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父とわたしの物語。

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お金がないから?

お金がないから?

小さい頃は、自分のことをお嬢様だと思っていた。

別にそんな大金持ちだったわけじゃないんですけどね。

幼稚園のお友だちは、

私のことを「ゆいこさま」と呼んでいたし
( 今思い返したらあれは何でだったの?汗)

サンタクロースは毎年、私のところに5つも6つもプレゼントを届けてくれていた。

シルバニアファミリーは近所のおもちゃ屋さんに並んでいるよりも沢山持っていた。

この豊かな生活がずっと続い

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私の人生の青写真。

私の人生の青写真。

父がある日突然いなくなったこと、

そこまで人に話す機会があったわけでは無いけれど

たまに親しくなった人に話すと

「辛かったね」「大変だったね」と言われることもあった。

その時は確かにそれなりに大変だったのかもしれない。

子どもの私より、母がいちばん大変だったとは思う。

だけど、何が大変かなんて人それぞれ違う。

大変だと思うかどうかなんて自分の心が決めていると思うから、ある側面から見れ

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刺し傷

刺し傷

小学五年生の夏。

朝起きたら、父の手には深い刺し傷があり、包帯が巻かれていた。

夜中に狂った女の人が家にやってきて

ナイフで父の手を刺したらしい。

刺したというか、

ナイフで向かってきたところを手で止めたのだったと思う。

父も母も何も言わないから

なんでそんなことが起こったのかいまいち分からなかった。

父が包帯を変える時に傷口をちらりとみてしまった。

赤黒く腫れ上がってみたことも

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