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詩集『よすけ』

33
書いた詩をまとめています。見たもの、思ったこと、聞いたこと、そういうものを拙い言葉で綴る。
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#散文詩

〈自由詩〉カラス

〈自由詩〉カラス

目が合うと襲われる。
近づくと襲われる。

昔からよく言われていた。
だから怖いと思うことが多いけど。

近くで見ると案外かわいかったりもする。

まんまるの目。

歩くときは首を前後に。
鳩みたい。

跳ねながら移動だってする。
すずめみたい。

当たり前に思うことって。
けっこう当たり前じゃない。

普通は今まで自分が見たものの平均。

頭だってすぐ凝り固まる。

そういうもん。それはそれ。

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〈散文詩〉あいたい

〈散文詩〉あいたい

 会いたい、会えない。

 会いたい、会いたくない。

 分かってほしい。

 分かってよ。

 分かるわけない。

 分かってたまるか。

 向きあう、向かいあう。

 向き不向き。向こう見ず。

 何も知らないくせに、知ったふうな口をきく。

 ずけずけと、ずけずけと。

 そのやさしい瞳で。そのやわらかい手で。

 いたい。

 隔たりに。傷口に。触れる。

 会いたい、会いたい。

 会い

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好きなもの

好きなもの

自分はどうも鳥が好きらしい。
確かに見ちゃうなとは思っていたけど。

人に言われて初めて気がつくこともある。

自分は何が好きで。
何に悩んでいて。
何があると幸せで。
何のために涙を流して。
何のせいで壊れてしまう。

自分のことなのに。
一番よく知っていると言ったりするけれど。

案外分からないものだ。

相手だったらなおさら。
だからちゃんと守らないとね。

〈散文詩〉スポットライト

〈散文詩〉スポットライト

 暗いここは、悲しい、苦しい、嫌。
 明るいここは、嬉しい、楽しい。

 それなら明るいところがいい。
 だから選んだ。

 するとみんなが見ている。
 視線を感じる。

 こっちからは誰が見ているかわからない。
 どう見られているかもわからない。

 それが怖くて動けなくなった。
 笑われている気がする。

 嬉しいはずの、楽しいはずの、ここが。
 たまらなく嫌になる。

 だから明かりを消した

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とられまい

とられまい

 とられまいと
 しているわけじゃないけど

 このとり
 とるのがむずかしい

 なんとかとれた

 またとろうね

〈散文詩〉何者かになりたかった

〈散文詩〉何者かになりたかった

 小さな頃は歌うのが好きだった。
 歌うのは今も好き。
 だからと言ってうまいわけではない。

 小学生の時は学校で一番足が速かった。
 県の大会では予選落ち。

 チームの中でもサッカーが上手だった。
 地域の選抜では補欠。

 自分だけができること。
 周りもどんどんできていく。
 追い抜かれる。

 将来の夢なんてなかった。
 周りを見て大人が喜びそうな言葉を選ぶだけ。

 みんなの方が大き

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