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《見たことをまとめるのが苦手なタイプ》のアセスメントとその支援の方法 その7 国語の支援の方法②

② 書字(板書をノートに書く)に、時間がかかる

  板書をノートに写すのに時間がかかるのには、4つの原因があります。

   ⑴見たことの入口(視覚的短期記憶)の容量が少ないので、覚えな
    いで書くからです。「その店に」を書くのに「そ」「の」「店」
   「に」と4回も見る子さえいます。何度も黒板を見ることになるの
   で、時間がかかるのです。
    (注…実際の場面では黒板とノートの間を絶えず視線が行き来して
        ている状態になります 首振り状態です)

   ⑵黒板が遠いところにあるので、見て覚えていても書くときには忘れ
    てしまうからです。これも、同じく平均タイプの子の何倍も黒板を
    見ることになります。
    (注…このように遠くのものを写すのは、基本学校だけです)

   ⑶漢字を覚えていないので、黒板に何を書いてあるのか分からない。

   ⑷手指を自由自在にコントロールできないから(不器用)

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  それぞれに対する支援を書きます。

   ⑴⑵対しては、言葉(聴覚認知)を使います。つまり、黒板を読んで
   声に出してから書く
のです。すると、聞く力の入口(聴覚短期記憶) 
   を使うので、忘れないで長い文が写せるのです。このやり方を勧める
   ときには、「覚えて」を使った方がいいでしょう。
     ➪「その店に行って、牛乳を買うつもりだ」と文を読んでから
       ノートに目をやって「その店に行って、牛乳を買うつもり
       だ」と言いながらノートを書きます
     ➪最終的には、声を出さないでやるように練習します 
   
    【参考】「覚えて」については、下記の記事参照

    【参考】「覚えて」を使った教え方については、下記の記事を参照

⑶漢字を「見て覚えにくい」ので、覚えていないだけです。前回の記事の①
 の漢字覚えるための方法を教えてあげましょう
   ➪一時期、個別に指導する必要があるでしょう

⑷不器用には、目と手の協応を訓練する必要があります。授業中では無理な
 ので、抜き出してやる必要があります。
   ➪基本的にはトランポリンを1日に1回5分を3回すると効果的
    です。
   ➪不器用がひどい場合は、作業療法士(市の教育委員会に採用されて
    いる または、病院)に見てもらって、訓練内容を考えてもらいま
    しょう。

 以上が支援する方法ですが、支援で育てるのがうまく行かないときは、仕方がないので配慮してあげましょう。次の4つの方法があります。

   ・書字するときには、時間を多めに取ってあげる
   ・板書と同じ内容のメモを机の上に置いてあげる
   ・個別に書く量を調節してあげる   
   ・授業をすべてワークシート方式(プリント書き込み)して、書く総
    量を減らしてあげる
   ・スマフォで写真を撮ることを認める
   ・パソコンで書くことを認める
 
 ここでは、板書をノートに書くことに特化して書きましたが、書字はそれだけではありません。例えば、テストのときに回答を書くときも文字を書きます。その時も、配慮が必要でしょう。

   ・解答欄を大きくする マス目をつける
   ・問題と解答欄を離さない 問題のあとにすぐ解答欄がある
   ・パソコンでテストをする
 
このように、困るたび配慮を考えていく必要があります。
         

「③ 音読はたどり読み 意味が取れない 行が跳ぶ」については《国語の支援の方法 その3》に書きます。

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