すっとこどっこい丸

若者らしい皮肉的で斜に構えた文章ですが、こんな僕にも純粋無垢な子供時代はありました。 …

すっとこどっこい丸

若者らしい皮肉的で斜に構えた文章ですが、こんな僕にも純粋無垢な子供時代はありました。 https://www.instagram.com/you_too_0832

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  • ぼくのポエム

    自分で書いた詩をまとめました。 過去作も含みます。 最後の方にその詩を書いた経緯なども載っています

  • ぼくのエッセイ

    エッセイと日記の違いは、『読んでくれる人が居るか否か』だと思っています。

  • ぼくのネタ

    漫才、コントのネタです。 作家という仕事に、少しの憧れを抱いております。

最近の記事

【エッセイ】 クロックスに穴が空いた

クロックスに穴が空いた。左足の母指球のあたり。 学生時代に疲労骨折した場所と同じだ。運動やらスポーツから遠ざかって過ごしているのに、その頃の身のこなしは衰えていないのかもしれない。 「やけに小石が入ってくるなー」とか、「心なしか濡れてる気がするなー」とか、「地面の起伏をダイレクトに感じるなー」とか思っていたが、まさか穴が空いていたとは。 足を組んで座っていたら、後輩に指摘されて気づいた。 「靴下に穴が空いていた」とかの比じゃないほど恥ずかしい。本来靴に穴が空くなんてことはあ

    • 【エッセイ】 導線が長い。

      久しぶりに自分に関する文章を書きたいと思った。 最近、身体の芯が失われている。 どこかへ向かう時、思いがけない方向に身体が傾いてしまう。 あくまで比喩の話だが・・・ 僕をうんざりさせるような話題は相変わらず尽きなくて、つい最近も後輩同士の不毛な諍いに巻き込まれたりした。 悪意と敵意しかないやり取りを散々見せつけられて、こんな奴らのそばにいたくないと心から思った。 「〜さんはどう思いますか!?」 僕は、あなたたちが幼いだけだと思います。 仕事はフレックス。 先週は4日くらい

      • 【詩】 今、良い詩を書いている

        今、良い詩を書いている 良い詩を書いているのに、嫌な通知が飛んできた。 思考を横取りされて 不完全のまま沈み込む 今はとっておきの詩よりも 謝罪の文面を考える必要がある 『も』と打ったら 『申し訳ございません』が最初に出てくる 『蒙昧』は出てこない 僕の言葉はどちらだろう 僕の心はどちらだろう 『申し訳ない』と思う気持ちは本当だが 定型文じみた謝罪は「口先だけのでまかせ」らしい ならばいっそ 『蒙昧な昨日の僕の影に引き留められて現実との接触性が失われていた』と正直に

        • 【詩】 仕分ける

          昼過ぎに電車に乗って スーツを着ていない社会人と非社会人を勝手に仕分ける 鞄を右肩に食い込ませ 左半身を庇っているあの男性は前者 沢山の色を取り寄せて 複雑に編み込まれた服を着たあの女性は後者 前かがみで ゆったり頁をめくっている初老は前者で 必死に液晶画面をなぞっている少年は後者 車内の振動に抗わずに壁に身体をぶつけ 自分を罰する術を探している彼は前者 彼の直ぐ側に腰掛けて 顰め面で彼を睨んでいる女性 目元を明るく染めた彼女は これから誰に会うのだろうか 彼の苦悩

        【エッセイ】 クロックスに穴が空いた

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        記事

          【エッセイ】 クラゲ

          眠気覚ましに煙草を吸っていたら喉を痛めた。 お手本のような不健康。 朝の4時。 3時間後には仕事が始まる。僕は今、神経過敏になっているので、3時間程度では寝付けない。 だから眠気覚ましに喫煙所巡りをしていた。僕のデスクは28階。階段を降りたり登ったりしながら局内を巡回する。 途中自販機で缶コーヒーを買ったり、コンビニでグミを買ったり、フリースペースで詩を書いたりしていた。どれも僕の生活に必要不可欠な要素だ。 歩くたびに眠気が遠のいていくのを感じる。一箇所に留まれば眠気が

          【エッセイ】 クラゲ

          【詩】 Keepメモ

          死に急ぐように 喫煙所へ向かう 僕の仕事デスク 同僚との会話 2万円ほど入った財布 自宅の鍵 読みかけの文庫本 買ったばかりの天然水600ml スマホの充電器 終わらない仕事 それらは10階にあるけれど 喫煙所は9階が上等 タバコとライターだけ 僕に従う 1日には 人知れず落ち込む瞬間が必要で そのためには 決まった場所が1つあればいい 僕の足元は気まぐれに まだ開けたことのないドアを探している もう24になるが 未だに人の目を見るのが苦手で だからこうして 煙で視界

          【詩】 Keepメモ

          【詩】 鮎

          人を殺した。 うなじの美しい女だった。 金曜日の夜、池袋の駅で彼女を見かけた。 あのうなじに触れたい。そう思った。 西口から駐輪所まで行く間に、その方法をいくつか考えた。 しかしそのほとんどが僕には相応しくなかった。 高校時代のクラスメイトだったSあるいはRなら、スマートにやってのけたかもしれない。 ただ僕はSあるいはRではない。 だから僕は最も単純で効果的な方法を取ることにした。 砂浜を裸足で蹴ったことがある。 枯れ木を折って遊んだことも。 ほんの戯れに、蟻を潰したこ

