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排卵期の女性はなぜ意思決定を変化させるのか?〜サピエンスという生物は、ほんとうに自分の行動の「理由」を知っているのか #ULPR ⑵ | エボサイマガジン


究極の説明と至近の説明は矛盾しない。だれかがブラウニーを買った理由について、空腹だったから(=至近の理由)か、砂糖と脂肪の豊富な食べ物が祖先にとって生存という進化上の課題を解決するのに役立ったから(=究極の理由)かを議論するのは無意味だろう。"

" むしろ、ふたつのレベルの説明は互いを捕捉しあう。至近の説明は、表層で起きていることを説明する。究極の説明は、より深い進化レベルで起きていることを説明する。"

" なぜヒトの選択の究極要因を気にする必要があるのだろうひとつには、本人による至近の説明からは、ヒトの行動について、不十分でときに不満の残る理解しか得られないからだ。たとえば、排卵期の多くの女性がセクシーなドレスを買うのを観察した経済学者が、月経周期のその時期の女性はセクシーな衣服がとりわけほしくなるのだと推論するかもしれない。けれど、この事実だけでは理由について何ひとつわからない。”

(D.Kenrick & V.Griskevicius 2013『The Rational Animal:How Evolution Made Us Smarter Than We Think / 邦題:きみの脳は「愚かな選択」をしてしまうのか』より)


・前回からの続き(読まれてない方はまずはこちらから):





# サピエンスという生物は、ほんとうに自分の行動の「理由」を知っているのか:無意識(Unconsciousness)に潜む動機


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────これはのちに語るが、ほんの少し前まで、人間(サピエンス)は、

自分の頭の中で何が行われているのかを全て把握している

と信じていた。

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【「サピエンスの心と行動のロジックを隠れた生物学的動機から読み解くマガジン。進化心理学のフォースを身につければ、世界が変わって見えてくる。】

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