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薦められて

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noterさんや娘のお薦め本を少しずつ読んでいます。
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大活字本を読んで

大活字本を読んで

社会福祉法人 埼玉福祉会さんの発行・印刷・製本による
吉村昭さんの「間宮林蔵」を読みました。
1行31字、1頁11行、<上>306頁・<中>347頁・<下>286頁からなる、とてもきれいな本でした。
おかげさまで気持ちよくスラスラと読み進められました。

1807年千島エトロフ島のオホーツク海沿岸から物語は始まります。

間宮林蔵は農家の子として生まれ、利発な子と言われていた。少年時代強い興味を示

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noterさんがお薦めくださった本

noterさんがお薦めくださった本

どのnoterさんの記事もあらすじや自分の考えが的確にわかりやすく書かれているのに、私は読み終えて何か書こうにも「わあすごいこんな世界もあるんだ!」くらいのことしか思い浮かばず、引用ばかりになり恥ずかしい限りです。
自分用の記録としてなのでお許しください。

「転がる検事に苔むさず」 直島翔・作
超一流と言われる弁護士事務所にスカウトされる久我検事がそれを断る場面。

「罪の声」 塩田武士・作

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全国の書店員さん絶賛、柚月裕子さんの本

全国の書店員さん絶賛、柚月裕子さんの本

検事の死命

 二十数年前夫の運転する車で交通事故に遭いました。直線の幹線道路の交差点を青信号に従い直進していた私たちの車が、横から入ってきた車に追突され(勿論加害車輌から見る信号は赤信号のはず)、助手席に座っていた私は救急搬送。
 検査の結果、幸いに打撲だけということでタクシーで帰宅、大したことはなくその後2、3回受診しただけで完治。

 但し車は全損、相手の保険会社とのやり取りがうまくいかず紛

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みくのしん

みくのしん

 表紙だけ見るとコミック本のようですが、これは実に不思議な本でした。

 「本を読んだことがない32歳が初めて本を読む」というタイトルで、いきなり太宰治「走れメロス」有島武郎「一房の葡萄」芥川龍之介「杜子春」などの古典名作と、webライター雨穴「本棚」を読み進めていくお話し。

 どれも国語の授業で読んだことがあるものばかりですが、正直にいうと私もあらすじをおぼろげに覚えているだけでした。

 と

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スカーレット・オハラにかぶれています

スカーレット・オハラにかぶれています

若い頃、映画「風と共に去りぬ」を観てレットバトラーの皮肉ぽい口元にただただうっとりしたことを覚えています。

そう言えばマーガレット・ミッチェルの名前も知っていながら原作を読んでいないと思い、図書館で借り6巻夢中で読みました。

このような館で大農園主の美しい娘スカーレット・オハラは溢れんばかりの魅力を振りまいていたようです。

農園主は綿花で財をなし、それらの労働は全て畑奴隷たちの仕事で、
奴隷

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書店員さんのお薦めを青空文庫で読んでしまい申し訳ない気がしましたが、面白い短編集でした。
太宰治の「逆行」です、noterの皆さんは本当にたくさんの本をご存知で、全てのあゆみがスローになっている今の私は、家事の合間に読んでいることもあり、追いつくのが大変ですが、毎日楽しいです。

蟻の菜園ーアントガーデンー

蟻の菜園ーアントガーデンー

著者 柚月裕子さんによると、南米に「蟻の菜園」と呼ばれる、蟻と植物の共依存という事象があるそうです。
蟻は樹木の上に巣を作り、巣にできた着生植物の果実を食糧にし、植物は蟻の廃棄物を栄養源にして生きているそうで、どちらが欠けても生きていけないそうです。

この物語は虐待されて育った姉と妹が罪を犯し、それを追っていたライターが、国も、自治体も、福祉も、身近にいた人間も彼女たちを救えず殺人犯になってしま

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初めて図書館の貸出延長をお願いしてやっと読み終えました。
柚月裕子さん「虎狼の血」広島弁が懐かしく(私、隣の岡山産なので)グイグイと読めました。
『きれいごとで暴力団と渡り合っていくことはできない、その結果ミイラ取りがミイラになる。』
正義・治安・法の遵守者たる警察官には感謝。

1967年直木賞受賞五木寛之さん「蒼ざめた馬を見よ」、この題名のかっこよさしか記憶になく、友人と金沢のご自宅まで押しかけ、外から台所の洗剤が見えて『私たちと同じ洗剤だね〜』と感激したことだけ覚えています、その頃からミーハー。
宮部みゆきさん「海神の裔」なかなか書けない話。

言わずと知れた松本清張さん「砂の器」、映画制作50周年と言うことで再読しました。
重要なことが都度書かれていて前を繰って読まずともすぐ話を追える。

大活字本を初めて目にしましたが、作者の構成の力は言うに及ばず、活字の大きさも相まって高齢者にはとても有難い本でした。

作者は免疫学者さん

作者は免疫学者さん

最近私の手に取る本は100パーセントnoterさんのお勧めです。

多田富雄さん 「からだの声をきく」

とっつきにくいもの、少しは私にもわかるものと26のエッセイからなっています。
私は文系だからと、理系のカタカナの言葉が少ししか分からないのにただ読み進めました。

本当に美しいもの、人間的なものを発見し、そこにひそむ美しいルールを発見してゆくためには、理科の勉強はとても大切である。哲学、社会学

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『砂の器』と木次線

『砂の器』と木次線

ずいぶん前に野村芳太郎監督の映画「砂の器」を、その後テレビでも別の役者さんが演じる「砂の器」も何度か観ました。

野村監督の「砂の器」は原作者の松本清張さんに自分の原作を超える映画だと言わしめたそうです。
映画化からちょうど50年の節目にロケ地である島根県松江市の出版社から発行されています。

家で仕事の話はあまりしなかった亡夫は長い間記録映画では監督として、劇映画にはチーフ助監督としてついていま

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淡々と書く

淡々と書く

noterさんのお薦めで
武田泰淳さんの「汝の母を!」を図書館にリクエストをしたら池澤夏樹選のこれが届きました。
二十人の有名作家さんが掲載されていて、まずは順番通り始めの「汝の母を!」から読み始め、次に井上ひさしさんの「父と暮らせば」。

室生犀星さんの「鮠の子」
川端康成さんの「片腕」

どちらも有名な作家さんですがこの歳になるまで読んだこともなく、今回初めて読む機会を得て感激しました。
読書

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リスペクト

リスペクト

手元にある学研「現代新国語辞典」改訂第三版 2002年4月1日初刷発行でリスペクトを引いても出てきません。

最近良く耳にするものの、いまひとつ意味がわからなかったのですが、「俺たちの箱根駅伝」を読みすとんと腑に落ちました。

  皆を信じ・敬い・ただ走る

読みやすく分かりやすく私には最適な本でした。

また生中継することは不可能と思われていた箱根駅伝を、千人ものスタッフが一糸乱れぬ取り組みで放

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