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社会

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2021年1月の記事一覧

コウモリの一族

コウモリの一族

こどものころ、ぼくがはじめて友だちになったのは向かいの家に住んでいた同い年のタカシ君だ。運動もできるがちょっと気が強くて自分勝手なところもあった。

それで中学の時にいろいろもめごとをおこして、同級生のあいだで「タカシを無視しよう」というような話が持ち上がったことがある。

それを言い出した奴もじつはタカシという名前であり、しかも同じ町内に住んでいる同じく幼なじみのタカシだったので話がややこしい。

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大きな間違いほど見えにくい

大きな間違いほど見えにくい

世の中ってほんとにわからない。

おどろくほど困難で悲惨な人生を歩む人もいれば、逆にあきれるほどのイージーモードですいすい世間を渡っていく人もいる。

人生の難易度は、ものすごーくムラがある。

先進国と、途上国で生まれた場合の格差を考えてみればだれでもすぐに納得できることだ。

ただし、それに不平を唱えたいわけじゃなくて、いろいろ考えてみると実に不思議でおもしろいという話をしたい。

たとえばキ

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お祭り騒ぎとは承認欲求だとおもう

お祭り騒ぎとは承認欲求だとおもう

以前にも書いたことがあるけど、ぼくはお祭り騒ぎが割と苦手である。

こどものころはそうでもなかったけど、長じるにつれてだんだんこうなってきた。「子供のころモチまきに行って、エキサイトするオトナに足を踏んづけられて幻滅した」などという体験を書いたことがあるが、そういったことの積み重ねの結果だろう。

だが、その後いろいろ考えているうちに、お祭り騒ぎというのはけっきょくは承認欲求なのではないかという考

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いまサーカスはたいへんだろうなあ

いまサーカスはたいへんだろうなあ

人がオモテを出歩かない社会になって、良くなったか悪くなったかというと個人的には快適になった。

そんなことを考えいるときに、テレビに「木の下サーカス」映っているのをちらっと見た。妻がテレビを見ている後ろを一瞬通っただけなので、詳しいことはまったくわからない。

ぼくは昨日も今日も明日もテレビどころではなくて、じつは明日noteを書けるかどうかもわからない。今日は書いたけど、これが明日に響くかもしれ

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「日本人の3人に1人は日本語が読めない」

「日本人の3人に1人は日本語が読めない」

Twitterでもnoteでも、ぼくの文章はそれほどたくさんの人に読まれているわけではないけど、それでもたまに「アレっ」という反応をもらうことがある。「そういうことは書いてないはずなんだけど、誤読されたかな?」と思う。

それで、なるべく誤解されないように、できるだけわかりやすく書こうと試みる。しかし、たとえばこの上の4行をこれ以上わかりやすく書くことはできるのだろうか。今読み返してみた感じでは、

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この国にはもっといろんな意見があったほうがいい

この国にはもっといろんな意見があったほうがいい

この国にはもっといろんな意見があったほうがいい。ただし、日本と諸外国は分けて考えたい。この点が今日言いたいことです。

ひとくちに諸外国と言ったってアフリカ、南米、北米、ヨーロッパ、中東などいろいろあるわけだけど、日本ほど同調圧力の強い国はなかなかない。

極東諸国はやや日本に近いように見えるが、韓国も台湾もここまでではない様子だ。日本の同調圧力はある意味「世界の極北」にあると言ってもおかしくない

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日本語の民主化

日本語の民主化

先日DVDでNHKスペシャル『日本海軍400時間の証言』(全3回)というのを見たんだけど、今日はそれについては語らない。

すぐれた番組だがとても重い話なのでおいそれとは語れないし、400時間の証言を残しているのは士官様ばかりなので一方的だ。

現場の一兵卒の声は、同じくNHKスペシャルの「証言記録 兵士たちの戦争」というシリーズに収録されている。いまこちらのほうを見ているので、全部見終わったらな

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信頼できるジャーナリズムはどういう感じか?

信頼できるジャーナリズムはどういう感じか?

