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雑記的なもの

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力を抜いて書いているものたち
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#エッセイ

習字、逡巡

お正月になると、字を習いたいなという気分になる。
きれいな字を書きたい。
いいことばを書きたい。
書家になりたいというのではない。
ただ自分が満足したい。

書きたいことばはたくさんあるのに、それをうつくしく書く技術がなく、ノートにことばを書き写しても時折自分の字のバランスの悪さに納得がいかず、しかしそれを是正もできず、何度書いてもやはり同じように不格好に見えて、気に入らなくてなんだかなと燻るとき

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浄化

先日、私が敬愛するアーティストのライブ配信があったのだが、例のごとくしばらく余韻に浸っている。前にもライブの度に同じようなことを書いているが、今回も書いてしまう。

今年はいろんな感情の波にのまれすぎて、感覚がすっかり麻痺しきってしまい、いつもならあるはずのそわそわやわくわくさえあまり湧いてこないまま当日になった。楽しみは楽しみだったのだが、どこかぶ厚いガラスのようなもので遮られている楽しみであっ

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向いているとか、いないとか

仕事でも社会生活でも生きていくことについても、今やっていることが向いているとかいないとか考えだすと、たいへん苦しい気がする。

向いているってどういうことなのか。苦痛を感じずに物事を進めることができる、ということなのか、楽々とうまくできるということなのか、自らもしくは誰かの要望に応えられるということなのか。そのどれもを満たすことなのか。それならば確実に向いていない。こんな自分に向いていることなんて

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先日、平地でも一面に雪が降った。
そのせいかはわからないが、その日は一日不思議な気分だった。
雪の降る速度と同じような感じですべての物事を受け止めることができて、気持ちがアップでもダウンでもなく、落ち着いていて、それはneutralでcalmといった感じで、とても珍しかったのだが、次の日になってみればそれは雪同様に跡形もなく消えてしまった。
あれは何だったのだろう。
あのような日がまたあればいいと

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アップルパイの話

りんごの豊富な季節になってきた。

果物全般そうなのだが、いつも買うか迷う。ビタミン摂取にはちょうど良いのだけれども、ひと袋を買うのは少し多いなと思って躊躇してしまう。1個立派なものを買うのも、それはそれで気が引ける。

りんごといえばアップルパイが好きなので、生で食べるのに多いなら余りで作ればいいのだけれども、そして作って作れないことはないのだが、これまでどうにもアップルパイは作る気になれなかっ

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甘いカフェオレ

事務室の近くに飲み物のベンダーがあるのだが(紙コップに出てくるタイプ)、今日の残業の休憩時に久々に甘いカフェオレを買うことにした。

ホットのカフェオレの表示のところに、ポップみたいなのがついていて、「人気商品!」となっているので、思わず笑ってしまった。

糖分、カフェイン、温かさ。

このカフェオレには、疲れた、よし、気合を入れよう!と思うときに必要なものが全部揃っている。皆さん、ほんとお疲れだ

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抜け殻遊び

昨日は散歩中に蝉の抜け殻を見つけて、小一時間眺めて過ごした。
昔から蝉の抜け殻が好きだ。

生きた昆虫は、眺めているのは好きだが、少しこわい。生きていることが、こわい。
触れるのは平気なのだが、持っているのがこわい。動くものであることがこわい。飛んだり跳ねたりもがいたり、とにかく意思がある。掴んでいる間にじわじわと恐ろしくなってきて、手放してしまう。
標本も結構こわい。かつて動いていたものであるこ

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note凡例、それから。

自分のしている行為の意味をときどき考える。
私のnoteの使い方についてだんだんかたまってきたような気がするのでちょっとまとめておこうと思う。

・スキ…ごちそうさまでした
・個別メッセージ…手紙
・サポート…切手代+気持ち
・オススメ…これ好き、おいしいと思ったから食べてみて、というおすそわけ。
・noteの投稿…基本的には自分の家でつくるごはんみたいなもので、あまり人様の好みなどは考えていない

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食べごろ

ずっと気になっていた本がある。

絶対読むべきで、読まなきゃいけなくて、おそらく知りたいはずの何かが確実にある、と、分かっている本。
本(とくにロングセラーじゃないもの)は出会ってピンときたら買っておかないとすぐ棚から消えるので、買ってだけはあった本。

でも、ずっとずっと開けなかった本。

敬遠していたというのではない。
苦手というのでもない。
栄養満点、食べたら絶対おいしいものだというのはわか

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愛される、についての雑感

最近わかってきたことがあって、世の中には、「好きであるなら、時間、視線、意識、関心、労力、お金、気持ちなど、持てるすべてを相手に捧げるべきであって、それらを自分に優先的に向けさせることがすなわち自分を愛してもらうことだ」と考える人たちがいる。

そして、それがエスカレートして、人がその人ではないなにかに興味を持っていることに気づいたとき、なぜこっちを向かないのか、こっちを見ろ、と、強烈に相手に詰め

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Nとズッキーニ

夏は食べることが億劫になる。

適当に切った生野菜と、焼いただけの野菜と、冷奴、ナスとみょうがの味噌汁。夜に食べる気がするのは、そんなのくらい。白米も食べる気がしないから米が減らない。

お昼は前は学食に行っていたのだけど、最近はなにもピンとこなくて、おにぎり1つくらい買ってもう満足してしまう。

特段暑いわけでもないのに、今年は梅雨明けも遅いのに、こうも食べる気力を失うのはなんだろうか、と思って

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外に引きこもる

今日は、晴れそうだから山に行く。

最近多少階段で筋トレしているとはいえ、まだ全然体力ついていないので、山頂を目指すのじゃなく序盤にある滝を見に行く程度。2時間くらいのトレッキングの予定。

滝はいい。ずっと見ていられる。全体を見ていてもいいし、流れる水のひとかたまりの飛沫に注目して行く先を追うのも楽しい。

この間、蛍を見に行った。あじさいも見に行った。
ああいうのも、いつまでも見ていられる。何

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振り返り

最近我が身を振り返って、良くないなぁ、と思った。
もっとよく噛んでゆっくり味わって食べなきゃだめだ。

なにをかというと、ことばの話。

ことばはこころのたべものだと思う。
であるなら、こころのためには、ゆっくり食べなければ。一文字ずつ、丁寧に。

最近はあれこれ次から次に口に入れて、がつがつと早食いしているようで、よくない。
これはお行儀がよくない。
早食いは消化不良をおこす。
いけないいけない

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枝豆ノスタルジー

7月8月といえば、ナスにトマトにきゅうりにとうもろこしに、カラフルな夏野菜がいろいろ出て、ほぼ食べるものは野菜か豆腐かで生きてる時期なのだけど、この時期の記憶にある中での特別なたべものと言ったらやっぱり枝豆、そしてずんだのぼた餅。

ぼた餅って、じつはものすごく作るのが手間だ。たくさん作るのでなければやってられないくらい面倒。ハレのたべものなだけある。
昔、ばぁちゃん家に世話になっていた頃、夏に人

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