すっとこどっこい丸

若者らしい皮肉的で斜に構えた文章ですが、こんな僕にも純粋無垢な子供時代はありました。 …

すっとこどっこい丸

若者らしい皮肉的で斜に構えた文章ですが、こんな僕にも純粋無垢な子供時代はありました。 https://www.instagram.com/you_too_0832

マガジン

  • ぼくのポエム

    自分で書いた詩をまとめました。 過去作も含みます。 最後の方にその詩を書いた経緯なども載っています

  • ぼくのエッセイ

    エッセイと日記の違いは、『読んでくれる人が居るか否か』だと思っています。

  • ぼくのネタ

    漫才、コントのネタです。 作家という仕事に、少しの憧れを抱いております。

最近の記事

【詩】 今、良い詩を書いている

今、良い詩を書いている 良い詩を書いているのに、嫌な通知が飛んできた。 思考を横取りされて 不完全のまま沈み込む 今はとっておきの詩よりも 謝罪の文面を考える必要がある 『も』と打ったら 『申し訳ございません』が最初に出てくる 『蒙昧』は出てこない 僕の言葉はどちらだろう 僕の心はどちらだろう 『申し訳ない』と思う気持ちは本当だが 定型文じみた謝罪は「口先だけのでまかせ」らしい ならばいっそ 『蒙昧な昨日の僕の影に引き留められて現実との接触性が失われていた』と正直に

    • 【詩】 旅人

      思考が一箇所にとどまってくれないように 身体も幅を求めている どこへ行くにも 経由して向かう 経由してしまう 肩から滑り落ちているようだった 並んだはずの眼球が じわり、と傾く 縁の部分から流れでて 形を失いはじめている 同じ姿勢を保ち続けることの難しさを 身体が語っている 上手く帰れず 滲んだ公園に向かう リュックの中で 水筒の重心が忙しなく揺れる 歪んだ空き缶が土を喰って 口まわりを汚している 救急車のサイレン音が高架下で 確かめるように反響している 旅人は何処に

      • 【詩】 仕分ける

        昼過ぎに電車に乗って スーツを着ていない社会人と非社会人を勝手に仕分ける 鞄を右肩に食い込ませ 左半身を庇っているあの男性は前者 沢山の色を取り寄せて 複雑に編み込まれた服を着たあの女性は後者 前かがみで ゆったり頁をめくっている初老は前者で 必死に液晶画面をなぞっている少年は後者 車内の振動に抗わずに壁に身体をぶつけ 自分を罰する術を探している彼は前者 彼の直ぐ側に腰掛けて 顰め面で彼を睨んでいる女性 目元を明るく染めた彼女は これから誰に会うのだろうか 彼の苦悩

        • 【詩】 Keepメモ

          死に急ぐように 喫煙所へ向かう 僕の仕事デスク 同僚との会話 2万円ほど入った財布 自宅の鍵 読みかけの文庫本 買ったばかりの天然水600ml スマホの充電器 終わらない仕事 それらは10階にあるけれど 喫煙所は9階が上等 タバコとライターだけ 僕に従う 1日には 人知れず落ち込む瞬間が必要で そのためには 決まった場所が1つあればいい 僕の足元は気まぐれに まだ開けたことのないドアを探している もう24になるが 未だに人の目を見るのが苦手で だからこうして 煙で視界

        【詩】 今、良い詩を書いている

        マガジン

        • ぼくのポエム
          46本
        • ぼくのエッセイ
          20本
        • ぼくのネタ
          8本

        記事

          【詩】 余白

          うっかり手を滑らせて 茶色に焼けた古い詩集を 土の上に落としてしまった。 僕の手元に戻ってきた詩集は たった今できた皺を隠すように 枯れ草と湿土を携えていた。 そのささやかな化粧は 君が焦がれてやまない 故郷の香りを帯びている。 君も久方ぶりの再会に 心を震わせたり 大地を捉えた無骨な柱だった頃を思い出して 哀しくなったりするのだろうか。 君の深部に刻み込まれた記憶と 君の体表に記された記号の間には ほんの少しの関連も無くて 君の感傷と僕の感動は 全く違う世界で語られ

          【詩】 鮎

          人を殺した。 うなじの美しい女だった。 金曜日の夜、池袋の駅で彼女を見かけた。 あのうなじに触れたい。そう思った。 西口から駐輪所まで行く間に、その方法をいくつか考えた。 しかしそのほとんどが僕には相応しくなかった。 高校時代のクラスメイトだったSあるいはRなら、スマートにやってのけたかもしれない。 ただ僕はSあるいはRではない。 だから僕は最も単純で効果的な方法を取ることにした。 砂浜を裸足で蹴ったことがある。 枯れ木を折って遊んだことも。 ほんの戯れに、蟻を潰したこ

          一年の計は元旦にあり

          【一年の計は元旦にあり】 意味 : 何事もまず、計画を立てることが大事 今日は1月22日です。時刻は23時56分。つまり23日ですね。 元旦から22日経っています。 久々の休日だったので、友人と映画を観に行きました。スラムダンクです。 『過去の設定が本編中でほとんど描かれてないから宮城リョータが主人公なんだろうなー。融通が利くだろうし。家族の死を持ち出すとか感動するに決まってるじゃん。卑怯だなぁ。』 『カッケェー。久々にバスケしたくなってきたな。俺?スラムダンクで一番好

          一年の計は元旦にあり

          【ネタ】 人工知能

          出来立てホヤホヤ。 友人にオススメされて見た『軍艦』さんのM-1予選の漫才が面白かったので、急に漫才のネタを書きたくなりました。 結構面白くできたと思います。 相談というか、打ち明け話があって・・・: 齢23にして、自我崩壊の危機に瀕している。 急にどうした? 俺、もしかしたらAIかもしれない。 は?なぜ? というのも、個人情報とか、クレジットカードとか登録するときに、よく「信号機を全部選んでください」とか、「表示されている数字を入力してください」とかでるじゃん?