本物は地味だ。

『スラムダンク』の桜木花道だってさかんに「キソ、キソ」と言うけど、どんな世界にも"基礎"があって"応用"がある。バスケなら、スラムダンクを決める前にパスやドリブルをいやほど練習しなければならない。基礎は地味でたいくつなものである。

これはスポーツだけでなく、宗教にもビジネスにもダイエットにも語学にもあてはまる。

「寝ているだけでダイエットできますよ~」とか「聴いているだけで英

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陰謀論は骨董品みたいなもの

陰謀論は骨董品みたいなもの

『メン・イン・ブラック』(97)は、エイリアンから地球を守る秘密組織(MIB)の活躍をえがいたコメディー映画である。

そもそも「エイリアンがいるのかどうか」「そういった勢力から地球をひそかに守る組織があるのかどうか」などいろいろ引っかかるわけだが、この映画は、陰謀論をアタマから全肯定してかかることで笑わせるというやり方だった。

うろ覚えだけど、次のようなシーンがあった。

主人公のエージェント

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NHKスペシャル『海上自衛隊はこうして生まれた ~ 全容を明かす機密文書~』(2002)

NHKスペシャル『海上自衛隊はこうして生まれた ~ 全容を明かす機密文書~』(2002)

ぼくはもともと劇映画が好きだが、最近はドキュメンタリーに凝っている。とりわけ「NHKスペシャル」に凝っている。

過去のすぐれたNHKスペシャルはDVD化されていて、オンラインレンタルなどで簡単に見ることができる。今日までに次の作品を見た。

・『MEGAQUAKE(巨大地震)Ⅱ 』全3回
・『首都水没』
・『深層崩壊が日本を襲う』
・『海上自衛隊はこうして生まれた ~ 全容を明かす機密文書~』

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雷が近づいているときに木の下にいるのはキケンだ

雷が近づいているときに木の下にいるのはキケンだ

世の中にはひとりひとりが自分で体験しなければ済まないことと、だれか一人がやれば済むことがある。たとえば、スカイダイビングというのはいくら人の話をきいてもあまり意味はなく、自分で落ちてみなければわからないことだ。ぼくはやったことないけど。。。

一方、ガリレオがピサの斜塔から鉄球を落としたのはあれ1回で十分である。残りの人類は教科書を読めば足りる。成人式にみなで鉄球を落とさなければならないということ

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自虐ネタと他虐ネタ

自虐ネタと他虐ネタ

東日本大震災のころ小学校3年生だったこどもたちが今年成人式を迎えたそうだ。そのようすがNHKで紹介されていた。

新成人を迎えた一人の男性が当時をふりかえり、「こどもだったのでなにもわからなかったけれど、避難所ではバカなことをしてまわりを笑わせようといつも考えていた」と思い出を語っていた。

小学生だった彼がおかしな格好をしているところをとらえたスナップショットが紹介された。自虐ネタとまでは言えな

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平和を保ちたければ、映画や食べ物について語るしかないのだろうか?

平和を保ちたければ、映画や食べ物について語るしかないのだろうか?

こないだから書こう書こうと思っていてのびのびになっていることが2つあってひとつはVR(仮想現実)。

もうひとつは、SNSについて感じていることだ。

SNSには、ぼくが苦手な界隈がある。今日はそれについて考えてみたい。

***

さて、SNSでぼくが苦手な界隈は、しょっちゅうケンカしている界隈である。

そうした場所では、往々にして政治やイデオロギーが語られる。これはSNSにかぎらず、リアルで

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「みすぼらしいコスチューム」について

「みすぼらしいコスチューム」について

リベラル寄りの人でフェラーリに乗っている人を見たことがない。

ぼくのイメージするクルマ好きの人は、だいたい安倍さん支持で、産経新聞を愛読している感じだ(イメージと書いたけど実話を含む)。

一方で「クルマというのは移動手段なんだ」という話はリベラル系の人から何回も聞いたことがある。じつは、ぼくも似たようなことを思っている。

ただし、これは偏見かもしれない。政治的な姿勢とフェラーリは関係ないのか

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