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記事一覧
写真エッセイ〜2024年10月〜
時間が進のが遅くなったのかと思ってしまうほど、1週間の密度が濃く感じられる。まだ木曜日なのか、もうハロウィンなのか、明日から11月なのとボクだけ取り残されてしまっているかのように、今日も夜が訪れている。残業時間を気にしながら、「今日はさっさと切り上げて家でゆっくり休みなよ」と思う。10年前と比べたら、随分と帰りやすい環境になったと感じるが、ボクが周りを気にしなくなったと言われるとそうかもしれない。
もっとみる写真エッセイ〜2024年9月〜
年に1度、憧れの場所でアフタヌーンティーを妻と楽しんでいる。梅田を中心に、有名なところから、マイナーなところまで、スマホで「アフタヌーンティー 梅田」とありきたりな検索ワードを打ち込んで出てくるお店のホームページを見て、「あぁ、ここなら行けそうだね!」と金額よりも、雰囲気に押し潰されないかで選んできた。だから、どのお店もカジュアルで、フラッと遊びに行く感覚で、紅茶を何杯もおかわりして、2時間後にト
もっとみる写真エッセイ〜2024年8月〜
撮れなくて無駄撃ち
2024年の夏は、ほとんど写真を撮らなかった。猛暑の中でも散歩はしていた。鞄の中にカメラが入ってなくて後悔した風景は3箇所くらい。心から撮りたいと思える風景に出会える確率なんてそんなもんだろうし、3箇所もあれば多いくらいだと思う。例えば、20年分の写真を300頁にまとめようとすると、1年分は平均15枚になる。月1枚あれば十分なのである。こう書いてしまうと、私がこれまで歩きな
写真エッセイ〜2024年7月〜
1ヶ月前に書いた写真エッセイを読み返してみると、今月ボクは写真集を作る計画を立てていました。
そんな計画は、すっかり忘れていたけれど、5月に撮影した和歌祭の写真集のデータ入稿を先週末に完了しているのがボクらしさなのかなと思う。この写真集を販売する予定はない。だけど、見てもらう機会は用意しました。和歌祭関係者5人で今年から活動をしていて、今回のイベントもその一環です。お盆の和歌山。和歌山って文字を
写真エッセイ〜2024年6月〜
蒸し暑くて目次を考えられない6月最終日の夜写真、音楽、本。仕事と家庭を除いた時間は、ほとんどこの3つに費やしています。
好きなものに囲まれていたい思いが強すぎるのか、机上の積読は相変わらずです。今日も図書館で原田マハさんの小説を借りた帰りに、定期購読しているスピンを本屋さんで受け取りました。目次で好きな作家さんの名前を確認すると、本文を読むことなく机正面に並べている本の列に隙間を作り差し込んでい
写真エッセイ〜2024年5月〜
この1ヶ月、どんなことがあっただろうか。和歌祭、運動会、あと29日もあるけれど、そのほとんどが日常を過ごしていたから、記憶にある通勤電車の風景が一体いつのことなのか分からない。帰宅途中で電車が止まり鍼灸院に行けなくなったときは、車内に大きな蛾が迷い込んできたけれど男子学生が壁をドン!っと叩く音が聞こえてからは姿が見えなくなった。こうして僅かな記憶を辿っていけば、忘れやすいボクでも今ならまだ思い出せ
もっとみる写真エッセイ〜2024年4月〜
歴史を知ることで、いまボクが取り組んでいることが、なんの意味ももたないことに気付いてしまったとき、知らなかったフリをするか、事実と向き合えるかが、大きな分かれ道となる。
1841年に銀塩写真の技術が開発されて以来、たくさんの写真家が写真を撮り、発表し、今でも写真集が読まれるくらい認知されている。
当時より生活は豊かになり、写真に写っている風景は全く異なるけれど、その写真を撮ろうとする人間の心に
写真エッセイ〜2024年3月〜
「ウインナーか、ツナマヨかな?」
閉店後のパン屋さんの前で、メニューを指さしながら老父婦が話をしていた。本屋さんで定期購読している「スピン」という雑誌を受け取り、図書館で本の返却、貸し出しを終えたボクは、楽しそうな雰囲気を感じ取り自転車の速度を落とした。そうして聞こえてきた惣菜パンの話をもっと聞きたいと思いながらも、近くに自転車を停めてスマホをいじるのも会話の邪魔になるだろうから軽快に自転車を漕
写真エッセイ〜2024年2月〜
サイン本をメルカリで転売して欲しくないいきなり写真と関係ないことから始まってしまい、ごめんなさいなのですが、本当に見るたび悲しくなるんです。作家さんが読者のことを思って1冊1冊気持ちを込めて書いたサインであって、お小遣い稼ぎのために書かれていません。ボクのnoteを読んでくださっている方には、「そんなの当たり前でしょ」と思われることだと思うから、ここに書いても正直意味はないのだけれど、「そういう時
もっとみる写真エッセイ〜2024年1月〜
散歩はしているけれど、写真を撮る気にならないことが増えた。ただ散歩しているだけで楽しい。散歩好きだから当然なのですが。
写真が撮れないわけじゃなくて、惹かれる風景に出会っても「きれいやなー」と思うけれど、手がシャッターを押そうとしない(おい!どうしたボクの人差し指! 押すだけで写真は撮れちゃうんだから押しちゃいなよ!と言っても全然反応してくれない。もしかして反抗期か?)。
同じような状態になっ
写真エッセイ〜2023年3月〜
家でnoteを書くときは、Spotifyで適当な音楽を聴いていることが多い。インストゥルメンタルの中から、Peaceful Pianoといういかにも幸せになりそうなプレイリストを選択した日は、今日もいい1日だったと思えるから不思議だ。
1ヶ月先のことが見えないかと思えば、明日どうなっているのか分からない状態にもなった。こんなことを考えていると不思議なもので、Peacefulだったメロディーにもシ
写真エッセイ〜2023年2月〜
将来の夢
「パンダの飼育員さんになりたい。」
長女に「大きくなったら何になりたい?」と聞いたらこう答えてくれた。赤ちゃんのころから、毎年一回和歌山のアドベンチャーワールドへパンダを見に行っていることと、お世話好きの性格が相まってそう考えるようになったのかもしれない。
今年のアドベンチャーワールドは天候に恵まれず雨だった。駐車場から入り口に向かう途中にある記念撮影エリアでパンダの大きな置物と一
写真エッセイ〜2023年5月〜
朝から何度も書いては消し、ようやくこれでいいかなと思えた文章も納得できない。吾輩は猫である。これくらい印象に残る文章が書けるようになるまで、どれくらい掛かるのだろう。写真エッセイを書き始めてこれが5本目になるわけだけど、未だに感覚が掴めず苦労している。普段のnoteはあっという間に書き終えてしまうのに、今日は行き帰りの通勤電車で全く言葉が出てこなかった。THE FIRST TAKEで歌う稲葉さんを
もっとみる写真エッセイ〜2023年6月〜
「めっちゃ結露してるやん。」
妻の視界の先にある交番の窓ガラスが白く曇り、中の様子はぼんやりとしか見えなかった。朝から全力で冷房を効かせているようだ。東側にしか窓がないその交番は朝が1番暑くなるのかもしれない。5年以上、交番を毎朝見ながら通勤していたけど、窓の結露を意識したのは今日が初めてだった。これまでも同じように結露していたなら、ボクたちは何を見ながら駅まで歩いていたのだろう。ずっと見つめ合