尾寺 桶(オデラ オケ)

観察者/26年生きてきた/毎日が余生

尾寺 桶(オデラ オケ)

観察者/26年生きてきた/毎日が余生

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芸術は良い。


【そう感じられることが無性に嬉しい】

明日、台場のギャラリーを覗く。

アート展覧会。入場無料。

いつだってぼんやりと世界を眺めることしかできない私は、
思わず自身を刺し殺すような刺激を得られるだろうか。



【気がつけば見たくないものに周りを囲まれてしまった私は、
あの日みつけた綺麗なものを思い出せるだろうか】

23:50。

あと10分で今日が終わる。
今日が過ぎると明日が来る。
瞬きの間に1日が始まる。

ふと目を閉じる。
意識的な深呼吸を繰り返して、
無意識の鼓動を聞く。

そんな胸に問う。



【今日はどんな1日だった?】

上ばかりを見つめるのは首が疲れるな。

かと言って、俯きつづけるのも苦しいもので。

後ろばかりを気にして歩くのも危険だろう。



【それなら、腹を括って前を向くほかないか】

始まりも終わりもない。

よせてはかえす波間を見つめる。

水平線に沈む彼に、おやすみ、と。



【そうして、抱えた膝に静かに唇をあてた】

私は今、勉強なるものをしている。

高校時代以来、実にn年振りのモーションである。
あの頃のように卓に向かい、教材を開き、レポート用紙にまとめる。
白の上で踊る字の格好は相変わらず捻くれたままだった。

右手に握ったシャープペンをコトリと置き、ぽつり。


【読めればいいのよ】

【随想】昭和35年。

祖父の若かりし頃を見た。 今ではなかなかお目に掛かることのないサイズの白黒写真。 昨今にはない空気感を漂わせるその中に祖父はあった。 寡黙で聡明な人だった。 鎌倉…

今日はもう寝る。


【明日から4連休】

私が殺しました。

ええ、そう。ここから。思いきり突き落としてしまいました。
落ちていく様はまるでスローモーションでした。
重力のまま、彼は地面に叩きつけられました。

飛び散る液体。バラバラに砕けた体。
そんな彼を見て、私は。



【ああ、コーヒー。淹れたばかりなのに。と】

帰り道を探していた。

頭上には星。風にゆられる錆びた電波塔。
地上には砂。地平線の彼方、さらにその先まで。

休むことなく歩き続けた。
身も心もとうの昔に風化した。

それでも私は歩き続けた。



【帰る場所などもうないというのに】

夜の向こうには朝がある。

冬の向こうには春がある。



【川の向こうには君がいる】

【独白】「僕たち、いつからこうも変わってしまったんだろう。

何も考えず時の流れるまま身を任せていただけのあの頃は、雪が降れば色めき立ち、少しでも積もれば大はしゃぎ。学校が早く終わった時には寒さも忘れて遊び呆けていたのにね…

葬式のような挙式をみた。

見渡す限り灰色。灰色。灰色。

悲嘆の涙と歓喜の声。



【それはまるでこの星のようだった、と】

【随想】家。

今年の恵方は東北東。 遅番明け。 奇しくも仏壇を臨んで頬張る。

昨日、入浴中に面白そうな謀を思いついた。

今日、それが一向に思い出せない。



【そうして、また夜を迎える】

【随想】上手く共存したいものです。

仕事がお休みの日は、「外」で作業している。 ちゃんと、文字通り、「外」である。 一言「外」と言っても、おしゃれなカフェ、街中のテラス席などを指す場合もあることだ…

明日、台場のギャラリーを覗く。

アート展覧会。入場無料。

いつだってぼんやりと世界を眺めることしかできない私は、
思わず自身を刺し殺すような刺激を得られるだろうか。



【気がつけば見たくないものに周りを囲まれてしまった私は、
あの日みつけた綺麗なものを思い出せるだろうか】

23:50。

あと10分で今日が終わる。
今日が過ぎると明日が来る。
瞬きの間に1日が始まる。

ふと目を閉じる。
意識的な深呼吸を繰り返して、
無意識の鼓動を聞く。

そんな胸に問う。



【今日はどんな1日だった?】

上ばかりを見つめるのは首が疲れるな。

かと言って、俯きつづけるのも苦しいもので。

後ろばかりを気にして歩くのも危険だろう。



【それなら、腹を括って前を向くほかないか】

始まりも終わりもない。

よせてはかえす波間を見つめる。

水平線に沈む彼に、おやすみ、と。



【そうして、抱えた膝に静かに唇をあてた】

私は今、勉強なるものをしている。

高校時代以来、実にn年振りのモーションである。
あの頃のように卓に向かい、教材を開き、レポート用紙にまとめる。
白の上で踊る字の格好は相変わらず捻くれたままだった。

右手に握ったシャープペンをコトリと置き、ぽつり。


【読めればいいのよ】

【随想】昭和35年。

【随想】昭和35年。

祖父の若かりし頃を見た。

今ではなかなかお目に掛かることのないサイズの白黒写真。
昨今にはない空気感を漂わせるその中に祖父はあった。

寡黙で聡明な人だった。
鎌倉学園を経て明治大学を出た人だと聞いている。

静かに煙草をふかす人だった。
幼稚園生の頃、2畳ほどの小さな自室の窓辺に立って
沢山の書籍に囲まれながら煙を吐くその姿が大好きだった。

会話らしい会話はした記憶がない。
それでも目が合え

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私が殺しました。

ええ、そう。ここから。思いきり突き落としてしまいました。
落ちていく様はまるでスローモーションでした。
重力のまま、彼は地面に叩きつけられました。

飛び散る液体。バラバラに砕けた体。
そんな彼を見て、私は。



【ああ、コーヒー。淹れたばかりなのに。と】

帰り道を探していた。

頭上には星。風にゆられる錆びた電波塔。
地上には砂。地平線の彼方、さらにその先まで。

休むことなく歩き続けた。
身も心もとうの昔に風化した。

それでも私は歩き続けた。



【帰る場所などもうないというのに】

夜の向こうには朝がある。

冬の向こうには春がある。



【川の向こうには君がいる】

【独白】「僕たち、いつからこうも変わってしまったんだろう。

【独白】「僕たち、いつからこうも変わってしまったんだろう。

何も考えず時の流れるまま身を任せていただけのあの頃は、雪が降れば色めき立ち、少しでも積もれば大はしゃぎ。学校が早く終わった時には寒さも忘れて遊び呆けていたのにね。

それこそ、朝起きて凍てつくような寒さを感じながら雨戸を開けた時、目が眩むほどの白を網膜に叩きつけられたあの高揚といったら! 鮮明に覚えているさ。降り積もった雪の一粒一粒を描きあらわせるくらいには。

葬式のような挙式をみた。

見渡す限り灰色。灰色。灰色。

悲嘆の涙と歓喜の声。



【それはまるでこの星のようだった、と】

昨日、入浴中に面白そうな謀を思いついた。

今日、それが一向に思い出せない。



【そうして、また夜を迎える】

【随想】上手く共存したいものです。

【随想】上手く共存したいものです。

仕事がお休みの日は、「外」で作業している。

ちゃんと、文字通り、「外」である。

一言「外」と言っても、おしゃれなカフェ、街中のテラス席などを指す場合もあることだろう。
しかし。私の言う「外」は、正真正銘「外」である。さらに言えばそう、「山」である。
この時期は寒い。風が冷たい。指が上手に動かないため誤字脱字のオンパレード。良いことなんて何一つない。いや、空気は澄んでいる。だろうか。わからないけ

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