聞くと、陣痛が来たらしいとのことだった。陣痛は強烈に痛ければ該当するというものではなく、10分に1回くらいの規則的なお腹の痛みが1時間以上継続した時点で陣痛になる。ということは、奥さんは少なくとも午前3時ごろから痛みを感じていたという計算になる。病院に向かうためにタクシーを呼ぶのだが、いまでは陣痛タクシ
2023年6月12日 20:06
15週目に入るといわゆる「安定期」というものになる。本当に安定する人もあればつわりがおさまらない人もあり、個人差はあるらしい。もっとも、安定している時期とはいえ奥さんと話をしていると、心は安定しているとは言い難い。「おなかは大きいけど、赤ちゃんの心臓は動いているのかな」「きのう胎動らしきものはあったけど、きょうはなかったな」とか、ちょっとしたことが不安の引き金になる。かたや、男性は何も考え
2023年6月9日 12:43
そんなこんなで平穏な日々がこのまま過ぎるのかなあなどと思っていたら、ある時奥さんに出血があったらしい。病院に行くと「切迫流産」という診断だったという。「流産」という二文字は極めて不穏である。会社のパソコンで調べると「流産一歩手前の状態」とのことで、「えぇ!?」と動揺した私はその日、仕事を9割くらい残して帰宅した。もっとも、早く帰ってできることがあるわけではない。つまり私は実質的に仕事をサボっ
2023年6月6日 20:25
「ちょっと話がある」と切り出されたのは沖縄での新婚旅行から帰ってきた日だった。おもむろに奥さんは妊娠検査薬を持ち出し、妊娠したらしいことを教えてくれた。「おお…」「うおお…」などと意味のない言葉をつぶやきながら意味もなく奥さんの腹をさする。自分の撒いた種なのにいくばくか動揺しているのは極めて間抜けである。調べると赤ちゃんはまだゴマ粒くらいの大きさで、ちゃんと育つかどうかもわからないらしい。油