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サッカーを学ぶ

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サッカーについて考察しております。主に統計的手法。そして、法学・社会学的手法を用いております。また、ゲーム理論を用いた分析もいずれは行いたいと思います。
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#サッカー

Jリーグ優勝争い、今後の展望ー第26節戦績表から見る。町田、鹿島、G大阪の停滞、広島の躍進、

Jリーグ優勝争い、今後の展望ー第26節戦績表から見る。町田、鹿島、G大阪の停滞、広島の躍進、

記事の題名通りだが、第25節、第26節と上位3チーム(町田、鹿島、G大阪)が停滞した。特に町田が勝点+1しか得られなかったため、1位から4位の間が、ギュッと縮まった。

一時、町田が独走すると思われた。しかし、この停滞で優勝争いが大変面白くなってきた。また、本記事では取り上げないが、中団から下位の争いも熾烈になってきている。

さて、今後の展望であるが、次の2戦に絞ると。一番スケジュールが楽なのが

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「なでしこ」 なぜ勝てなかったのか?オリンピック女子サッカーを分析する。

「なでしこ」 なぜ勝てなかったのか?オリンピック女子サッカーを分析する。

私は、下記記事で、
①オリンピック女子サッカーの決勝トーナメント1回戦で延長戦に進む試合が増えていること、
②アメリカの女子代表は、1回戦に過去5大会中3大会で引き分けていること、
③1回戦に唯一負けたのが2016年リオ五輪、スウェーデン戦の延長・PK戦であること
を指摘した。

ここでは、それを検証してみよう。そして、私なりの意見を寄せたい。

まず、①であるが、そのトレンドは維持されたままであ

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アメリカとは絶対当たるな。ーなでしこの葛藤、2位ではなく、3位通過を狙うべきだ。1位でも良いが。

アメリカとは絶対当たるな。ーなでしこの葛藤、2位ではなく、3位通過を狙うべきだ。1位でも良いが。

なぜ、2位通過はダメか。単純である。2位通過をすると、おそらく、B組1位のアメリカと当たるからである。下の表を見てほしい。これが、何の表か分かるだろうか。

分かった人は、すごい。そう、アメリカ女子サッカー代表のワールドカップ、オリンピックでの成績である。そして、瞠目すべきは、

アメリカは、ワールドカップで優勝できなかった、次の年のオリンピックでは、必ず優勝しているのである。

それを今年に当て

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五輪サッカー代表の1位突破のシミュレーション、順位表を見える化するー「1位突破ためのホライゾン」

五輪サッカー代表の1位突破のシミュレーション、順位表を見える化するー「1位突破ためのホライゾン」

「五輪サッカー日本代表」の予選リーグのシミュレーションしたのが、上の図である。
「星」が、それぞれのチームが予選を突破するする可能性の勝点を表している。ここでは、現実的シミュレーションとして、日本の予選突破が決まったものとする。

見てもらって分かるように、第3戦目に置いて、主導権を握っているのが、パラグアイである。「パラグアイ対マリの結果」によって、その他のチームが影響をいける。パラグアイの勝敗

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「星勘定」のためのツールー予選リーグ突破をシミュレーションする。「突破のホライゾン」

「星勘定」のためのツールー予選リーグ突破をシミュレーションする。「突破のホライゾン」

いよいよオリンピックだ。

様々な競技で予選リーグが始まるが、予選リーグの「星勘定」を行いたいとき、色々なパターンがあって、頭が混乱することがあるかもしれない。

そんなとき、あらゆるシチュエーションを一つのグラフにまとめられるとしたら、どうであろうか。私が使っているモデルをぜひ皆様に紹介したい。
「突破のためのホライゾン」というものである。

ここでは、近年で、最も思いだすことができるスポーツ・

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真の「攻撃力」、「守備力」を数値化する。ーサッカーは勝点1から始まるゲーム

真の「攻撃力」、「守備力」を数値化する。ーサッカーは勝点1から始まるゲーム

この記事では、従来の順位表の「得点数」、「失点数」「得失点差」からは分からない、そのチームの真の「攻撃力(得点力)」、「守備力(失点力)」を導き出し、「勝負強さ」というものを数値化したい。

下記は、J1リーグ第22節時点の順位表である。
勝点、得点、失点、得失点を抜き出したものである。
さて、この表から何が言えるだろうか。一番、疑問に思うのが、私がハイライトしたところであろう。

「得失点差」と

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得失点差だけで順位を導き出す方法ーサッカーは勝点1から始まる

得失点差だけで順位を導き出す方法ーサッカーは勝点1から始まる

得失点差とは何か?
説明するのは、簡単ではある。
全試合の全得点から全失点を引いたものである。

さて、ここからが問題である。
下表は、J1リーグ第21節の得失点差のみの順位表である。
ここでは、チーム名の入っていない「戦績表」が与えらえ、そこから「得点」、「失点」を計算するとする。議論をシンプルにするため、得失点差がプラスの9チームを挙げる。

