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《思考の柔軟性が弱いタイプ》のアセスメントとその支援の方法   その14 実例の細部から、支援の方法の本質を学ぶ-⑧ 朝会うと、抱きついてくる女の子

事例8 「おはよう」が《自分言葉》になっている

 
 5年生のHさんは、 朝、廊下で1年生のときの担任の男の先生に会うと、走ってきて「先生、大好き」と言いながら抱きついてくる。低学年のときは、かわいいので「まぁ、いいか」と思って「いつも、ありがとう。先生も好きだよ」と言っていた。さすが5年生になったので、やめて欲しいがやめてくれない。

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【解説】Hさんの抱きつきと「先生、大好き」は、《自分言葉》です。「先生、おはよう」と言っているだけです。低学年のときに修正しておかなかったので「これでいいんだ」と思って続けているのです。そのうち、他の先生や友達にもやり始めるかもしれません。
 高学年ですから、他の先生やクラスメイト、保護者からクレームが出てくることも、考えられます。

【セリフ】
Hさん「先生、大好き。」

先生「Hさん、いつもありがとう(「共感」)。でもね、Hさんは、『おは
  ようと』言いたいだけじゃないの(「想像」)?」

Hさん「・・・」 

先生「朝に会うと、普通は『大好き』じゃなく『おはよう』と言うんだよ
  (「覚えて」)。知ってた?」

Hさん「知らない。」

先生「そうでしょう。先生もどちらかというと『大好き』と抱きつかれるよ
  り『おはよう』の方が嬉しいな(「覚えて」)。」

Hさん「その方がいいいの?」

先生「だって、Hさんは大きくなったので急に抱きつかれたら、先生は倒れ
   てケガするかもし知れないよ(「覚えて」)。」

Hさん「分かった。」

先生「何が分かった?」

Hさん「これから、朝会ったら『おはよう』と言う。」

先生「よくできました。分かってくれて、先生嬉しいな(「共感」)。」



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