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2020年7月の記事一覧

シロウトの文章術

シロウトの文章術

「読みやすい文章とは、いったいどういうものなのだろう」

ぼくがそういうことを考えるようになったのはごく最近である。

このnoteを書き始めてからのことだ。

おサケにたとえるなら「のど越しよくスッと入ってくる」ような文章。ラクに読めて、ぱっとアタマに入るような文章を書くにはどうすればいいのだろう。

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世の中には読みやすい文章があふれている。

ネットニュースには、読みやすい文章ばかり

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他国の人の考え方を理解するのはなかなかむずかしい

学生のころ、旧ソビエトの映画監督 アンドレイ・タルコフスキーの作品に熱中していた時期がある。

数十分におよぶ長まわしと、映像詩的な作風でしられる作家だ。

『ノスタルジア』をはじめて見たときはまさに腰をぬかした。80-90年代にそういう経験をした人はけっこういたと思う。

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いまでももちろんスキなのだが、当時にくらべれば、ややわりびいて評価している。

その後、さまざまなロシア監督の作品

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高倉健やブルースリーのように勝つ

ぼくが少年だったころの週刊少年ジャンプは、みんな読んでいるイメージだった。

ぼくも、一時期周囲の雰囲気に押されて読んでいたが、もうひとつ入り込めない。

ジャンプは「友情・努力・勝利」だそうだが、「おれが勝つ!おれが勝つ!」というヤツがどうもしっくりこない。ただし好みの問題であり、けなしているつもりはない。

とはいえ、マガジンにもなじめない。

そういう消去法で週刊少年サンデーに流れついた無気

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モノの見方にぜったいなどというものはない

昨日も書いたように(「ポップへの違和感」)、時代小説を読みふけっていると、これまで自分にとってごく当たり前だった世界をすこし距離を置いて眺められるようになる。

藤沢周平作品を読んでいて生じる現代への違和感を一言で表すなら、たぶん失われつつある「高潔さ」ということになりそうだ。

しかし、われながらおどろきである。こんなレイドバックした人間が高潔さについて語るとは...。やはりモノの見方にはぜった

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中年男性には一瞬のニヤニヤ笑いも許されない

「90年代ジャージ」というものがある。

まあ、ぼくが勝手にそう呼んでいただけなのだが、ためしにGoogle検索してみると"90年代ジャージ"でちゃんとヒットする。

長野オリンピック前後にはやった型で、袖口と裾がキュッと締まっているのが特徴だ。

沖田修一監督の『南極料理人』の中で、隊員が着ている。

この作品は1997年という設定なのだそうだ。芸が細かい。

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ぼくも90年代ジャージを

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カラテカから学んだこと

高校時代に「カラテカ」というファミコンゲームに凝っていた。

どちらかといえばクソゲーである。

空手家どうしが対決を繰り返すだけの単純なゲームで、スーパーマリオのような凝った展開もない。

洋ゲー(欧米で開発されたゲーム)のハシリでもあり、試合前のおじぎがいかにも欧米風でぎこちなくて好きだった。

ところで、ぼくはこのゲームをクリアするのに2年もかかっている。

どうしてもクリアできないポイント

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1人のジーコを生む

もうずいぶん前のことだけど、韓国人の友人から「ミヤザキアニメはすばらしい!」と言われたことがある。しかし同時に「日本にはなぜあれほどたくさんのエロアニメがあるのか」と苦笑交じりで聞かれた。

ぼくの答えはこうである。

「ブラジルサッカーを見ろ。ジーコ1人を生み出すためにジーコになれなかったプレーヤーが何万人もいる。同じく一人のミヤザキを生み出すためには、膨大なエロアニメが必要なんだ。」

おもい

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アリの巣の記憶

大学の二回生の初夏のころ、あらゆることに疲れ果てて、八方ふさがりになったことがある。学業もバイトも人間関係も、なにもかもがうまくいかず完全に参っていた。

そんなある日の午後、裏庭に出て直射日光を受けながら地面にしゃがみこんでアリの巣をみていた。

二十歳そこそこの男の子が地面にしゃがみこんでアリの巣をじっと眺めている姿はやや病的だ。

ただしそれから数分経過したところで、気づくと、ぼくの気力と体

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真剣勝負

言い訳がきらいである。

「言い訳をするな」といつも自分に言い聞かせている。

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たとえば、どこかのパーティで予期せぬスピーチの役が回ってきたとしよう。

自分よりもエラいお歴々が出席している中で、どういうわけだか、そうなってしまうことはある。

そこでデレデレと登壇して「私のような若輩ものがみなさまをさしおきましてまことに恐縮ではございますが・・・」などと切り出すようになったら人生オシマ

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コンテンツは爪である

コンテンツって独り立ちしますよね。

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今から1年半ほどまえ、ブログを始める前にちょっとした実験をやった。

SNSというものの感覚をつかみたくて、YouTubeに動画をアップしてみたのである。といってもユーチューバー的なものではない。

名作映画にもかかわらずいっさいデジタル化されていない作品というのがある。そういうものをVHSからデジタルに変換して上げてみた。

デジタル化してほしいと

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ジャッキーチェンはなぜか洋画扱い

ぼくの少年時代、すなわち80年代は「映画といえば洋画」だった。

スピルバーグ、ルーカスが絶好調で、スターウォーズ、E.T.、バックトゥザフューチャー、インディジョーンズなどなど。ランボーもいればロッキーもいて、ターミネーターもジェイソンも暴れまわっていた。

一方の邦画には寅さんしかいない。差は歴然としていた。

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それが邦画いつのまにか息を吹き返していた。『踊る大捜査線 the mov

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