胡蝶
もう夏だしそれもいいかも
一足早く季節を口にした君の
その手の届かぬ切りたての髪
つけてみると思ったより大きい
ペパーミントグリーンのバレッタが
蝶の出で立ちを彩って
秒針とぜんまいの共創が響く
部屋の片隅にて
密かに不思議に揃うのは
デジタル数字
僅かにずれるのは
月を隠したカーテンの
ハナミズキ模様
あえかな夜風に揺れる
解いた髪と共に
今日の夕刻は艶やかでしたか
君の景色が鮮やかであれば
私はそれで
一人でここで
うっとりと
夜を食む
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