新型コロナウイルス対策法案成立と企業に必要な対応

現在世間を騒がしている新型コロナウィルス、毎日多くのアップデートがあるため情報収集や対応に忙しくされている方も多いのでは無いでしょうか。また、先週あたりから多くの州で自宅待機命令が出され、オフィスワークがリモートワークに切り替わったために従業員の管理方法の見直しを図る、あるいはリモートワークが出来ない職種に与える休暇を有給・無給どちらにするのかを考えるなど、日頃とは異なる業務を行われている事かと存じます。

その様な中、先週18日にトランプ大統領から新型コロナウィルスに対する休暇に関する法律の発表がありましたので、簡単に情報共有をさせていただきます。(こちらは発表された当時の内容の一部を共有させていただくものであり、法的なアドバイスではありません。法的なアドバイスがご必要な場合は法律事務所にご相談ください)

Families First Coronavirus Response Act
この法律は500人未満の企業を対象に、2020年4月1日から12月31日まで有効となるEFMLEA(Emergency Family and Medical Leave Act)とEPSLA(Emergency Paid Sick Leave Act)という2つの休暇法が含まれ、大まかにはPublic Health Emergency (公衆衛生上の緊急事態)によって、通常勤務やリモートワークができない・ 18歳未満の子供の世話をしなくてはならない・ 学校/保育所が閉鎖となり子供の世話をしなくてはならないなどという従業員に対して、特別な有給/無給休暇を用意しなくてはならないというものになります。

EFMLEAに関しては、通常のFMLAの特別版の様なものとなっており、復職の権利を有しながら有給/無給休暇を取る事ができ、最初の10日間は無給、11日目以降は通常勤務時の給与2/3の支払義務があり(MAX$200/day)、支払上限の$10,000に到達した以降は無給となるといった休暇になります。なお、休暇使用はEFLMEAとFMLAを合わせて12週間まで可能となっています。

EPSLAは、COVID-19に感染して隔離命令を受けた・COVID-19への感染疑惑があり医療関係者から自主隔離を推奨された・ COVID-19の症状が出ているため医療診断に行く・ 隔離対象となった人の世話をする・ COVID-19予防のために子供が通う学校/保育所が閉鎖したために子供の世話が必要となった・ COVID-19に類似した症状があるなどの場合に使用できる特別病気休暇になります。

この休暇の使用上限はフルタイム従業員が80時間、パートタイムは通常時(2週間の平均)の勤務時間数となっており、支払金額の上限は隔離命令を受けた・医療機関から自主隔離を推奨された・医療検査を受ける場合は$511/日、総額上限は$5,110となっており、学校/保育所が閉鎖となり子供の世話をする必要がある場合は$200/日、総額上限は$2,000となっています。

なお、EPSLAは既存の有給休暇プログラムがあったとしても導入する必要があり、この休暇を導入する代わりに他の有給休暇日数を減らす事は禁止されています。(上述の情報は概要に留まります。詳細情報がご必要な場合は、お問い合わせください)

今後必要な対応
a) Families First CoronavirusResponse Act
 ・Notice配布 (今週中に政府のサイトから入手できる様になります)
 ・申請手順や方法の確立 (メールや申請システムの導入)
b) リモートワーク
 ・リモートワークに関するNoticeの配布
  (リモートワークを恒常的に取り入れるのであれば規定の作成も必要)
 ・勤務時間の管理 (Timesheetシステムなどの導入)
 ・従業員とのコミュニケーション方法の確立 (ZoomなどのTV電話システムの導入)

(2020年1号) 

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