ゾンビ=システム:脳みそのなかに住むゾンビによってあなたの日常生活は「自動操縦」されている[前編] #Zomb Ⅰ | 進化心理マガジン「HUMATRIX」
─── A Day In The Life/The Beatles
・まずはこちら▷ サピエンスの21世紀は「進化心理学/Evolutionary psychology」が支配する時代になる──心(Mind)のわけ(Reason)を解き明かす進化心理学とは何か?:これからの時代を切り拓く50の思考道具
今回紹介する思考道具: ✔️ゾンビ=システム(Zombie agent system)
────さて、今回のnote稿で紹介する思考道具は「ゾンビ=システム(Zombie agent system)」だ。サブタイトルは統合失調症みたいだが気にしないでほしい
(いいや!警戒しなきゃいけない)。
この「ゾンビ=システム」も、進化心理学(=心は「進化の産物」であり、それは自然選択のアルゴリズム、つまり盲目の時計職人によって機能的にデザインされた生体装置だ、と考える心理学)をやる上では、はじめの基本となる前提知識だ。
俺たちの脳みそには"ゾンビ"が住んでいる。SFの話じゃない。神経科学(脳科学)の話だ。
────そう言われても、「ああそうか、やっぱりゾンビが住んでるのか」と納得できる話じゃさらさらないだろう。そんな実感などまるで無いはずだ。
しかし、サピエンスの脳みそに「ゾンビ」(と呼べるような無意識の思考・行動の実行者/エージェント)が住んでいるというのは神経科学的に証明された事実なのだ。
サピエンスの日常生活、そして人生の大部分の"ドライブ"は、ゾンビたちによってこなされている。
────それなのに俺たちはゾンビたちについて何も知らない。この機会にぜひお知り合いになるべきだろう。
(tool.10「意識は新聞、脳は国家」のところでも、また詳しくやろう)
俺たちの脳みそにはゾンビが棲んでいる。
────とはいえ、これは表現の問題じゃないか?:俺たちの「脳みそ」にはゾンビ(=他者)が住んでいると言うのなら、まず〈俺〉の定義が必要だろう。
なぜなら “脳みそに住むゾンビ” も、〈俺〉とおなじ身体の一部を共有する存在ではあるからだ。
(定義が必要だ:〈俺〉ってなんだよ?)
ここで言う〈俺〉とは「意識/Conciousness」のことを指す。
:もちろんざっくりとした話でだ。どこからどこまでが「意識」なのかという質問はまた後にしてほしい。
────つまり、もし、これを読んでいるあんたの名前がメアリーなら、ここでは〈あんた〉とは〈メアリーの意識〉のことをイコールで指している。
そして〈メアリーの意識〉とは別に、メアリーの脳みその中には"意識を持たないゾンビ"が住んでいるということだ。
もちろんメアリーは"無意識のゾンビ"とは知り合いじゃないだろうし、メアリー(の意識)は自分のことを〈メアリーの意識〉とイコールだと思ってるだろうから、メアリーからすれば"無意識のゾンビ"はメアリーと同一人物ではなく、「他人」になるというわけだ。
(もう!!日本語ヘタなくせにややこしい表現しないで!────本当に。🥺)
* * *
# サピエンスをふくむ生命体の行動や思考は「自然意志/Natural Will」によって駆動される
────さて、この稿のテーマ「ゾンビ=システム」についてこれから見ていくうえで、まずは以下の話を押さえておこう。:
20世紀後半に急速に発展した神経科学(脳科学)が示したのは、いわゆる”「自由意志/Free Will」の幻想”だった。
ここから先は
進化心理マガジン「HUMATRIX」
進化心理学(EP)「遺伝子とは、無意識のうちに私たちを動かすものなのだと頭に入れておいてほしい」by ロバート=ライト.心の働きは母なる進…
エボサイマガジン|EvoPsy Magazine
【初月無料】月額購読マガジンです。マガジン「HUMATRIX」の内容含め有料記事が全て読み放題になります。毎月計7万字のボリュームで新しい…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?