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40代トランスジェンダーの悩みの種類

僕は女から男に性別を変えて生きているFTMトランスジェンダー。鈴木優希。
仕事は、地元名古屋で同じlgbtqの性別に違和感を抱えている子たちを主に雇用して飲食店を経営して今年で17年になる。

24年前に飛び込んだこの世界。
雇われていたスタッフ時代から経営者になって16年が経ち17年目に入った。

この世界の常識だけでなく、法律や税金のことも知らず、最初は失敗だらけの日々。
失敗のひとつひとつの「痛み」から学び、今に至る。

人を雇うということには今なお、悩みながらいる。

ただ、言えるのは「経験」から学び、学ぶと強くなるということ。

昔なら、落ち込んでいたことも
今は、「そんなこともあるか」となる。

夢を見る気持ち、期待する気持ちももちろんあるけど、ある程度「現実」というものが見えてきた40代。

若い頃は性別違和・恋愛・友達が全てだった悩み事も種類が変わってきた。

主には仕事のことだけど、そこに家族のことも入ってきたのはいつからだろう。

いつまでも気持ちは子どもの頃のままの感覚でいたけど、
元気だったおばあちゃんは100歳になった。
お父さんはおじいちゃんが亡くなった歳を超えた。
お母さんは、長く入院中。
兄弟は、姉と弟がいるけど、みんなそれぞれに自由でケンカをするまでもないこの関係性は「無」を感じてしまう。
自由といえば聞こえは良いけど、家族の問題に対して「行動」を感じることもないから少し寂しくなってしまう。

今後のこと

大黒柱の父親にもしものことがあった時、この家族はどうなってしまうのかな。

100歳のおばあちゃんがポツリと言った。

古くなった実家のこと。
母のこと。
仏壇のこと。
お墓のこと。
こんなことを考える時が来るなんて思ってもみなかった。

でも、ひとつハッキリしてるのは大切に思うからこそ「悩む」んだ。

次女は次男で長男ではない

生まれた時は次女だった。
戸籍を男に変えたら長男になる...
ことはなかった。

7つ下の弟が長男で、僕は次男になった。

確かに、僕の性同一性障害は弟には関係ないから、繰り上がったりすることはないか笑

年上であるが、長男ではない立ち位置に家族の問題の中で、どの立場で話をしたら良いのかわからずいて、その辺りも僕のコンプレックスになっているのかもしれない。

父親はどうして欲しいのか?


希望さえ聞いておけば、考えておくことも出来るかなぁと。
その気持ちを父親に伝えてみると...

それは意外な一言だった。

「考えたこともない」

「そんなこと、そうなってから兄弟で考えろ」
しまいには、「俺が決めることなのか?」

兄弟が「無」だからこそ、不安なのにと僕は思った。

けど、父親の思いは
「お姉ちゃんも弟も仕事で毎日忙しい。
俺は迷惑をかけない。母さんのことは俺が面倒みる。子供は健康でいてくれたらそれでいい。」

「今そんなことを考えなくても良いんだ」という親の気持ちも理解した。

が、子供である僕の気持ちは...

考えている自分がとてもバカバカしく思えた。

それぞれが自分勝手でいいのか?


ダメだと思っていたけど、最終的にはそれで良いのかもしれない。

自分の人生だから。

だから僕は決めた。

自分が大切なものを大切にするのみ!

兄弟も何も関係なく、
僕はこれまで通りお母さんとおばあちゃんファーストでやっていく。

仕事も大切な人のことも、ただひたすらに自分の為にやっていく。

人の為にも違う。全て自分のためなんだ。

先日、母の病院に行った時のこと。
看護師さんに「大変だねー偉いねー」と声をかけられた。
シンとした病室で誰かに声をかけてもらうのはとても嬉しいけど、少し中身が違うのは

僕はコロナで会えなかった時期も長くあったから、やっと顔を見れる!と喜んできているから側からみたら大変に映っても大変ではない。

自己満足。

母が今の状態になった時に大きな後悔があった。
あの時こうしてたら...
今ならもっとあんなことやこんなこと...してあげれたのに...

もう遅い。時は戻らない。

あんな後悔は二度としたくない。
だから、僕はやれることをやる!と決めた。
全ては後悔したくない自分の為。

その気持ちを人と比べても、巻き込んでもダメなんだと気付いた。

人生の中で同じことが起きても、感じ方は人それぞれであり、正解はない。

人生は、自己満足。
自分が良い!と思えばそれが正解。

僕は元々考え込んでしまう性格だけど、あまり悩まずやりたいことをやろうと決めた。

そう。全ては自分の為に。
それで良いんだと理想とはかけ離れた寂しさから学んだ家族会議だった。

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