見出し画像

これはとんだ優等生映画。映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」感想

Amazonプライムで鑑賞。

事前情報ゼロで鑑賞したんですけど、それが良かったのかもしれません。めちゃくちゃ面白かったです。

欠点のない優等生映画

本作は、良い意味で欠点がない稀有な作品です。
ストーリー・演出・作画、どれかが傑出してるいうよりは全てが高水準でまとまっている。
それが、この異例の高評価と口コミの拡大に繋がったんでしょう。

おどろおどろしさのある演出はもちろんのこと、激しく動き回るアクションシーンの作画も傑出の出来。
どことなく最近の「ONE PIECE」感ある表現だなーと思ってたらやっぱこれも東映アニメーションが作画してるんですね。

評判の良さが、週末興行収入ランキング11週連続トップ10入りというロングヒット、興行収入27億円突破という分かりやすい結果に表れていますよね。


絵柄は子供向けだけど、ストーリーは完全に大人向け

本作は一応テレビアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」第6シリーズ(2018〜2020)の前日譚という扱いのようで絵柄もファミリー向けな感じになっていますが、ストーリーは余裕の大人向けです。
なんならエグいシーンや愛憎を描くシーンも多く、ファミリー向け要素は全排除と言ってもいいでしょう。

個人的には、これが本作の成功の要因だと思っています。
元々水木しげる氏の原作自体結構ダークな部分も多いし、ファミリー向け映画を作る時どうしても「ドラえもん」とか「クレヨンしんちゃん」とかと基軸が似てきちゃうんですよね。

本作は、昭和の日本を舞台にしつつ血縁やジェンダーの問題と言った現代社会にも残る問題にタッチしながら、ベースには家族愛や仲間の絆という王道のテーマを仕込み、作品全体を大人向けに尖らせることでクオリティを引き上げている。

これは子供≒ファミリー層を切り捨てるという結構なギャンブルなんですけど、ちゃんとやり切って賭けに勝った感じですね。


誰もが楽しめる完璧な「第0話」

本作は、これまで何故か触れてこられなかった鬼太郎出生の秘密に迫るという完全なオリジナルストーリー。
鬼太郎誕生から70年が経つ訳ですが、彼の生前のストーリーって描かれたことなかったんですよね。よくもまあこんな美味しい素材が残ってたもんです。

本作を鑑賞するのに、事前知識はほぼ必要ありません。
唯一、鬼太郎の親は目玉の親父であることを知っていればOK。
このハードル、めちゃくちゃ低いと思います。
だって、1960年代から6回に渡ってアニメ化されている作品ですからね。
全世代への浸透度はおそらくドラえもん並みでしょう。

なんてったって、映画はエンタメですから。
基本、一番大事なのは誰でも楽しめることだと思うんですよ。
本作は鬼太郎について事前知識がほとんどなくても楽しめるし、ストーリーが理解できる年齢であれば殆どの人が高評価をつけると思う。
それぐらい、王道な映画に仕上がっているんですよ。

早くも配信が始まっているので、観るものがなくて悩んでいる方がいたら観てみることをオススメします。
目玉の親父が元々イケメンの愛妻家だったことに驚くこと間違いなしです。笑

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?