Jリーグ 観戦記|前向きな循環|2022年J1第33節 横浜FM vs 浦和
秋晴れの空から差す陽光が観客席を照らす。線香花火の瞬きのように、その表面が輝きを放つ。その青は彼方へと伸びる大海のようだ。日産スタジアム。この場所の壮大さに触れると、日々生まれるよどみのようなものも洗い流されるような気がする。
マリノスのサッカーは真水のようだ。体内の細胞を活性化させるほど冷たく、口へと運ぶ手も止まらない。眼にも鮮やかな青はその魅力を具現化している。水沼が作り出す幅が活路を開き、その上を喜田が闊歩する。十一人が一つとなり、構造体を織り成す。その姿は常に変化し、個人技に彩られて輝きが幾重にも増す。
浦和の守備陣とその背後への突進。攻撃の芽を摘む迅速なプレス。焦らすビルドアップ。そこに原則を見出した。そして、その原則を高みへと運ぼうとする個性も現れる。前向きな循環がそこにある。それを探し求める作業に終わりはない。
横浜FM 4-1 浦和
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