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#清少納言

枕草子 第68話小白河といふ所は(9)

枕草子 第68話小白河といふ所は(9)

清少納言先生:それでは、最後までお願いします。
舞夢    :了解しました。

今回の八講の初めから、そのまま終わる日まで毎日立てかけていた女車がありました。
しかし、誰もその女車に近寄ろうとはしません。
この毎日全て来ている女車が、予想外で絵に描いたような日々を過ごしているので、貴くも素晴らしく、奥ゆかしくも思われます。
どういう人なのか、どうにかして素性を知りたいと、権中納言は人にお尋ねになっ

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枕草子 第66話小白河といふ所は(7)

枕草子 第66話小白河といふ所は(7)

清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢    :了解しました。

藤大納言が誰よりも熱心にのぞき込まれ、「何といわれたのか」とおっしゃられたようです。
すると、三位の中将が「本当に素直な木を無理やり曲げたようですよ」と申し上げると、藤大納言がお笑いになります。
居合わせたものが、つられて笑う声が女車まで聞こえたのでしょうか。
中納言が「それで、呼び出される前はどうでしたか?これは書きなおしたのも

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枕草子 第65話小白河といふ所は(6)

枕草子 第65話小白河といふ所は(6)

清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢    :了解しました。

返事をもらったのでしょうか、使いの者が少し歩き出すと、扇を差し出され女車に呼び戻しているので、返事の歌などの文字を間違えた時ぐらいには、こうして呼び戻すのだろうと思います。
それにしても長い間待たせて自然に浮かんだはずの歌であるならば、直す必要もないと思うのですが。
使いの者がこちらに戻って来る間も、「どうでしたか、どうでしたか」

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枕草子 第64話小白河といふ所は(5)

枕草子 第64話小白河といふ所は(5)

清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢    :了解しました。

遅れてきた女車が、その車を立てる場所もなかったので、池に近づけて立ててあるのを、中納言の君がご覧になって、実方の君に「あいさつの言葉を、この場で上手に言えるような者を一人お願いします」と言い、使いの者を通じて御呼びになると、どういう人かわからないけれど、実方の君が御選びになり、連れて来られました。
「さて、どのような言い方がよろし

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枕草子 第63話小白河といふ所は(4)

枕草子 第63話小白河といふ所は(4)

清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢    :了解しました。

義懐《よしちか》の中納言のご様子が、いつもにもまして秀れてお見えになるのは、言い尽くせない程です。
他の人が装束の色合いが明るく、その明るさも本当に引き立っているので、その中で誰が特に秀でているとも言えないけれど、皆が着ている帷子の中で、義懐中納言が帷子抜きで直衣一枚だけを着たようで、いつも立ててある女車の方に視線をやりながら、何

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枕草子 第52話びろう毛は

枕草子 第52話びろう毛は

清少納言先生:今日は、車の話です。
舞夢    :それでは、現代語訳します。

びろう毛の車はゆっくり堂々と進めていくのがふさわしい。
いそがしく進むのは、悪く(恥ずかしく)見える。
そのかわり網代車は(さっそうと)走らせているのがよい。
人の屋敷の門前を通過する時などは、ほとんど眼を向ける間もなく行ってしまうので、従者の走る姿を見て、車の主を誰かと想像するのが面白い。
(だから)ゆるゆると時間を

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枕草子 第50話心ゆくもの(1)

枕草子 第50話心ゆくもの(1)

清少納言先生:今日は、心ゆくものです。
舞夢    :それでは、現代語訳します。

心の満たされるもの。
魅力的な絵詞がつけられ上手に描かれた女絵がたくさんある時。
物見の帰り道で、乗り過ぎる程にたくさん車に乗り、その袖や裾が簾から出てしまい、車副いの男たちもたくさん従い、牛扱いの上手な者が牛車を走らせている時。
白く綺麗な陸奥紙に、細書き等することなど出来ないような筆で、上手に手紙を書いた時。

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枕草子 心ときめきするもの

枕草子 心ときめきするもの

清少納言先生:今日は、別のお話となります。
舞夢    :はい、現代語訳を行います。

胸がドキドキするもの。
雀の子を飼っている時。
幼い子供を遊ばせている時に、その側を通る時。
上質の香りをたいて、独り寝をしている時。
舶来の鏡が少し曇っているのに気付いた時。
身分の高い男君が牛車を止め、お供に取次をさせ、尋ねさせている時。
洗髪をして香を薫き染めた衣などを着た時。
そういう時は、特に誰かが見

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秋といえば‥?