          一年の計は元旦にあり

          【一年の計は元旦にあり】 意味 : 何事もまず、計画を立てることが大事 今日は1月22日です。時刻は23時56分。つまり23日ですね。 元旦から22日経っています。 久々の休日だったので、友人と映画を観に行きました。スラムダンクです。 『過去の設定が本編中でほとんど描かれてないから宮城リョータが主人公なんだろうなー。融通が利くだろうし。家族の死を持ち出すとか感動するに決まってるじゃん。卑怯だなぁ。』 『カッケェー。久々にバスケしたくなってきたな。俺?スラムダンクで一番好

          一年の計は元旦にあり

          【ネタ】 人工知能

          出来立てホヤホヤ。 友人にオススメされて見た『軍艦』さんのM-1予選の漫才が面白かったので、急に漫才のネタを書きたくなりました。 結構面白くできたと思います。 相談というか、打ち明け話があって・・・: 齢23にして、自我崩壊の危機に瀕している。 急にどうした? 俺、もしかしたらAIかもしれない。 は?なぜ? というのも、個人情報とか、クレジットカードとか登録するときに、よく「信号機を全部選んでください」とか、「表示されている数字を入力してください」とかでるじゃん?

          【ネタ】 人工知能

          【詩】 鈴虫と金木犀

          眠れぬ夜は 今日 ではなく昨日の僕を 布団の中で追いかける 過去は 僕ではない人の言葉で語られる 屈折した光の向こう 拾い損ねたものを探す 景色は浅いまま 自室と社会を行き来する 答え合わせをするように 白と黒を繋ぐ 新鮮な空気の端と端に絡まった口唇に なにか暴力的なものを感じて 頭を掻きむしった。 窓を抜けると鈴虫が 影を何重にも重ねたような暗がりを引き連れて 夜を下ってゆくところであった。 不安定がふさわしい午前3時 身体を起こして 今日の分の米を研ぐ。 少し肌寒

          【詩】 鈴虫と金木犀

          【ネタ】 アンパンマン

          幸せなら手を叩こう! (しーん) ……世知辛いね どうも、〇〇です。 いやー、世知辛い世の中だね。 そうだね。 幸せって、貴重なんだね。 けど、そんな幸せの欠けた皆さんを幸せにするには何が必要か、俺には分かってる ほう。何? 『自己犠牲精神』だね。 ほう。 お互いがお互いの幸せため、自己犠牲精神を持っていれば、みんな幸せになるんだよ。 なるほど。 助け合いの精神に近いね。 そう。そして、自己犠牲精神の素晴らしさは、実は『アンパンマン』で学べる。 へー。

          【ネタ】 アンパンマン

          帰省

          久々の休みに、親に会いに行った。 生まれも育ちも名古屋だが、親と兄は長野の田舎に住んでいるので、親に会う際は名古屋ではなく長野に行くのが決まりになっている。 僕以外の家族が長野に住んでいるからだろうか。名古屋に帰る時よりも、長野に行く時の方が「帰ってきたなぁ・・・」感が強い。実家感覚は家や土地ではなく、家族に宿るものかもしれない。 仕事終わりに東京駅から2時間半くらいかけて上田駅に行き、そこから父の運転で家まで向かう。 車の助手席に乗るのも久しぶりだった。 『仕事の調子

          マッチングアプリを始めました。

          マッチングアプリをはじめました。 彼女が欲しいからです。 アカウント名は『すっとこどっこい丸』です。 我ながらいい名前だと思います。 『すっとこどっこい』という単語の意味について聞かれても、僕は分からないです。 ただ、『すっとこどっこいだなぁ……』というエピソードはあります。 最近のすっとこどっこいな話は、『スーパーの食品サンプルを指で突いたら本物だった』です。 特に理由のない無益な行動によって失態を犯す様がまさに、すっとこどっこいですね。 『すっとこどっこい』の正

          マッチングアプリを始めました。

          【詩】 誕生日

          一つ歳をとった。 言い訳が一つ減ったような感覚。 僕は 僕の追い求めた 大人に近づけているだろうか。 否。 日ごとに 自分の欠点を発掘するこの生活は 僕が望んでいた大人とは正反対だ。 僕は 23歳の帰路を歩いている 驚くほど変哲ない その言葉の 軽い矛盾を僕は気に入って 右足が前に出る度に 唱え続けた。 『驚くほど変哲ない。』 次第に足どりは軽やかに。 『驚くほど変哲ない。』 今夜は妄想日和。 『驚くほど変哲ない』 18から始まった等速直線運動上 『驚

          【詩】 自動思考

          あの日あの時 こうしてたらって タチの悪い呪いだよな 標識の文字が錆を着てるから 試すようにしか歩けない こんな歩幅で飛べるわけない 水たまりを躊躇なく踏みぬくことができたあの頃の勢いは 僕のどのあたりに沈み込んでしまったのだろうか。 進めたはずの創作に 主題をつけることができないまま 消してしまう時がある 自己否定に名前をつけてしまうと 1日が急激に短くなって 人は老いてゆくと知ったから。 長い助走の末に飛び込んだ世界の話を この世の住人は語ることができないから

          【詩】 自動思考

          【詩】 人喰い駅

          赤坂駅で 他人の不幸自慢を一通り聞いて 僕は電車に飛び乗った 静止から抜け出す車内で僕の意識は足元を貫通し 線路上にある己の肉片に手を伸ばした。 かつての肌色は 内側から押し寄せた赤と混じり合い かつての体温は 摩擦熱と鉄の冷たさに上書きされ かつての輪郭は 内部から荒々しく食い破られた。 継ぎ目と呼ぶにはいささか乱暴な断面から 微かに漏れ出すものは 身体の内側に溜め込んでいた生命活動の名残りであり 感情や思考とは無縁のものだ。 計測可能な部分だけを器用に残した僕の混

          【詩】 人喰い駅