          【ネタ】 人工知能

          【詩】 鈴虫と金木犀

          眠れぬ夜は 今日 ではなく昨日の僕を 布団の中で追いかける 過去は 僕ではない人の言葉で語られる 屈折した光の向こう 拾い損ねたものを探す 景色は浅いまま 自室と社会を行き来する 答え合わせをするように 白と黒を繋ぐ 新鮮な空気の端と端に絡まった口唇に なにか暴力的なものを感じて 頭を掻きむしった。 窓を抜けると鈴虫が 影を何重にも重ねたような暗がりを引き連れて 夜を下ってゆくところであった。 不安定がふさわしい午前3時 身体を起こして 今日の分の米を研ぐ。 少し肌寒

          【詩】 鈴虫と金木犀

          【ネタ】 アンパンマン

          幸せなら手を叩こう! (しーん) ……世知辛いね どうも、〇〇です。 いやー、世知辛い世の中だね。 そうだね。 幸せって、貴重なんだね。 けど、そんな幸せの欠けた皆さんを幸せにするには何が必要か、俺には分かってる ほう。何? 『自己犠牲精神』だね。 ほう。 お互いがお互いの幸せため、自己犠牲精神を持っていれば、みんな幸せになるんだよ。 なるほど。 助け合いの精神に近いね。 そう。そして、自己犠牲精神の素晴らしさは、実は『アンパンマン』で学べる。 へー。

          【ネタ】 アンパンマン

          帰省

          久々の休みに、親に会いに行った。 生まれも育ちも名古屋だが、親と兄は長野の田舎に住んでいるので、親に会う際は名古屋ではなく長野に行くのが決まりになっている。 僕以外の家族が長野に住んでいるからだろうか。名古屋に帰る時よりも、長野に行く時の方が「帰ってきたなぁ・・・」感が強い。実家感覚は家や土地ではなく、家族に宿るものかもしれない。 仕事終わりに東京駅から2時間半くらいかけて上田駅に行き、そこから父の運転で家まで向かう。 車の助手席に乗るのも久しぶりだった。 『仕事の調子

          マッチングアプリを始めました。

          マッチングアプリをはじめました。 彼女が欲しいからです。 アカウント名は『すっとこどっこい丸』です。 我ながらいい名前だと思います。 『すっとこどっこい』という単語の意味について聞かれても、僕は分からないです。 ただ、『すっとこどっこいだなぁ……』というエピソードはあります。 最近のすっとこどっこいな話は、『スーパーの食品サンプルを指で突いたら本物だった』です。 特に理由のない無益な行動によって失態を犯す様がまさに、すっとこどっこいですね。 『すっとこどっこい』の正

          マッチングアプリを始めました。

          【詩】 祝砲

          黒い鉛の弾を渡された。 その弾を どうするかは僕の勝手だが 渡されたからには、と 弾を込めて 引き金に手をかけた。 この指をあと数センチ押し込めば僕もあの大人たちの仲間入り。 これは祝砲だろうか。 観覧席はいつの間にか埋まっている。 『スカッとするぜ。今までにないスリルだろ?』 人に向ければ効果は絶大!! 空砲を 相手に 時には自分に向けて 満足していた僕は 初めて手にした実弾の重さに怯えていた 空砲で満足している 自分の度胸のなさを 僕は案外気に入っていたのだろ

          【詩】 誕生日

          一つ歳をとった。 言い訳が一つ減ったような感覚。 僕は 僕の追い求めた 大人に近づけているだろうか。 否。 日ごとに 自分の欠点を発掘するこの生活は 僕が望んでいた大人とは正反対だ。 僕は 23歳の帰路を歩いている 驚くほど変哲ない その言葉の 軽い矛盾を僕は気に入って 右足が前に出る度に 唱え続けた。 『驚くほど変哲ない。』 次第に足どりは軽やかに。 『驚くほど変哲ない。』 今夜は妄想日和。 『驚くほど変哲ない』 18から始まった等速直線運動上 『驚

          【詩:キウイ老人】 日差しに追われて小径に入る

          日差しに追われて小径に入る。 この道は歩き慣れていないから 足音が響いて 少し不安になってしまう。 余所者の音を奏で続けることが この道を歩き続けるたったひとつの条件。 思考とも呼べない感想の数々が散歩の隣人。 ショルダーバックの中で500mlペットボトルの重心が忙しなく動いているのを感じる。 ベルトの金具が腹の肉にたまに触れる。 ポケットに入れたスマートフォンが窮屈そうに身動ぎしている。 僕は靴に入り込んだ小石の位置を器用に調整しながら ひたすら歩く。 一通り歩い

          【詩:キウイ老人】 日差しに追われて小径に入る

          【詩】 自動思考

          あの日あの時 こうしてたらって タチの悪い呪いだよな 標識の文字が錆を着てるから 試すようにしか歩けない こんな歩幅で飛べるわけない 水たまりを躊躇なく踏みぬくことができたあの頃の勢いは 僕のどのあたりに沈み込んでしまったのだろうか。 進めたはずの創作に 主題をつけることができないまま 消してしまう時がある 自己否定に名前をつけてしまうと 1日が急激に短くなって 人は老いてゆくと知ったから。 長い助走の末に飛び込んだ世界の話を この世の住人は語ることができないから

          【詩】 自動思考