秋といえば‥?

NHK大河ドラマ『光る君へ』では、読者のみなさんもご存じのように、ファーストサマーウイカさんが、清原元輔の娘である清少納言を演じておられます。まひろ(紫式部)との関係や関わりのある人物たちとの相関があらためて理解できて、国語科の教師としてはとても刺激的です。  

清少納言といえば、『枕草子』。三大随筆のひとつです。ドラマでも、この『枕草子』の執筆のきっかけが描かれていましたね。
『枕草子』のなか

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枕草子 清涼殿の丑寅の隅の(7)

枕草子 清涼殿の丑寅の隅の(7)

清少納言先生:それでは、最後までお願いします。
舞夢    :はい、了解しました。

お休みになって、かなり時間が経ちましたけれど、村上帝は起きて来られ、「やはり、決着をつけないといけないでしょう、すこぶる具合が悪い」などとおっしゃられ、古今集の第十一巻以下を「明日にすると。他の写本を見て確かめるかもしれない」とも、仰せられます。
「今日の中に、決着をつけましょう」と大殿油を近くに寄せられ、夜が更

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枕草子 清涼殿の丑寅の隅の(6)

枕草子 清涼殿の丑寅の隅の(6)

清少納言先生:それでは、続きをお願いします。
舞夢    :わかりました。

歌の方面に優れた人を、二、三人ほど呼び出し、碁石を置き、答えた数、答えられなかった数を、ご確認なさるために、ほぼ無理やりにお答えさせなさる時もありまして、それは趣きもあり、かつ風雅で興味を惹かれる話だったと思います。
本当に、お側にいた方々も、うらやましいことです。
無理にお答えなさせると、賢いのか最後までは詠みませんが

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枕草子 清涼殿の丑寅の隅の(5)

枕草子 清涼殿の丑寅の隅の(5)

清少納言先生:はい、がんばりましょう。続きをお願いします。
舞夢    :それでは、訳します。

中でも、「古今集」を数多く筆写している人は、全部の歌を記憶しているはずなのです。
中宮様は、お話になりました。
「村上帝の御世でしたけれど、宣揚殿の女御と言われたお方が、小一条の左大臣様の御娘であることは、皆さまはご存知だと思われます」
「それで、その女御がまだ姫君と呼ばれていらした時に、お父上の左大

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短いほうの時間

短いほうの時間

春はあけぼの。
夏は夜。
秋は夕暮。
冬はつとめて。

『枕草子』冒頭の、あまりにも有名な言葉である。
有名になりすぎて、『枕草子』はそれだけかと思っている人は、数ヶ月前までの私自身も含めて、少なくないだろう。

改めてこれらの言葉を見ると、各々の季節において「より短いほうの時間帯」に風趣を感じる心が伝わる。長いのは好きでないのだ、いろいろな意味で。

あけぼの、すなわち夜明けの薄明は忍び足のよう

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【光る君へ】第18回「岐路」

【光る君へ】第18回「岐路」

今回も簡単に済ませたい。

大石先生や制作統括さんは、道隆一家(中関白家)に何か個人的な恨みでもあるのだろうか?道長を少しでも良く描くために負のバイアスをかけなければならないという固定観念にとらわれすぎていないだろうか?道隆も道長も、当時の貴族の常識に則って政を進めていたはずである。

今回描くべきだったできごと伊周の「皇子を産め」暴言ハラスメントは正視に耐えなかった。前回の道隆は病身で余命いくば

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