すっとこどっこい丸

若者らしい皮肉的で斜に構えた文章ですが、こんな僕にも純粋無垢な子供時代はありました。 …

すっとこどっこい丸

若者らしい皮肉的で斜に構えた文章ですが、こんな僕にも純粋無垢な子供時代はありました。 https://www.instagram.com/you_too_0832

マガジン

  • ぼくのポエム

    自分で書いた詩をまとめました。 過去作も含みます。 最後の方にその詩を書いた経緯なども載っています

  • ぼくのエッセイ

    エッセイと日記の違いは、『読んでくれる人が居るか否か』だと思っています。

記事一覧

【詩】 水曜日

徹夜明けの水曜日 僕は聞いたことのない音楽の解説動画を観ている 楽器がどうとか コードがどうとか 転調がなんだとか 文字で 言葉で 合成音声で 語っている 僕はその曲…

【エッセイ】 4半世紀が過ぎた日

25歳になりました。 4半世紀を過ごしたことになります。 僕の成長曲線は減速と停滞の連続で、特に20を超えたあたりからの怠慢っぷりは目を見張るものがあります。 綺麗…

【エッセイ】 クロックスに穴が空いた

クロックスに穴が空いた。左足の母指球のあたり。 学生時代に疲労骨折した場所と同じだ。運動やらスポーツから遠ざかって過ごしているのに、その頃の身のこなしは衰えてい…

【エッセイ】 導線が長い。

久しぶりに自分に関する文章を書きたいと思った。 最近、身体の芯が失われている。 どこかへ向かう時、思いがけない方向に身体が傾いてしまう。 あくまで比喩の話だが・・…

【詩】 今、良い詩を書いている

今、良い詩を書いている 良い詩を書いているのに、嫌な通知が飛んできた。 思考を横取りされて 不完全のまま沈み込む 今はとっておきの詩よりも 謝罪の文面を考える必要…

【詩】 仕分ける

昼過ぎに電車に乗って スーツを着ていない社会人と非社会人を勝手に仕分ける 鞄を右肩に食い込ませ 左半身を庇っているあの男性は前者 沢山の色を取り寄せて 複雑に編み…

【エッセイ】 クラゲ

眠気覚ましに煙草を吸っていたら喉を痛めた。 お手本のような不健康。 朝の4時。 3時間後には仕事が始まる。僕は今、神経過敏になっているので、3時間程度では寝付けな…

【詩】 Keepメモ

死に急ぐように 喫煙所へ向かう 僕の仕事デスク 同僚との会話 2万円ほど入った財布 自宅の鍵 読みかけの文庫本 買ったばかりの天然水600ml スマホの充電器 終わらない仕事…

【詩】 鮎

人を殺した。 うなじの美しい女だった。 金曜日の夜、池袋の駅で彼女を見かけた。 あのうなじに触れたい。そう思った。 西口から駐輪所まで行く間に、その方法をいくつか…

一年の計は元旦にあり

【一年の計は元旦にあり】 意味 : 何事もまず、計画を立てることが大事 今日は1月22日です。時刻は23時56分。つまり23日ですね。 元旦から22日経っています。 久々の…

【詩】 鈴虫と金木犀

眠れぬ夜は 今日 ではなく昨日の僕を 布団の中で追いかける 過去は 僕ではない人の言葉で語られる 屈折した光の向こう 拾い損ねたものを探す 景色は浅いまま 自室と社会…

帰省

久々の休みに、親に会いに行った。 生まれも育ちも名古屋だが、親と兄は長野の田舎に住んでいるので、親に会う際は名古屋ではなく長野に行くのが決まりになっている。 僕…

マッチングアプリを始めました。

マッチングアプリをはじめました。 彼女が欲しいからです。 アカウント名は『すっとこどっこい丸』です。 我ながらいい名前だと思います。 『すっとこどっこい』という単…

【詩】 誕生日

一つ歳をとった。 言い訳が一つ減ったような感覚。 僕は 僕の追い求めた 大人に近づけているだろうか。 否。 日ごとに 自分の欠点を発掘するこの生活は 僕が望んでいた大…

【詩】 自動思考

あの日あの時 こうしてたらって タチの悪い呪いだよな 標識の文字が錆を着てるから 試すようにしか歩けない こんな歩幅で飛べるわけない 水たまりを躊躇なく踏みぬくこと…