ここで、「あれっ」思うのは、必ずしも得失点差が大き

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「引分の磁力」(「勝点1の磁力」)ーサッカーは勝点1から始まるゲーム

「引分の磁力」(「勝点1の磁力」)ーサッカーは勝点1から始まるゲーム

前回は、広島が中位に甘んじているのは、引き分けが多いからではなく、勝ちが少ないからである、と言うことを「宇宙人の順位表」を用いて、説明した。そこで、改めて気づいたのは、引き分け試合というのがかなりの頻度で起こっていると言うことである。下の表は、「人間の順位表」である。

なんと、引き分け試合の割合はリーグ平均29%である。例えば、20チームのリーグでは、毎節10試合行われるが、その3試合が引き分け

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「引き分けO.K.」は何がO.K.なの?人間のバイアスを解くーサッカーは勝点1から始まるゲーム

「引き分けO.K.」は何がO.K.なの?人間のバイアスを解くーサッカーは勝点1から始まるゲーム

さて、前回の記事では、「直接対決の重要性」と「シックス・ポインター」の重要性を検討した。
今回は、「宇宙人の順位表」から分かる。最も、明白にして重要なことを指摘したい。

それは、当り前の話ではあるが、「勝てば勝つほど順位は上がる、負ければ負けるほど、順位が下がる」といことである。
我々は、勝点というものに慣れすぎて、まず勝点に目が行ってしまうのではないだろうか。ともすれば、勝点しか載せていない順

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「直接対決の重要性」「6ポインター」とはーサッカーは勝点1から始まるゲーム

「直接対決の重要性」「6ポインター」とはーサッカーは勝点1から始まるゲーム

さて、前回では「お小遣い1の仮説」と「宇宙人の順位表」という概念を説明した。ここでは、「直接対決の重要性」「6ポインター」とは何か、ということを「宇宙人の順位表」を用いて示したい。
これにより、分かったつもりでいた「直接対決の重要性」「6ポインター」というものがよりDeepに分かると思う。

さて、「宇宙人の順位表」とは何か。
宇宙人は、長年の観察により、サッカーというゲーム、そして、リーグ戦とい

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サッカーは、勝点1から始まるゲームー「お小遣い1の仮説」と「宇宙人の順位表」

サッカーは、勝点1から始まるゲームー「お小遣い1の仮説」と「宇宙人の順位表」

サッカーのリーグ戦の試合は、勝ち点1ずつから始まるゲームである。
何を言ってるんだと思う方もいらっしゃるであろうから説明しよう。
単純である。
サッカーの試合は、必ず得点0-0からはじまる。つまり両チームが90分間ピッチ上に突っ立っていて何もしなくても、得点0−0で引き分け、両者勝ち点1、試合は終わる。

この観点から書かれた文章を洋の東西を問わず、私は読んだことがないので、「お小遣い1の仮説」と

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あなたのチームは、攻撃的、守備的か?ボール保持率というノイズ。大事なのは、攻撃回数。

あなたのチームは、攻撃的、守備的か?ボール保持率というノイズ。大事なのは、攻撃回数。

サッカー中継では、試合中に「ボール保持率」というスタッツが視聴者に紹介されることがままにある。

この数字を見て、「えっ、実感と違うな」となることはないだろうか。

結論から言おう「ボール保持率」はノイズなのである。
そのノイズを取り払ってみると、聞こえてくるのは、「攻撃回数」というビートである。

一般的に、ポゼッション率と攻撃回数が比例するのが球技である。例えば、アメフトやラグビーを思い浮かべ

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攻撃回数③ サッカーは失敗のスポーツ

攻撃回数③ サッカーは失敗のスポーツ

サッカー中継では、試合中に「ボール保持率」というスタッツが視聴者に紹介されることがままにある。

この数字を見て、「えっ、実感と違うな」となることはないだろうか。

結論から言おう「ボール保持率」はノイズなのである。
そのノイズを取り払ってみると、聞こえてくるのは、「攻撃回数」というビートである。

一般的に、ポゼッション率が高いチームが攻撃的なのが球技である。例えば、アメフトではポゼッション率が

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なぜ先制点が大事か。ーサッカは勝点1からはじまるゲームー

なぜ先制点が大事か。ーサッカは勝点1からはじまるゲームー

サッカーのリーグ戦の試合は、勝ち点1ずつから始まるゲームである。何を言ってるんだと思う方もいらっしゃるであろうから説明しよう。
サッカーの試合は、常に得点0-0からはじまる。つまり両チームがピッチ上に突っ立っていてボールに触れなくても、0−0で両者勝ち点1を得、試合は終わる。

それでは、サッカーの試合において最も重要な得点は何点目であろうか。それは、もちろん先制点である。サッカーをたくさん見てい

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