《思考の柔軟性が弱いタイプ》のアセスメントとその支援の方法 その9 実例の細部から、支援の方法の本質を学ぶ-③ 「これも、状態(事実)で要求してくる子ども」
事例3 《自分言葉》です。事実を言って、やっ
て欲しいこと要求しています
休み時間に先生が丸付けをしていると、Cさんが怖い顔をしてやってきた。
Cさん「◯◯さんが悪口を言ってくる。」
先生「それは嫌だね。『そんなこと言わんといて』と反対 に言い返ししてや
りな さい。」
とアドバイスしたら「違う」と急に泣き出した。
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【解説】Cさんは「○○さんを叱ってもらおう」と思って必死の思いで先生のところにやってきたのです。必死に頼んだのに、先生は「言い返しなさい」と言うだけで動いてくれなかった。だから「(私の願いと)違う」と泣き出したのです。
でも、Cさんは言葉で一言も叱って欲しいと頼んでいません。先生は、事実の報告を受けただけです。
仮に、これが叱って欲しいと分かっても、先生は動いてはいけません。頼まれてないのに、親切をしてはいけません。コミュニケーションを正さないと「これでいい」と思ったCさんは、事実を述べるだけで周りを動かそうとする「女王様」のようになります。例を書きます。
「トイレ」 ➪ トレイに行きたい
「おかずが多い」 ➪ おかずを減らして欲しい
「お茶」 ➪ お茶が飲みたい
「分からない」 ➪ 教えて欲しい
「じゃま」 ➪ どいて欲しい
「保健室が分からない」 ➪ 教えて欲しい
【セリフ】
先生「どうしたのCさん。そんなに怖い顔をして。何か嫌なことがあったよ
うですね(「想像」)。」
Cさん「○○さんが、私の悪口を言ってくる。」
先生「なんと言うんですか?」
Cさん「近づいたら、臭いって言う。」
先生「それは、嫌だね。腹が立つね(「共感」)。で、先生にどうして欲し
いのかな?」
Cさん「・・・」
先生「分かった。先生にCさんを叱って欲しいんだね(「想像」)。」
Cさん「○○さん、嫌い。」
先生「分かりました。〇〇さんにどうしてそんなことを言うのか、事情を聞
いてみましょう。だから、先生に『〇〇さんが悪口を言うので、助け
てください』と言ってください(「覚えて」)。そしたら、先生は
○○さんのところにお話しに行くからね。」
Cさん「〇〇さんが悪口を言うので助けてください(「すみません」)。」
先生「分かりました。〇〇さんはどこにいるのかな?あなたも一緒に来る?
それからね、これからも、困ったことがあったら先生に『助けて』と
頼みに来るのよ。分かった(「覚えて」)?」
Cさん「分かった。」
先生「『分かった』じゃなくて、こういうときは『分かりました』と言って
ください(「覚えて」)。」
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