【詩】 人喰い駅

赤坂駅で 他人の不幸自慢を一通り聞いて 僕は電車に飛び乗った 静止から抜け出す車内で僕の意識は足元を貫通し 線路上にある己の肉片に手を伸ばした。 かつての肌色は 内…

【詩】 水曜日

徹夜明けの水曜日
僕は聞いたことのない音楽の解説動画を観ている

楽器がどうとか
コードがどうとか
転調がなんだとか

文字で
言葉で
合成音声で
語っている

僕はその曲を聴いたことがないし
これから聴く予定もないけれど
いつか偶然出会ったときに
合点がいくのだろうか

どうなるかは分からないし
僕は音楽について明るくないけれど
いつか誰かが僕の詩を
メロディにしてくれたら素敵だなと
そう思った

【エッセイ】 4半世紀が過ぎた日

25歳になりました。
4半世紀を過ごしたことになります。

僕の成長曲線は減速と停滞の連続で、特に20を超えたあたりからの怠慢っぷりは目を見張るものがあります。
綺麗な上り坂から一転、ウサギどころかカメまでもが午睡を嗜みそうな、フルフラットシートばりの成長度です。
文字で表すなら、『√』⇦こんな感じです。(文字通り文字で表しました)

僕は相変わらず、新しい人間関係を築こうという意識が欠如しており

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【エッセイ】 クロックスに穴が空いた

クロックスに穴が空いた。左足の母指球のあたり。
学生時代に疲労骨折した場所と同じだ。運動やらスポーツから遠ざかって過ごしているのに、その頃の身のこなしは衰えていないのかもしれない。

「やけに小石が入ってくるなー」とか、「心なしか濡れてる気がするなー」とか、「地面の起伏をダイレクトに感じるなー」とか思っていたが、まさか穴が空いていたとは。
足を組んで座っていたら、後輩に指摘されて気づいた。
「靴下

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【エッセイ】 導線が長い。

久しぶりに自分に関する文章を書きたいと思った。
最近、身体の芯が失われている。
どこかへ向かう時、思いがけない方向に身体が傾いてしまう。
あくまで比喩の話だが・・・

僕をうんざりさせるような話題は相変わらず尽きなくて、つい最近も後輩同士の不毛な諍いに巻き込まれたりした。
悪意と敵意しかないやり取りを散々見せつけられて、こんな奴らのそばにいたくないと心から思った。
「〜さんはどう思いますか!?」

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【詩】 今、良い詩を書いている

今、良い詩を書いている
良い詩を書いているのに、嫌な通知が飛んできた。

思考を横取りされて
不完全のまま沈み込む

今はとっておきの詩よりも
謝罪の文面を考える必要がある

『も』と打ったら
『申し訳ございません』が最初に出てくる
『蒙昧』は出てこない

僕の言葉はどちらだろう
僕の心はどちらだろう

『申し訳ない』と思う気持ちは本当だが
定型文じみた謝罪は「口先だけのでまかせ」らしい
ならばい

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【詩】 仕分ける

昼過ぎに電車に乗って
スーツを着ていない社会人と非社会人を勝手に仕分ける

鞄を右肩に食い込ませ
左半身を庇っているあの男性は前者

沢山の色を取り寄せて
複雑に編み込まれた服を着たあの女性は後者

前かがみで
ゆったり頁をめくっている初老は前者で
必死に液晶画面をなぞっている少年は後者

車内の振動に抗わずに壁に身体をぶつけ
自分を罰する術を探している彼は前者

彼の直ぐ側に腰掛けて
顰め面で彼

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【エッセイ】 クラゲ

眠気覚ましに煙草を吸っていたら喉を痛めた。
お手本のような不健康。

朝の4時。
3時間後には仕事が始まる。僕は今、神経過敏になっているので、3時間程度では寝付けない。

だから眠気覚ましに喫煙所巡りをしていた。僕のデスクは28階。階段を降りたり登ったりしながら局内を巡回する。
途中自販機で缶コーヒーを買ったり、コンビニでグミを買ったり、フリースペースで詩を書いたりしていた。どれも僕の生活に必要不

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【詩】 Keepメモ

死に急ぐように
喫煙所へ向かう

僕の仕事デスク
同僚との会話
2万円ほど入った財布
自宅の鍵
読みかけの文庫本
買ったばかりの天然水600ml
スマホの充電器
終わらない仕事

それらは10階にあるけれど
喫煙所は9階が上等
タバコとライターだけ
僕に従う

1日には
人知れず落ち込む瞬間が必要で
そのためには
決まった場所が1つあればいい
僕の足元は気まぐれに
まだ開けたことのないドアを探して

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【詩】 鮎

人を殺した。
うなじの美しい女だった。

金曜日の夜、池袋の駅で彼女を見かけた。
あのうなじに触れたい。そう思った。
西口から駐輪所まで行く間に、その方法をいくつか考えた。
しかしそのほとんどが僕には相応しくなかった。

