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いじめを再定義する ーなぜ学校はいじめを認めないのかー

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私はスクールカウンセラーとして多くの小中学校、高校で勤務してきました。現場で経験を重ねながら、大きないじめ事件が起きた時の報告書などを読んでいく中で、いじめを認めないメカニズムが…
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補論『囚われのいじめ問題』を受けて

補論『囚われのいじめ問題』を受けて

 このマガジン『いじめを再定義する ーなぜ学校はいじめを認めないのかー』では2011年の大津いじめ事件を一つの軸にいじめ問題を考えてきました。事件から10年の昨年、大津いじめ事件を再検証する『囚われのいじめ問題――未完の大津市中学生自殺事件 』が出版されました。
 この本はかなり衝撃的な内容で、報道の仕方や過去を今の視点で振り返る証言の問題で事件がいじめだったという方向に傾いてしまったのではないか

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いじめ対策を考える 3

いじめ対策を考える 3

割れ窓理論の本当の姿 二章で紹介した割れ窓理論には実は続きがあります。
 落書きやゴミのポイ捨てなど小さな違反行為が見過ごされることで、強盗などの大きな殺人が誘発されることが実験で分かったニューヨーク市警は、警察官の働き方のスタイルを変えました。それまでは犯罪が起きてから駆けつける為に警察署に待機している警察官が多かったのですが、警察署に待機する警官を減らし、パトロールで回っている警官を増やしまし

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いじめ対策を考える 2

いじめ対策を考える 2

いじめが起きた後に評価すべきことは では、いじめがあった時に何をどう評価すべきなのでしょうか。
いじめと思われることが起きた時に評価すべきことはいじめの有無ではなく「いじめ」なのです。
 いじめと思われる暴力等の行為があった時に調査すべきことは、なぜその行為が見過ごされて来たのかなのです。そこにどんな集団の影響があったかを知ることがなぜそんないじめが起きたかを解き明かすのです。
 例えば、大津市の

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いじめ対策を考える 1

いじめ対策を考える 1

 この章では「いじめ」の概念をふまえながら、具体的ないじめ対策を考えていきます。

いじめをやめようから「いじめ」を知るへ 私が定義した「いじめ」は、暴力など起きてはいけないことが見過ごされてしまう集団の力のことでした。 
 対策として真っ先に考えられるのはこのことを意識することです。
 現在は「いじめはいけない」「いじめはやめよう」というメッセージがよくいわれています。この思いをみなが徹底すれば

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いじめとスクールカウンセラー 2

いじめとスクールカウンセラー 2

いじめにスクールカウンセラーはどう取り組むか では、いじめに対してスクールカウンセラーは何ができるでしょうか?
 多くの人が誤解しているかもしれませんが、重大ないじめがあった場合に学校に行ってSCにカウンセリングを受けるというのはあまりお勧めできることではありません。学校で傷ついた心をわざわざその場所である学校でカウンセリングを受けるというのは、あまりいい方法とはいえないでしょう。大津のSCが心の

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いじめとスクールカウンセラー 1

いじめとスクールカウンセラー 1

 この章ではいじめととスクールカウンセラー(SC)のあるべき姿について考えていきます。

大津いじめ事件とスクールカウンセラー そのきっかけとなるのはやはり大津のいじめ事件です。大津の事件ではSCの対応が大きな問題になりました。
 学校が自殺の主因についていじめではないという判断を下す際に、SCの見立てが影響を与えたことや、被害者の姉の面談の記録を学校の管理職が見れる状態であったことなどがSCの対

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「いじめ」でいじめを考える

「いじめ」でいじめを考える

 この章ではいじめのいくつかのトピックを、いじめは行為そのものではなく行為が見過ごされるメカニズムであるという「いじめ」の概念で考えていきます。

いじめられる方にも問題がある? いじめを巡る議論で必ずといっていいほど聞くのがこの言葉です。前の章でも取り上げました。
 いじめられる側にも何らかの問題点がある。それを直せばいいのではないか。
 これについても改めて「いじめ」を軸に考えてみます。
 い

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いじめの心理学 2

いじめの心理学 2

ミルグラムの服従実験  いじめを考える上でもう一つ大事な実験は、アッシュの弟子ともいえるミルグラムという心理学者によって行われた服従実験です。
 服従実験も本当の実験の形を被験者に伝えず行う実験です。被験者は教師役と生徒役に分かれます。教師役は別室の生徒役に簡単な問題を出します。生徒役が間違えた場合に電気ショックのスイッチを押すよう教師役は指示されます。電気シックは生徒が間違えれば間違えるほど強く

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いじめの心理学 1

いじめの心理学 1

この章では、いじめを生じる心理や「いじめ」という集団が引き起こす力について、心理学の有名な実験や理論も交えて説明していきます。

いじめは正義から生まれる まずはいじめる心理についてです。
 いじめについて多くの人が誤解していることがあります。それはいじめは悪意から起きるものだという誤解です。もちろんそういうこともありますが、それだけとは限りません。むしろ、いじめは正義によって行われることも非常に

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いじめの再定義 2

いじめの再定義 2

大津いじめ事件の「いじめ」 この事件では第三者調査委員会による調査が行われ、100ページを超える報告書が公開されました。調査委員会の中には尾木ママとしてテレビでも有名な尾木直樹さんもいました。
 また、事件から2年後に共同通信の大阪社会部が詳しい取材を元に『大津中2いじめ自殺』をという書籍を出していて、そこに興味深い記述がありました。先ほど私が定義した「いじめ」が見える部分があったのです。従来のい

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いじめの再定義 1

いじめの再定義 1

 改めて文科省の提唱するいじめの定義を書いておきましょう。

「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」

 しかし実際には、いじめと思われる自殺等が起きた時に学校や第三者委員会がいじめはなかったと判断するニュースがよく見られます。
 なぜこのようなことが起きるのか、この章では書いていきます。

150万円とってもいじめじゃ

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いじめを再定義する ーなぜ学校はいじめを認めないのかー

いじめを再定義する ーなぜ学校はいじめを認めないのかー

  いじめについての考察を『いじめを再定義する ーなぜ学校はいじめを認めないのかー』という電子書籍にまとめました。下のリンクから無料で読めます。

 スクールカウンセラーとして多くの小中学校、高校で勤務してきました。現場で経験を重ねながら、大きないじめ事件が起きた時の報告書などを読んでいく中で、いじめを認めないメカニズムが見えてきました。
 この本ではいじめを行為としてではなく、加害行為があるのに

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