高校時代のクラスメイトだったSあるいはRなら、スマートにやってのけたかもしれない。
ただ僕はSあるいはRではない。
だから僕は最も単純で効果的な方法を取ることにした。

砂浜を裸

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一年の計は元旦にあり

【一年の計は元旦にあり】

意味 : 何事もまず、計画を立てることが大事

今日は1月22日です。時刻は23時56分。つまり23日ですね。
元旦から22日経っています。

久々の休日だったので、友人と映画を観に行きました。スラムダンクです。
『過去の設定が本編中でほとんど描かれてないから宮城リョータが主人公なんだろうなー。融通が利くだろうし。家族の死を持ち出すとか感動するに決まってるじゃん。卑怯だ

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【詩】 鈴虫と金木犀

眠れぬ夜は
今日
ではなく昨日の僕を
布団の中で追いかける

過去は
僕ではない人の言葉で語られる
屈折した光の向こう
拾い損ねたものを探す

景色は浅いまま
自室と社会を行き来する
答え合わせをするように
白と黒を繋ぐ

新鮮な空気の端と端に絡まった口唇に
なにか暴力的なものを感じて
頭を掻きむしった。
窓を抜けると鈴虫が
影を何重にも重ねたような暗がりを引き連れて
夜を下ってゆくところであった

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帰省

帰省

久々の休みに、親に会いに行った。

生まれも育ちも名古屋だが、親と兄は長野の田舎に住んでいるので、親に会う際は名古屋ではなく長野に行くのが決まりになっている。

僕以外の家族が長野に住んでいるからだろうか。名古屋に帰る時よりも、長野に行く時の方が「帰ってきたなぁ・・・」感が強い。実家感覚は家や土地ではなく、家族に宿るものかもしれない。

仕事終わりに東京駅から2時間半くらいかけて上田駅に行き、そこ

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マッチングアプリを始めました。

マッチングアプリを始めました。

マッチングアプリをはじめました。
彼女が欲しいからです。

アカウント名は『すっとこどっこい丸』です。
我ながらいい名前だと思います。

『すっとこどっこい』という単語の意味について聞かれても、僕は分からないです。

ただ、『すっとこどっこいだなぁ……』というエピソードはあります。
最近のすっとこどっこいな話は、『スーパーの食品サンプルを指で突いたら本物だった』です。

特に理由のない無益な行動に

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【詩】 誕生日

一つ歳をとった。
言い訳が一つ減ったような感覚。

僕は
僕の追い求めた
大人に近づけているだろうか。

否。
日ごとに
自分の欠点を発掘するこの生活は
僕が望んでいた大人とは正反対だ。

僕は
23歳の帰路を歩いている

驚くほど変哲ない

その言葉の
軽い矛盾を僕は気に入って
右足が前に出る度に
唱え続けた。

『驚くほど変哲ない。』

次第に足どりは軽やかに。

『驚くほど変哲ない。』

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【詩】 自動思考

あの日あの時
こうしてたらって
タチの悪い呪いだよな

標識の文字が錆を着てるから
試すようにしか歩けない

こんな歩幅で飛べるわけない
水たまりを躊躇なく踏みぬくことができたあの頃の勢いは
僕のどのあたりに沈み込んでしまったのだろうか。

進めたはずの創作に
主題をつけることができないまま
消してしまう時がある

自己否定に名前をつけてしまうと
1日が急激に短くなって
人は老いてゆくと知ったから

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【詩】 人喰い駅

赤坂駅で
他人の不幸自慢を一通り聞いて
僕は電車に飛び乗った

静止から抜け出す車内で僕の意識は足元を貫通し
線路上にある己の肉片に手を伸ばした。

かつての肌色は
内側から押し寄せた赤と混じり合い
かつての体温は
摩擦熱と鉄の冷たさに上書きされ
かつての輪郭は
内部から荒々しく食い破られた。

継ぎ目と呼ぶにはいささか乱暴な断面から
微かに漏れ出すものは
身体の内側に溜め込んでいた生命活動の名残

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